サイモンの気がかり
サイモンは、桃太郎が攻めてきた時、ゾーンから彦一の家族をかくまっておけ、と指示されていた。それ以上の理由は聞いていない。
だが、暫くするとその部屋の前に武装した兵士が二人来て、監視を始めた。
サイモンは、不審に思い、その兵士に尋ねた。
「おい、どうなっているんだ?」
「侵入者はかなり手強い。万が一の事があるといけないからここを守る」
「そうか、そんなに大変なのか?」
「今までの敵とは分けが違う。奴等にはディアボロスの影響は全く無いようだ。どうやら桃太郎という、ペルシカ人が率いる動物との混成部隊のようだ」
「ペルシカ人なのか? それは手強いはずだ」
サイモンは、納得し部屋の中に戻る。
そのサイモンに向かって、彦一の妻里子が話しかける。
「サイモンさん、彦一は何処にいるの」
「はい、彦一は他の捕虜と一緒に農場にいるはずなんだが。あそこは収容所のスタッフが守っているから大丈夫だろう」
「本当なのね」
「ああ---.しかし情報があまりにも少ない。手は打ってあるから、もう少し待ってくれ」
「お願いね! お父さんも心配だし」、娘の仁美が心配そうに言った。
「私と、彦一とは親友だからな危険な目には会わせたくない。心配しないでくれ」