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ディアボロスの破壊

 一方、桃太郎はカーマンと激しく組み合っていた。

「桃太郎、中々やるじゃあないか」

「カーマン大丈夫か、息が上がってるぞ」

「何を言うか」

 激しい真剣勝負の戦いであったが、二人はそれを楽しんでいるようでもあった。お互いが知っている限りの武道の技を使い、部屋のあっちこっちを飛び交いながら空中戦となったり、くみ合ったりした。あまりにも素早い動きであったため、それを見ている兵士も、時々その姿を見失うほどであった。

 中々決着がつかなかったが、カーマンが突然、「待て、これぐらいにしようじゃないか」と言ってきた。

「そうか、降参ということか?」

「そうじゃない。結論から言えば、お前の味方になってやろう、という事だ」

「おっと、それは本当か」

「本当だとも、今まではゾーン司令官の命に絶対服従をしてきたが、最近は司令官の考えに疑問を持つようになってきた。以前、お前と会った時からだ。それと捕虜になっているペルシカ人と地球人が働いている農場を見たことがある。彼らは以外にも実に人格的だった。地上では愚かな人間ばかりが目立つが人格者も確かにいる。だからネビロン人のやっていることは大きな罪を犯しているのではないかと疑問を持つようになった」

 その話を聞いていた一人の兵士がカーマンに向かって、「カーマン隊長、ゾーン司令官を裏切るつもりですか?」、そう言いながらレーザー銃をカーマンに向けた。

「君はターナー君だな。君の言うことも最もだ。自分の信念に従って行動したまえ。撃つなら撃っても良いぞ」

 他の隊員たちも迷っていた。なぜなら特殊部隊の兵士たちはカーマンを心から心酔していたからである。カーマンに従うべきか、ゾーンに従うべきか。

 その時、部屋にあるスピーカーからゾーンの声が響いた。「裏切り者のカーマンを許すな。ネビロン人として私の命令には誰でも従わなければならんのだ」。その瞬間、ターナーはレーザー銃を発射した。

 カーマンは逃げる気は無かった。これも運命だと思っていた。そしてカーマンはついにレーザーによって胸を射貫かれた。そこにいた誰もがカーマンはやられてしまったと思った。

 だが、よく見るといつの間にか桃太郎が剣を構えて、カーマンの前に立っていたのだ。桃太郎は、その剣によって、レーザーを跳ね返していたのである。

「カーマン、死ぬのはまだ早いぞ」と桃太郎が力強く言った。

「ふん、桃太郎、余計なことはするな」と言いながら、カーマンは床においてあったレーザー銃を取った。そして素早く、レーザー銃をディアボロスに向かって照射した。煌く光の中でディアボロスは小さな爆発を繰り返しながら崩れ落ちた。

 こうして、ついに長年に渡って地球人を苦しめていたディアボロスは破壊されてしまったのである。

「やったな、カーマン」

「桃太郎、元気で平和な地球を作ってくれ。俺は彼らを説得する。それができなければここで戦う。お前の後は追わせない」

「そうか、カーマンありがとう。命を落とすなよ」。そう言い残すと桃太郎は次の目標へ向かって走っていった。

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