捕虜の解放
一方、捕虜収容所入り口前のユリカたちは、立ち往生していた。未だにドアを開けるためのデータを探しきれていなかったのだ。
ユリカは焦っていた。時間が長引けば、いつネビロン人が襲ってくるか分からない。これ以上の犠牲をどうしても出したくは無かった。
「さあ、飛雄、急ぐのよ」、ユリカは天に祈るような気持ちで叫んだ。
その時、恐れていたネビロン人たちのこちらに向かってくる足音が響いてきた。ユリカは再び多くの犠牲が出るのではないかという不安がよぎった。
と、その時である。捕虜収容所の扉が突然開いたのである。すると中から
「伏せるんだ、俺たちがお前たちを守ってやるぞ」という声が響いた。ユリカが驚いて彼らを見ると、ネビロン人たちである。 彼らは、敵なのか見方なのか?。捕虜収容所のネビロン人たちは、そこで働いている地球人とペルシカ人たちを尊敬しているという情報も得ていた。それで、ユリカは彼らを信用してみようと思った。
「みんな、伏せるのよ」と叫んだ。その瞬間、収容所内のネビロン人たちから、レーザー光線が発射された。
向かってきたネビロン人たちは、不意打ちをくらい次々に倒れていった。
それを見届けてから、中のネビロン人たちが「中へ入れ」と促した。ユリカたちが全員入りきるとドアは再び固く閉ざされた。
「さあ、私たちはあなた方の見方です。ペルシカ人や地球人のいるところまで案内しましょう」
「本当にあなた方を信じて良いのね」
「そうですよ。私たちは収容所内のペルシカ人や地球人には本当に感心させられています。皆さん人格者ばかりです」
ユリカは彼らの目を見て、嘘をついていない事を確信した。
「分かったわ、あなた方を信じますよ」と言って、にこっと笑った。
「さあ、どうぞついてきてください。おっとその前にこのドアのパスワードを変更しておこう!」