地球探索
時は流れ数年の歳月が過ぎ去った。そしてペルシカ人による宇宙探索の手は、銀河系にまで達した。彼らはその中にある太陽系の第三惑星地球を発見した。彼らは地球を見て驚いた。
「なんて美しい星だろう」
「宝石のように輝いているぞ」
更に宇宙船が地表に近づくにつれ、海の青さ、そして大陸における緑の豊かさが、目に飛び込んでくる。
また、鳥が隊列を組んで空を飛び、草原を動物の群れが駆け抜ける。
ジャングルの密林地帯があるかと思えば、万年雪に覆われた白一色の世界もある。
海に潜れば、様々な種類の魚が泳ぎ、そして愛らしいイルカや巨大な鯨も存在する。
更に深海には、半透明の皮膚を持った奇妙な形の生物もいる。
「なんてすばらしい。生命力に満ち溢れているぞ」
「あの鯨という生物の大きさはすごいぞ」彼らは地球という星に魅了され感動した。
だが一部の地域では、汚染物資が河川や湖、そして海や大気を汚し、貴重な生物の生命を危うくしている。
そして、その原因がこの星の知的生命体である人間であることが分かった。
また、扮装地帯があり、この人間同士が殺し合っている場面も見た。
「うむ、どうやら地球人がこの星を支配しているようだ。しかし、この星の自然環境は彼らによって脅かされているように思われる」
だが、彼らは簡単には結論を出さなかった。
ペルシカ人たちはネビロン星での失敗を繰り返さないように地球の状態、特に地球人の事を詳細に調べることにした。
しかし、彼らが地球をつぶさに調べていくうちに失望感が増大していった。
「こんな小さな惑星であるのに多くの国に分かれているぞ」
「そうだ、そしてその国境線を境にして隣り合った国は仲が良くなく争いが絶えないようだ」
「そして国や民族毎に何種類もの言語があり互いに意志の疎通が難しいときている」
「歴史を調べてみても戦争の繰り返しだ」
「国連という世界政府のようなものもあるようだが、各国の利害対立で正常には機能していないようだ」
「まだまだ問題はあるぞ。貧富の差があまりにも大きい」
「ある地域では食べ過ぎて肥満で困っているのに、ある地域では食べるものも無く餓死している者もたくさんいる」
彼らはこのような事実を知り呆然とした。
「これではネビロン星の二の舞どころか、それ以上に大変な事になってしまうぞ」
「だが、簡単には結論は出せないぞ。もっともっと詳細に調べてみよう」