日本の混乱
日本もまた歴史上かつて無かった程の混乱振りを示していた。内閣は半年も持たず、閣僚の汚職事件や、足の引っ張り合いなどにより次々に倒れていった。
公の為に生きたいという立派な政治家も多かったが、マスメディアによりでっち上げの記事を載せられ失脚してしまうケースも多かった。何を信用してよいか分からず、人々の疑心暗鬼が深まっていった。
政権政党が入れ替わっても、やはり同じような問題が生じた。そのため政策に一貫性が無く国民は混乱し、失業者で溢れかえった。国民の不平不満は爆発し、各地で暴動騒ぎが勃発した。しかし、その治安を守るべき警察も汚職にまみれ命令系統が乱れ、組織的な行動は取れなかった。
夜には更に治安が悪化した。飢えた民衆が食料店を襲ったり、金持ちの家が強盗に入られたりすることもしばしばであった。ある地域では、警察が頼りにならないため、自警団を組織したところもある。
それでもディアボロスによる邪心を増幅させる電波も、もともと邪心が少なく我欲がほとんど無い人間には効果がなかった。 少数ではあるが、そのような人達によって、かろうじて国家が保たれていたのである。