ネビロン人の秘密基地は?
「ユリカ、デルタって本当に人工知能なのか? 俺をからかっているんじゃあないだろうな」
「いいえ、本当に人工知能よ。でも寂しい時には良い話し相手になってくれて助かるわ」
それでも桃太郎は疑わしそうな顔をしている。
「まあ、まだ疑っているの? そんな顔は桃太郎さんに似合わないわよ」
「そうか、まあいいや」単純な所が桃太郎の良さでもある。
「そうそう、その調子よ」
「ところで、俺たちの親は何処に囚われているのか分かっているのか?」
「それは、お父さんが調べておいたわ。鬼ヶ島よ」
「鬼ヶ島だって。あんなジャングルのような所にか」
「そうよ、ジャングルだからこそ隠れ蓑になるのよ」
「うーん----」
「その島の地下に大規模な基地を作っているらしいの。鬼ヶ島の基地がどれだけの規模なのか、ネビロン人が何人ぐらいいるのか、色々と調べなければいけないわね。飛雄を使って調べようと思っているのよ」
「飛雄で大丈夫なのか」
「飛雄なら大丈夫よ。音速で飛べるし、目は特殊なカメラになっていて、内蔵のメモリーに記憶することが出来るわ」
「それは頼もしい。それじゃ俺は自分なりに準備をしておこう」
「桃太郎さんに会えて良かったわ。隣村にいたときも桃太郎さんの噂は聞いていたわ。ひょっとしたらペルシカ人じゃないかと思っていたの。一緒に仲間を救い出しましょうね」
「もちろんだ。また連絡してくれ。ところでこのクッキー美味しいじゃあないか!」
「当たり前よ。それはデルタじゃなく、私が作ったんだからね」
「おいおいユリカ、鼻がたかくなってるぜ」
「まあ、言ったわね!」
こうして桃太郎とユリカは絆を強め、決意を新たにした。