家の鍵を閉めた瞬間、ドアノブが回った
私が小学三年生だった頃の出来事です。
当時はアパートに住んでいて、両親は共働きだったので、学校から帰ってきたらしばらくは一人で留守番していました。
いわゆるカギっ子というやつです。
太陽は沈みかけ、シーンとした室内で、「帰りまだかな」と心細さを感じていたのを覚えています。
ある日、私は帰宅した後、テレビで教育番組を観ていました。
教育番組の内容には興味がありませんでしたが、テレビの音で心細さを誤魔化そうとしていたのを覚えています。
“〇〇といっしょ”が放送されていたタイミングなので、大体18時頃でした。
ピンポーン。
突然、呼び鈴が鳴りました。
呼び鈴にカメラモニターは付いておらず、覗き穴は当時の身長では覗けない位置にあったので、誰が来たかは確認出来ていません。
私は両親から、一人の時に呼び鈴が鳴っても居留守するように躾られていましたが、ふと、家の鍵をかけていないことを思い出しました。
「鍵をかけないと開けられちゃう」と子ども心ながらに思った私は、鍵をかけた音が響かないようにゆっくりと捻った、その時。
カチャン。
少しばかりの施錠音が漏れ出てしまった直後、続けざまにドアノブを捻られました。
ガチャ。
ガチャ。ガチャ。
一度捻られ。
少し開けて二度捻られ。
私は蛇に睨まれた蛙のように、一歩たりとも動けなかったのを覚えています。
幸いにも、それ以降にドアノブを捻られる事はありませんでした。
訪問者が誰かだったのかは分かりませんが、鍵が開いていたら確実に家の中に入って来ていたという強い意志をドアノブから感じていました。
この件とは関係ありませんが、今は両親ともに別の場所へ引越しており、何か大事が起きた等はありません。
また、アパート周辺で不審者や逮捕者が出た話も聞いた事はありません。




