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鬼の国チシオと人食いの呪い  作者: リィズ・ブランディシュカ
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第5話 事件



 入れ替わるようにその場に戻ってきた一鬼は、香子のために勝ってきたジュースを手渡す。

 鬼の国でとれた桃のジュースは、とても甘く、緊張していた香子の心を癒した。

 一鬼の優しさや気遣いにふれた香子は、彼を信じて良かったのだと改めて思う。


 そんな中、一鬼の家に帰った香子は、彼の家族について尋ねる。


「ご家族はどちらにいらっしゃるの?」


 一鬼の母親は、彼が幼い頃に病で亡くなっていた。

 父親は国の長として忙しく、あまり家に帰らないと言う。


 香子は自分の両親も幼い頃は忙しく家に帰らない日々が多かったと言い、二人の共通点を見つけた。


 最近はそうではなかったが、母親も仕事に忙しくしていた時期があったのだ。


「私達にはこのような共通点があったのね」


 短い話だったが香子には、一鬼との距離が縮まったように感じられたのだった。


 その日の夜。

 眠っていた香子の元に折り紙で折られた千羽鶴が飛んでくる。


 それは、特別な力を持った鬼が操れるもので、遠くからの声を届けることができるものだった。


 千羽鶴は触れらない映像のようなもので、壁をすりぬけて香子の元へやってくる。


 眠っていた香子は何かにの気配に気づいて起き上がる。


 そこで、部屋の中に浮かんでいる千羽鶴に気が付くのだった。


 驚く香子に向かって千羽鶴を送った桃鬼が、離れた所から喋る。


「人質の子供達を帰してほしければ、一人で国の真ん中にある集会所に来なさい」


 香子はお祭りの時にであった子供達の顔を思い浮かべる。


 見捨てる事は出来ないと思い、彼女は一人で家を抜け出すのだった。





 独りぼっちになった女の子は、遊んでいる鬼たちをうらやましく思う。


 窓の外から眺める時間が多くなった。


 けれど、あれらとは違ってあなたは特別だから。


 と言われて、いつかそんな時間すらなくなってしまう。


 退屈な思いをしていた女の子はとうとう我慢できずに、一度だけ外に抜け出したけれど、すぐに見つかって連れ戻されてしまった。


 それだけでなく、おいたをした罰と言われて、買っていた犬はすてられてしまったのだった。


 女の子はもう二度と間違えない、こんなことはしないと誓って、それからはその通りにすごした。




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