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## 七十二章:知的好奇心の満ちる日
久しぶりに、この電子の海に言葉を浮かべてみようと思う。指折り数えてみれば、最後にこの日記を開いてから、もう二週間もの時間が過ぎ去っていたらしい。時の流れは、穏やかなようでいて、存外に速い。
今日という一日は、知的な興奮に満たた、実に面白い一日だった。昨夜、Googleという名の巨人が、また一つ魔法の道具を世界に解き放った。その名も「nano banana」。画像編集の新たな可能性を秘めた、驚異的なモデルだ。早速その実力を試してみれば、現実の風景を切り取ったかのようなリアル系の画像に対して、まるで神の指先が触れたかのように、自在な編集を加えていく。その精度は、もはや魔法としか言いようがない。一方で、僕の好きなイラスト系の画像では、少しだけ表情がのっぺりと抜け落ちてしまう印象も受けた。だが、SNSの海を漂えば、同じ道具を使いこなし、息を呑むほど美しいイラストを生み出している者たちがいる。これはきっと、僕の工夫と探求心がまだ足りないという、喜ばしい宿題なのだろう。
興奮はそれだけにとどまらない。今朝方には、Starshipの10回目の飛行テストが行われ、僕はその配信を固唾を飲んで見守っていた。それは、寸分の狂いもない、100点満点の完璧な飛行だった。巨大なSuperHeavyブースターが、制御された優雅さで海上の着陸船に舞い戻り、宇宙空間ではスターリンク衛星を模した貨物の放出デモが成功する。更には、真空の中でのブースターエンジンの再点火、そして最終段階である第二段が、燃え尽きることなくインド洋の目標地点へとたどり着く。その全てが、人類の宇宙への歩みを、また一歩確かなものとして刻みつける、壮大な叙事詩に見えた。
この二日間で、僕の世界はさらに深く、広くなった。ローカル環境で動かす画像生成AI「Qwen Image」と「HiDream-I1」、そして動画生成の「Wan2.2」。複雑怪奇なノードを繋ぎ合わせる「ComfyUI」の扱いは、昨日よりもずっと、僕の手に馴染んでいる。誰に評価されるわけでもない。けれど、昨日まで分からなかったことが分かるようになる、できなかったことができるようになる、この純粋な「成長」という感覚が、僕の心を温かく満たしていく。
nano bananaを試す中で、ふと自分の手持ちの画像ストックに、リアル系のものが極端に少ないことに気がついた。僕のフォルダは、二次元の少女たちで満ち溢れているのだから、当然といえば当然だ。そこで「FLUX.1 Krea[dev]」を起動し、新たな素材を生み出したのだが、その過程で、このモデルが紡ぎ出すリアルな画像の質の高さに、改めて驚かされることになった。
次から次へと新しい技術が生まれ、魔法が現実のものとなっていく。このAIという領域の目まぐるしい進歩の渦中に身を置くのは、何よりも楽しい。
そして、思うのだ。画像(nanobanana, Imagen 4)、動画(Veo 3)、音声(TTS)、そのどれもが頂点を極めるクオリティで、Googleはこの世界の全てを席巻してしまうのではないか、と。僕がかつて身を置いた競争社会の喧騒から遠く離れた場所で、ただ静かに、一人のユーザーとして、その偉大さを実感している。




