↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
厄災の王女の結婚~今さら戻って来いと言われましても~  作者: 春風由実
第一章 厄災の王女

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

51/63

50.異例のお茶会


 時折薄い雲がゆったりと流れるうららかな午後。


「最初はわたくしの話を誰も真剣に聞いてくれなかったのですわ。それが戦争がはじまって、殿方たちが順に兵士として連れて行かれるようになったでしょう?それがよろしかったのですね」


「あら?そちらでもそうだったの?領内のことを女性が動かすようになってからは本当に仕事がしやすくなったわ」


「まぁ、うちもでしてよ。けれども戦争を免れた文官たちは厄介でしたわね」


「分かるわぁ。殿方たちが減っておとなしくなるかと思いきや、かえって偉そうに振舞い始めて」


「殿方であるだけで自分は凄い存在だと勘違いしている可哀想な方々のことね。ほほほ。わたくしは少し脅しましてよ」


「まぁ、どのように?」


「当主代理のわたくしが必要と思えない殿方たちには、兵士として戦場の最前線で頑張っていただきましょうと零しただけですの。立派な殿方ならば、きっと領地より国の役に立つ行いをした方がよろしいでしょうと」


 ぐるりとフェンスで囲まれた中庭に面したテラスに女たちが集っていた。

 煌びやかなドレスを着る者は誰もなく、皆が皆、暗い色味のシンプルなデイドレスを纏っている。

 これは王城内としては極めて違和のある光景だった。

 

 しかも彼女たちが囲んでいたのは、他国の王女さまで、まもなくこの国の王妃となる人物である。


 王族に会うとなれば、それに相応しい衣装を纏う礼儀が、アウストゥール王国にも存在していたからには、彼女たちは通常ではあり得ない無礼な行いをしていることになった。


 しかし今日に限っては、これが許される。


「それで従うようになりましたの?」


「えぇ、もう。下僕のように従ってくださいましたわ」


「まぁ、情けない。その程度で態度を変えるだなんて」


「本当にそうよねぇ。この国の殿方たちにがっかりなさらないでくださいませね、王女さま」


「そうですわ、王女さま。この国にも立派な殿方たちはございますからね。そうでなくては戦争には勝てませんでしたわ」


 微笑みを浮かべ頷いた王女は、一人この場に浮いているように目立っていた。

 こちらも簡素な服装を選んではいたものの、そのデイドレスが明るい水色だったからだ。


「どうぞ、皆さま。私のことは気になさらず。お好きなように話してください」


 どうぞ、お好きなように。

 そう言われても、王女の御前だ。


 いつもの彼女たちだったら、会話を慎んでいたであろう。

 しかし今日この場では不思議と女たちのおしゃべりは止まらなかった。


 それは彼女たちがいい意味で開き直っていたからかもしれない。




読んでくれてありがとうございます♡

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。