表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/6

4話:新たな旅立ち、そして明かされる真実

深い森の中、レオンとエリス、そして謎の少女は息を切らしながら走り続けていた。背後では、黒竜と化したガルドの咆哮が遠ざかっていく。

「ここまで来れば大丈夫よ」

謎の少女が立ち止まり、振り返った。レオンとエリスも足を止め、周囲を見回す。

「あなたは...誰?」

レオンが、警戒心を隠さずに尋ねた。

少女は微笑み、一礼した。

「私はセシリア。アルカディア王国の第一王女よ」

その言葉に、レオンとエリスは驚きの表情を浮かべた。

「王女!? どうして、こんなところに...」

エリスが困惑した様子で問いかける。

セシリアは真剣な表情で答えた。

「私は、王国の腐敗を正すために動いているの。そして、あなたたち二人の力が必要なの」

レオンは眉をひそめた。

「俺たちの...力?」

「そう。古代魔法を操る力。それこそが、この世界を変える鍵なの」

セシリアの言葉に、レオンとエリスは顔を見合わせた。

その時、ルミナの声が響いた。

「話を聞いてみるといい。彼女の言葉には真実が含まれている」

レオンは深く息を吐き、決意の表情でセシリアを見つめた。

「分かりました。あなたの話を聞かせてください」

セシリアは頷き、話し始めた。

「実は、アルカディア王国は今、大きな危機に瀕しているの。王族や貴族の多くが、"影の議会"という秘密結社に操られているわ」

「影の議会...?」

エリスが首を傾げる。

「そう。彼らは古代の禁忌の魔法を使って、人々を支配しようとしているの。さっきのガルドもその犠牲者の一人よ」

レオンは拳を握りしめた。

「兄さんが...あんな姿になったのも...」

セシリアは静かに頷いた。

「でも、まだ希望はあるわ。それが、あなたたち二人よ」

「私たち...?」

エリスが不安そうに尋ねる。

「そう。あなたたちの持つ古代魔法の力こそが、影の議会に対抗できる唯一の手段なの」

レオンは決意の表情を浮かべた。

「分かりました。俺たちに何ができるか、教えてください」

セシリアは微笑んだ。

「まずは、あなたたちの力をさらに高める必要があるわ。そのために、"五大精霊の祠"を巡る旅に出なければならないの」

「五大精霊...」

エリスが呟いた。その瞬間、彼女の体が淡く光り始めた。

「エリス!?」

レオンが驚いて叫ぶ。

エリスの目が閉じられ、別の存在が彼女を通して語り始めたかのようだった。

「五大精霊...火、水、風、土、そして霊。古より世界の調和を司る存在...」

セシリアは驚きの表情を浮かべた。

「まさか...精霊使いの血を引いているの?」

エリスの体から光が消え、彼女は我に返った。

「え? 私...何を...」

レオンが状況を説明すると、エリスは困惑した表情を浮かべた。

「私に、そんな力が...」

セシリアは真剣な表情でエリスを見つめた。

「あなたの力は、私たちの旅にとって重要な鍵になるわ。精霊たちとの対話ができるのは、あなただけなの」

レオンはエリスの肩に手を置いた。

「一緒に頑張ろう、エリス」

エリスは少し迷った表情を見せたが、すぐに決意の色を浮かべた。

「ええ、分かったわ」

セシリアは満足げに頷いた。

「よし、では旅の準備をしましょう。最初の目的地は、"炎の祠"よ」

三人が歩み始めたその時、突然地面が揺れ始めた。

「な...何!?」

レオンが驚いて叫ぶ。

地面が割れ、そこから巨大な岩の精霊が姿を現した。

「来るぞ!」

セシリアが警告の声を上げる。

レオンは咄嗟に古代魔法を発動させ、青白い光の盾を作り出した。エリスは精霊たちに呼びかけ、風の力を味方につける。

「くっ...強い!」

レオンが呻く。岩の精霊の一撃で、光の盾にヒビが入る。

「こんな時に...私たちの力じゃ...」

エリスの声が震える。

その時、セシリアが一歩前に出た。

「私にも、隠し持っていた力があるの」

そう言うと、セシリアの体が淡い紫色の光に包まれ始めた。

「あれは...」

レオンが驚きの声を上げる。

セシリアの手から、紫色の光の槍が現れた。

「はぁっ!」

セシリアが光の槍を放つ。それは岩の精霊の胸を貫き、精霊は砕け散った。

「す、すごい...」

エリスが驚きの声を上げる。

戦いが終わり、セシリアは深く息を吐いた。

「これが、王家に伝わる"月光の力"...ずっと隠していたけど、もう隠す必要はないわね」

レオンとエリスは、セシリアの unexpected な力に驚きを隠せなかった。

「さあ、行きましょう。これは始まりに過ぎないわ」

セシリアの言葉に、レオンとエリスは頷いた。

三人の旅が、本格的に始まろうとしていた。

彼らの前には、未知の冒険が待っている。五大精霊の祠を巡る旅、そしてその先にある真実。

レオンは決意の表情で空を見上げた。

(待っていてくれ、兄さん。必ず、あなたを取り戻す)

エリスは、自分の中に眠る力の可能性に期待と不安を感じていた。

(私に、何ができるのかな...)

セシリアは、二人の成長を見守りながら、自分の使命を胸に刻んだ。

(この二人となら、きっと...)

三人の旅は、世界の運命を大きく変えていく。

しかし、彼らはまだ知らない。この旅の先に待つ、想像を超える試練と真実を...。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ