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 恐らく、このレコール島の戦いが終わったあとはスロー再生などが世の中に出回ることだろうというほど目で追うことはできない。

 ブレードマンティスたちと戦い続けていた迅へ、一体の魔物が迫る。


「……来たね」


 玲奈の呟いた次の瞬間、迅へと刃が迫る。

 首を狙った一撃。

 しかし、迅は口元に笑みを浮かべ、余裕の表情で受け止めた。


「や、やりましたね!」

「……ゴルドって人よりも、この時点では戦えてる」

「そうだね」


 麻耶がほっとしたように息を吐く。

 そこから、ブラックブレードマンティスと迅との戦いが始まる。


『ち、力はほぼ互角、でしょうか……? ですが鈴田冒険者が押しているようにも見えます!』


 もはや次元が違いすぎるため、どちらのほうが優勢かは素人目には分からないだろう。

 一瞬で消え、次の瞬間には殴り合っているような光景が続いているのだから。

 だが、明らかに押しているのは迅だ。


 ブラックブレードマンティスの攻撃は一切当たらず、迅の攻撃はすべて命中している。

 一度迅が優勢になれば、そこからは一方的な展開となる。


「い、いや、強いのは知ってたけど……まさかここまでなんて」


 流花もこの状況は想定していなかったようで、頬が引きつっている。

 それは彼女だけではなく凛音もだ。


「そ、そうですよね……Sランクの中でもかなり難易度の高い迷宮爆発のボスモンスターを一方的だなんて……」

「お兄ちゃん……良かった。頑張ってっ」


 麻耶もすでに表情が落ち着いたものとなっていて、玲奈はそれを見て満足していた。

 だが、その時だった。

 異常な魔力を感じ取った玲奈は家の外へと視線を向ける。

 それとほぼ同時だった。


 ドアチャイムが響いた。




 突然の来訪者に、皆で顔を合わせる。


「あれ、誰だろう?」


 麻耶がソファから立ち上がり、玄関へと向かおうとしたのを玲奈が腕を掴んで止める。


「ちょっと待って、麻耶ちゃん」


 玲奈は眉間を寄せながらその魔力の詳細を調べていく。

 魔力には僅かに覚えがあった。そして、なおかつその嫌な感じの魔力。


 玲奈もSランク冒険者として、魔力増幅薬使用者の魔力については知らされていた。

 実際に捕らえた使用者の魔力を調べさせてもらい、その特徴も理解していた。


 だからこそ、玲奈の表情はこわばっていた。

 今、玄関にいる魔力を持った人間がかなりの強者であることが理解できていたからだ。


「どうしたんですか、玲奈さん?」

「……この魔力、たぶんあんまりよくない感じだから……無視できるなら、無視したほうがいいかな……?」


 そういったときだった。

 玄関のほうで何かが壊れる音が響き、無理やりに何者かが押し入ってきたのが分かった。


「無視、できなさそうだけど」


 流花が警戒した様子で呟き、玲奈は小さく息を吐いて頷く。


「相手は犯罪者だから、警戒だけはしておいてね。いざってときはあたしが戦うから、三人は避難の要請をお願い」


 そう言いながら、玲奈はすでに会長にメッセージだけは送っておいた。

 玲奈はすぐに戦闘準備を整え、リビングの入り口へと視線を向ける。

 その魔力がゆっくりと動き、そして姿を見せた。


「いたいた」


 禍々しい魔力を纏った男に、玲奈たちは見覚えがあった。

 ジェンスだった。

 玲奈も、以前のビーチバレーボール大会を邪魔されたときにその顔をよく見ていたので、覚えていた。


「……あの人って、ジェンス……だったっけ?」


 流花も気づいたようで、玲奈は頷いた。

ここまで読んでいただきありがとうございます!

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新連載です、よかったら読んでください!

エロゲー世界のただのモブに転生した俺に、ヒロインたちが押し寄せてきます 



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― 新着の感想 ―
ほんと卑怯なやつだわこいつ
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