ぴちぴちのぴっち
潤うお肌をもつ生物。
それはぴっち。
ぴちぴちお肌が特徴の、エラのついたクラゲ。
ぴっちは泳ぐのが大得意。
素早くビュンビュン泳いで、好きなところに行ったり、あっという間に食べ物をゲットしたりする。
しかもぴっちは、すべての生き物の中でもダントツのスピードを誇る。
純粋な速度勝負でかなう生物はほどんどいなかった。
そんなぴっちは、夜になると光る。
半透明の体をピカピカ点滅させて、近寄ってきた餌をパクリとするのが、ぴっちの食事だった。
しかし、その光があまりにも綺麗だから、人間という生物が船という乗り物を使って、ぴっちを捕まえ始めた。
そして多くの人間に売られるようになっていった。
捕まるまいとしたぴっちは、深海に逃亡。
その姿は人目につかなくなり、絶滅したように思われるようになった。
ぴっちは暗い深海をたゆたいながら、いつか人間が絶滅する日が来るのを待っていた。
人間の操る船は、たくさんの汚染物質を排出していたから、きっと巡りに巡って、時期に絶滅するだろうと思ったのだ。
世界の環境は繋がっている。
無関係な所なんてどこにもないのだから。
だからその時のために、ぴっちはそんな汚染物質も届かないような、深い深い深海へ逃げ続ける。