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殿下は不満で怒る

ブックマークや評価に舞い上がって、調子に乗って本日2話目です。前話未読の方は、御手数ですが前のページに戻ってください。


*今回タイトル通り俺様殿下の話です、俺様注意です。

独白になりますので少し読みにくいかもしれません(汗)

俺はエルメシア王国第2王子のバルガスである、貴族学院最終学年で生徒会を務めている。

幼い頃から金に輝く髪に、深い森を表したかのような緑の瞳で母上譲りの顔つきで美しいと言われていた。現在17歳で大人に近づき男らしさと聡明さも加わり、女どもが皆振り向くほどの美丈夫に育ったと言っても過言では無いだろう。

学業も優秀な成績を収め、カリスマ的存在感で皆を纏めてきた。王太子候補筆頭だと言われていて、俺が王太子になれば王国も安泰だと言われている。


そんな俺には幼い頃からの婚約者が居る。本当になんで婚約したのか、何度考えても理不尽な婚約者だ。親に決められたとはいえ、もっとマシな…、俺様にピッタリな令嬢は沢山いるのにだ。


あと半年後には貴族学院卒業して、それから半年後にはその婚約者との結婚が待っている。親の纏めたこの婚約自体が、はっきり言って愚策でしかない!


俺の婚約者は一言で言えば、「最悪」の一言に尽きる。


まずに見た目から最悪だ!いつもいつも仲間内で、俺の婚約者は笑いの的だ。他人事だと思って笑うやつらに、代わりに婚約しろと言うと皆嫌がる位だ。

顔つきが可愛いなら許せるが、いつも顔はレンズの分厚い眼鏡に覆われていてまともに見ることも出来ない。分厚いレンズには品が悪いのか濁りがあり、奥が透けて見えないせいで未だに婚約者の瞳の色すら俺は知らない。目が悪いなら仕方ないと許してやれる俺の懐の広さに、盛大に感謝して涙しないとおかしいだろ。


髪の毛もその辺にありふれた茶色の艶の無い髪を、ギュッと三つ編みにして後ろに垂らしている。学院だろうがパーティーだろうが常に三つ編みをしていて、こいつは何を考えているんだといつも思ってしまう。貴族の女ならこぞって髪を弄ったり、艶を出して綺麗にするものじゃないのか?

パーティーではダサい暗い色のドレスをいつも着ていて、一緒に居る俺までダサく見えるんじゃないかと本気で焦っている。

良い生地を使っているのは分かるが、物凄くダサいドレスに仕上がっていたら意味が無い。どこかの田舎から出て来た令嬢の方が、まだマシなドレスを身につけているんじゃないかと思っている。


センスが無いのか野暮ったいドレスに俺の瞳の色のエメラルドのアクセサリーを身につけているが、これまた良く言えばシンプル、はっきり言ってもう少しマシなアクセサリーは無かったのかと聞きたくなる状態だ。辛気臭い雰囲気に合うようにか、いつも薬草みたいな匂いがしている。そんなこだわりは要らないから、女だったら香水でも使っていい香りにしろ!



見た目だけでもこんな状態だが、肝心の中身も最悪でしかない。

幼い頃から義務付けられた妃教育を途中で放棄して、学院での成績も下から数えた方が早い。そんな成績の者が役に立つはずもなく、少しずつ王太子としての政務をこなしてきているが何の足しにもなりはしない。俺の政務は緻密さと安定感のある政策を打ち出していて、安心して任せられると評判でどこに行っても周りから感謝されている。それにしても俺様が政務をこなしている時あいつはのほほんとお茶を飲みつつ、天気がいいなんてボケーっとしているに違いない。何の取り柄も無く、本当に愚鈍な女なのだ。


更に妃教育がなってないせいで、常に猫背で姿勢も悪く品も感じられない。行動も陰気で何時もビクビクしていて、ボソボソとしか喋らないので何時も聞き取りにくくて堪らない。

そうかと思いきや普段ビクビクしているくせ週に1回は王宮に来て、無言でお茶や菓子を食って帰っていく。何がしたいのか分からないが、王太子教育や付き合いに忙しい俺様を捕まえて本当に腹が立つ。お前は暇かもしれないが、一々捕まる俺はたまったもんじゃない。

お茶をすっぽかすと、何故か母上が婚約者との交流は必要だからと口を出してくる。母上はあの女が気に入っているのか普段から、優しくしろだとか大切にしろと煩く言ってくる。

俺様に全く相応しくない婚約者を、何故優しく扱い大切にしないといけないのか分からない。


俺にはもっと美人で相応しい身分の令嬢を婚約者に据え直す方が、今後の王国の発展に意味のある婚約になると真剣に思っている。


第1王子は幼い頃から病弱で使い物にならないと聞いている、どっか田舎で養生しているらしい。王太子候補筆頭の俺様が居る限り、この王国は将来を約束されたも当然なんだから全く関係ないがな。

俺様が王太子になったらまず使えないヤツら全て左遷してやる、そして婚約なんて面倒で厄介なもの撤廃してやるんだ。


そういえば最近やたらと俺に近づいてくる女が居たな、確か侯爵令嬢だったな。見た目良く華やかで社交性もあり、学業も程々だったはずだ。


その時名案を思いついた、これなら皆平等に幸せになれるはずだ。大体俺様が1番のハズレくじをわざわざ引く必要など全くないんだ、皆に笑われていた事自体おかしい話なんだ。早速それに向けて準備を進め、輝かしい将来を勝ち取ってみせる。



気分が折角良くなってきたのに忌々しいが、今から政務で書類にサインしに行かないといけない。サインだけで済むなら、そんな面倒な書類を作る意味など無かろうに。名前を書けば終わる書類、サイン待ちの無能な文官達もまた使えない奴らだ。面倒だが下々の為に今日もサインを書きに行くことにしよう。


誤字脱字変換ミスありましたらご連絡お願いします。


俺様と言うよりただのバカ王子ですね…、俺様難しい。

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