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神殺し  作者: 雷禅 神衣
32/41

32.〜最終戦1 「平成の剣客の名に置いて」〜

「おらぁ!!」

「でやぁ!!」

縦横無尽に叩きつけ、斬りつけるのはパイフーと鮫島だった。そしてその仕上げとして羅刹が続く。

拳と刀。この二つを操る、羅刹、パイフー、鮫島の三人が最前線に

そして飛び道具を駆使する鬼武と等々力を後方に置き、援護に回ると言うのが作戦だった。

「このバケモノヤロー!!」

パイフーの強烈な拳はゲノムの至る部分を抉る。繰り出された豪腕の破壊力は計り知れない。

それに続き今度は鮫島の刀、鬼三が猛威を揮う。文字通り目にも止まらぬ太刀捌きでゲノムを切り刻み、切断する。

その合間を縫って鬼武、等々力による遠距離からの攻撃が火を噴くと、ある程度ダメージを負わせたゲノムに羅刹が襲い掛かる。

しかしゲノムも無反応ではない。頭の良いゲノムはさすがに5人を同時に相手にするのは酷なのか

飛び出す触手の量が一段と増えていた。

「このバケモノ、本当に死にやがるのか!!」

「文句を言っている暇があったら攻撃しろ!!」

「鮫島、てめぇ!!見てろよ、この戦いが終わったらキッチリケリ付けるからな!!」

パイフーも鮫島も、互いに攻撃をせねば倒せない事は良く分かっている。

「くそ!!ちっとも効果が無いぜ!おい、等々力!弾はまだかよ」

「そんな事言われたってちょっと待ってくれよ」

無数のマガジンが地面に落ちる、先ほどからの攻撃はほとんどダメージを与えていないようだった。

「ぐはあっ!!」

「パイフー!」

パイフーはゲノムを攻撃を正面から食らった。

「あかん!!」

上空へと吹き飛ばされるパイフーを追うように、ゲノムが続いた。

「形無し夢幻陣!!」

メテオと化した無数の刃がゲノムに襲い掛かる。

だがゲノムに効果は無い!!

羅刹の切り出した聖魔刀にゲノムの触手が重なる。

「羅刹!!」

「は、はよ逃げんかい、パイちゃん」

「あ、ああ・・」

羅刹のかばわれる形となったパイフーは即座に真横に避けた。しかしそれを見逃すゲノムではない。

「があああっ!」

「パイフー!!!!」

ゲノムの触手がモロにパイフーの脇腹に突き刺さった。鬼武の悲鳴が響く。

急降下で落下するパイフー。その身体が叩きつけられる直前、鬼武はその腕でなんとかパイフーを受け止めた。

「おい、しっかりしろ!!」

「だ、大丈夫さ。こ、こんなもん・・・」

「無理すんな、バカ!」

起き上がったパイフーだったが脇腹からは血が流れている。

「ワ、ワレェ!!死なすぞ!!アホンダラ!!」

羅刹がキレた。その勢いで速度を増した聖魔刀で斬り付ける。何度も何度も。

「ウラァ!!」

「は、速ぇ!!」

「羅刹、後ろだ!!」

鮫島が叫んだ。だがそのときにはもう遅かった。

「な、なにっ!!ぐわああっ!!」

伸びた触手が羅刹の身体に絡まり、そのまま身体を持ち上げる。そして羅刹の身体は地面に叩きつけられた。

「ぐ、ぐう・・・」

「羅刹!お、おのれぇ!!」

鮫島が勢い良く飛び上がった。その手には鬼三がしっかりと握られている。

「鮫島さん!!」

「おおおおおおおおっ!!」

凄まじい速さで繰り出す鬼三は、以前にも増して切れ味が良くなっている。しかしそう何度も通用しない。

ゲノムは身体を反転させ鮫島の背後に飛び移ると、かつてないほどの勢いで鮫島を吹き飛ばした。

「ぐはあああっ!!」

「鮫島!!」

パイフーの叫びが響いた。

冷めた溶岩に叩きつけられた鮫島の体の至る所で嫌な音がした。骨が折れる音だった。

「ぐうう・・・」

「せ、聖よ・・・」

「鮫島さん・・・・くそ・・・なんでこんな事に・・・クソッタレ!!」

「等々力!よせ!」

呼び出した等々力に鬼武が叫んだ。しかし鬼武の声は彼に届いていない。

等々力の手には鋭利なサバイバルナイフが握られていた。傭兵としての本能が目覚めたのかも知れない。

凄まじい速度で飛び出した等々力はゲノムへ向かって進んでゆく。

等々力の左手には得意の毒針も握られており、いつでも攻撃が可能だった。

弱弱しい発言を繰り返していた先ほどとは違い、その戦いぶりは見事だった。

等々力の狙いは次の攻撃。つまり仲間が立ち上がるまでの時間稼ぎである。

「お、鬼三、大丈夫か・・・」

「な、なんとかな・・・聖、お、お前は?」

「ああ、俺もなんとか・・・」

「強すぎる・・・あまりにも強すぎる・・・」

「鬼三・・・俺は悟ったぞ」

「なに?」

鮫島は静かに語り始めた。骨の折れた身体を起こしながら。

「俺は今まで、自分の宿敵は茨木童子だとばかり思っていた。しかし、その茨木童子はゲノムに比べれば小物同然。

おまけに魔界に来て早々、あの矢吹紅と言う少年に深手を負わされた。

俺は剣客として依頼は果たした。だからもはや魔界に居る必要ないと思っていたんだ」

「聖・・・」

「しかし違ったぞ。今こそ分かった事がある」

鮫島は呼吸を整えた。

「ゲノムを倒さない限り、生きて魔界から帰れない。そして、茨木童子を撃破した今

俺の本当の宿敵は矢吹紅ただ一人!!お前の兄、獣斬の犠牲はゲノム撃破によって浄化されるとな!!」

「せ、聖よ・・・お前と言うヤツは・・・」

鬼三に涙と言うものがあったら、きっと流していただろう。

「ゲノムを倒し、生きて魔界から帰る!そのために、ヤツを、ゲノムを倒す!!

鬼三よ、ここからは限界を超える。最後まで付き合ってくれるか?」

「死は元より覚悟の上。聖、お前に全てを託す」

「ありがとう」

鮫島は自前のサングラスを外し、そのまま捨てた。

「行くぞ、鬼三。真の戦いへ」

「ああ!」

鮫島は等々力とやり合うゲノムに向かって飛び上がった。


「ああ・・があああ・・・・」

ゲノムの触手が等々力の腹部に叩きつけられる。それと共に等々力の口から血が吐き出される。

等々力が倒れそうになったとき、その肩に手が置かれた。

「さ、鮫島・・・さん・・・・」

そこに鮫島が立っていた。

「無理するな、等々力。時間稼ぎすまなかったな」

「へへ、す、少しは・・・役に立ったでしょ・・・」

「ああ。ゆっくり休んでいろ。ここからは俺がやる」

「鮫島」

「鮫島はん・・・」

パイフーと羅刹が呻くように言った。二人とも重傷だった。動く事さえもはやままならない。


「平成の剣客の名に置いて、ゲノム、その首もらった!!」


鮫島は一直線に走り出し、ゲノムに鬼三を振りかざした。



最終局面は第2章へ・・・。


END


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