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神殺し  作者: 雷禅 神衣
28/41

28.パイフー vs 鮫島 聖、二度目の直接対決!?〜

未知数とは言え、少なくともこれでパイフーと鮫島の力量は計れると、羅刹は思っていた。

どっちが勝とうが問題は無いが、彼らの実力を見るには「対決」と言う形式は打ってつけである。

肉体的な強さを滲ませるパイフーは拳による直接攻撃タイプ。

鬼三と言う刀を操る鮫島は刀による攻撃タイプ。いずれにしても興味深い戦いだ。

同じ刀を扱うと言う部分では羅刹と同タイプである鮫島だが、自らの意志を持つ鬼三をどのように捌くのか。

その辺も含めて気になるところだ。

「凄い事になったな」

鬼武が呟いた。

「前回はケリが着かなかったんでしょ?」

「ああ。どっちも強すぎて痛み分けだったからな」

由佳の問いに鬼武は少々興奮気味に答えた。

「今世紀最大の喧嘩・・・そんな感じですな〜」

「呑気なこと言ってる場合ちゃうで」

どこか呑気な等々力に羅刹が正した。


「昔お前と戦ったときの事が妙に懐かしく思えるぜ」

「あの時はまだ手の内を知らなかったからな。でも今は違う」

鮫島は鬼三を構えた。

「お前のそのオンボロ刀が強いか・・・・」

「それとも貴様の隆々筋肉が強いか・・・・」


「勝負!?」


鮫島は戸惑う事無く鬼三を抜き、一直線にパイフーへと駆け寄った。

それを見抜いていたパイフーも先制攻撃に転ずるために身体を反すうさせる。

しかし鮫島もまたパイフーの行動を見抜いており、パイフーの鋭い爪が直撃する前に上空へと舞い上がった。

「おらぁ!!!」

「ぬううん!!」

振り下ろされた鬼三は怪力を誇るパイフーの爪の間で鈍い音を響かせながら、その動きを止めた。

「コノヤロー」

「フン!」

解き放たれた矢が散っていくように、凄まじいスピードで両者の攻撃が続いた。

「こりゃ凄い・・・早すぎてよく見えませんよ」

等々力は目を凝らして見ていた。

「二人とも初めてやり合った時より強くなってやがる」

鬼武が感心した。

「私には二人がどうなっているかさえ見えないんだけど」

「スピードは鮫島の方が若干上やな。ただ攻撃力だけで見ると、圧倒的にパイフーの方が上。

せやけど、鮫島には鬼三がある。この勝負、長引きそうやで」


もはや幾度と無く繰り返した競り合いで、一時的にその攻撃を止めた二人は、敵ながら関心していた。

どちらも前回よりも確実に強くなっている。

「やるじゃねぇか、グラサンヤロー」

「貴様もな、腐れヴァンパイア」

パイフーにしても鮫島にしても想定外の強さだと言って良い。お互いに擦り傷、かすり傷程度なら負っているが

まだ致命的なダメージにまでは至ってない。どちらかが地面に倒れればそれで終わりなのだ。

パイフーにはパイフーの、鮫島には鮫島の意地とプライドがある。負けるわけに行かなかった。

「行くぜ!!」

仕掛けたのはパイフーだった。その巨漢からは想像も出来ぬスピードで鮫島に迫ると、そのまま拳を繰り出した。

「バカの一つ覚えとはこの事だな!!」

もはや見据えていた鮫島は、左斜め下から鬼三を斬り上げた。

しかし、そこまで単純なパイフーではなかった。

「な、なにっ、ぐはああっ!!」

鮫島の脇腹にパイフーの強烈な左足の蹴りが入った。拳はフェイントだったのだ。

鮫島はそのまま巨大な岩へ激突した。しかし倒れるまでには至らなかった。

「へへ、毎回同じパターンじゃつまらないだろ」

パイフーが得意げに言った。

「さすがパイフー。あれを受けたんじゃちょっとキツイぜ」

鬼武が言った。

「油断したな、鮫島さんよぉ」

「それは貴様も同じだろ」

「なにっ、うお!!なんだこりゃ!!ぐうう・・・」

パイフーの両腕に切り刻まれた跡が浮き上がると、そこから鮮血が飛び散った。

蹴りを食らった一瞬に隙に、鬼三が自らの意志でパイフーを切り刻んだのである。

倒れては居ないとは言え二人とも息が上がっている。

乱れた呼吸によって肩が大きく上下し、苦戦しているのが一目で分かった。

「ここまで来ると意地の張り合いだな」

鬼武が呟いた。

「せや、そもそもなんであの二人は仲悪いんや?」

「俺にも良く分からないんだよな、その辺は。まあ似たようなタイプって事は確かなんだけど」

「二人ともプライドが高いんじゃないですか?そんな気がするんですけど」

鬼武と等々力がそう言った。

「私には子供の喧嘩に見えるけど」


羅刹・等々力・鬼武 「それは禁句でっせ!」


「そろそろ止めといた方がええな。ゲノムとの決戦前に疲労したんじゃ、話にならん」

羅刹は次の交戦を見計らった。


同じ程度の疲労ならそれは一触即発の前触れ。

身構えたパイフーと鮫島は次が最後の一打になる事を悟っていた。

「これで終いだ」

パイフーは尖った爪を一舐めした。

「かかって来い」

「行くぞ!!」

今度は鮫島から飛び出した。身構えたパイフーの右肩に鬼三が食い込む。

しかしその反動を利用したパイフーの拳も、鮫島の腹部に打ち込まれた。

「ぐはああっ!!」

一瞬、宙に浮いた両者はそのまま腰から地面に叩きつけられた。二人とも倒れていないが、尻餅をついている。

「ほい、そこまでや」

「なにっ!!」

「まだケリは着いてないぞ」

「もうええやろ。このままやっても同じ事や。あんさんたちはどっちも敗北や」

「バカな!!まだ戦える!」

「俺だってやれるぞ」

「アホ抜かすなや。真剣勝負で一度地面に尻着いたらそれは何を意味する?死やで」

「くっ・・・・」

「今はあんさんたちだけやから問題ない。せやけどこれがゲノムやったら、二人もジ・エンドや」

「チッ!」

剣客としてその意味を知っている鮫島は鬼三を鞘に収めた。羅刹の言うとおりである。

「クソッ!また痛み分けかよ」

パイフーがごちた。

「どうする鮫島はん。これで納得しよったか?」

「いや、まだだ」

「なんや、まだ何かあるんかいな!!ったく、融通の利かんやっちゃのう〜」

「お前の実力が知りたい。それだけだ」

今度は鋭い視線を羅刹に向けた。

「まあええけど。面倒なやっちゃな〜」

「鮫島さん、止めて置いた方が良いと思う。あなたまだ傷が完全に癒えて無いでしょ?

そんな状態で羅刹と戦うなんて自殺行為と同じ。アイツかなりいい加減だけど、強さはまさに鬼神よ」

「いい加減・・・が、邪魔やったな〜」

「ちょっと興味あるな・・・あの関西人がどんだけ強いのか」

「そうだな、それは僕も一緒」

鬼武と等々力が交互に言った。

「だからこそ戦ってみる必要がある。頼まれた相手の強さを知らずして、力は貸せない」

「あまり無理をするな、聖よ」

「大丈夫さ」

「鮫島さんもこだわりますね」

等々力が半ば呆れたように言った。

「ま、ええ機会や。ワイがどんだけ強いか見せたる。そうすりゃちょっとは協力的になるやろ。

せやけど、さすがに連戦は辛いやろ。ええ事思い付いたで、なあパイちゃん」

「パ、パイちゃん!?」

勿論、パイフーのことである。

「連戦続きの鮫島はん一人じゃ心元ない。せやからパイちゃん、鮫島はんに加勢してええよ」

「なっ、なに!!」

「つまり2対1か」

「フン、舐められたもんだぜ」

鬼武に続き、鮫島が言った。

「冗談じゃねぇ!!なんで俺が鮫島に着くんだよ!!」

「ええやんか。仲直りするええ機会や」


パイフー・鮫島「そんな機会、いらねぇよ!!」


「しかし凄い自信ですね。あの鮫島さんとパイフーを同時に相手しようなんて。さすがにちょっと無謀じゃありませんか?」

等々力が言った。

「あなたたちは羅刹の強さを知らない。普段はあんなだけど、彼、強いわ」

「ほほう、それは見ものですね」


END

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