27.〜戦う条件〜
「分かったわ。あなたの条件飲みます」
由佳がそう言うと
「えええぇっ!?」
羅刹と等々力は共に驚いた。
「なんでワレが驚くねん!!」
「あ、いや、だって、まさか通るとは思ってなかったもので」
「言っておくけど、デートだけだからね。その辺勘違いしないでよね」
「え、ええ。勿論です」
しどろもどろの等々力。
「そ、そ、そんなぁ〜ワイと言う男がいながらそりゃないでぇ〜」
「誰が私の彼氏だって?」
由佳は羅刹の首を思い切り締め上げた。
「ぐ、ぐるじい・・・・」
「まったく・・・」
「俺たち、そういうの無関係で良かったよな」
「ああ」
鬼武とパイフーが頷いた。
「やれやれ、馬鹿馬鹿しくてやってられん」
鮫島が背を向けた。
「鮫島はん、力貸してくれへんか?」
「俺の仕事はもう終わった。依頼はちゃんと果たした。どれだけの力を持っているか知らんが
手を貸す道理は俺たちには無い」
「どれだけの力って、そりゃワイの事かいな?ワイは聖魔剣士。この刀は・・・」
「知っている。聖魔刀だろ?」
鮫島が聖魔刀の事を口にすると、その場が一気に緊張感で張り詰めた。
「ほう〜よう知っとるな。さすが同じ剣客や」
「あの紅と言う少年に聞いた。自分たちの下のランクには羅刹と言う男がいて、その男が聖魔刀を操るとな。
つまりお前は魔界のNo,4だな」
「余計な説明は要らんようやな。気になるんやったら試してやってもええで。ワイの聖魔刀の切れ味をな」
「俺が依頼主以外の仕事を受け入れるとしたら、それは自分と互角か、あるいはそれ以上の人間から頼まれたときのみ。
お前の実力も知らないまま、はい、そうですか。と、引き受けるわけにはいかん」
「それはつまり、ワイと戦ってから決める・・・・そういう事やな?」
「そうだ」
「聖よ、本気か?聖魔刀は天叢雲剣とは別の魔力を秘めた魔剣だぞ。それにあの羅刹とか言う男
聖魔刀以外にも何か得体の知れないものを感じる」
「本気だ。紅とも最初はそうだった。これは刀を持つ者同士の宿命」
「ええやろう。相手になったるさかい」
「ちょっと待ちな!!」
羅刹と鮫島が一歩前に出たとき、羅刹の後ろからパイフーが飛び出した。
「なんや?」
「引っ込めパイフー。貴様に用は無い」
「用は無いだとっ!ふざけるなよ。てめぇ、さっきから聞いてりゃずいぶん偉そうじゃねぇか!!」
「フン!それを言うだけの事はしているんでな。貴様と違って」
「ここは魔界だ。魔界にはルールがある。どういう経緯でこいつが魔界のNo,4になったか知らねぇが
その下のNo,5は俺と鬼武なんだぜ。だったらまず俺と勝負するのが筋ってもんだろ」
「ずいぶん奇想天外な発想やな」
「こいつとは昔ガチの殺し合いをやってる。勝敗は痛み分けだったが、いずれケリを着けなきゃならねぇ。
下のランクから戦っていくのが順当ってもんだろ」
「なんだか大変な事になってきましたねぇ〜」
「私には理解できないわ」
等々力と由佳がぼやいた。
「おい、パイフー。何も今やらなくなって」
続いて鬼武が言った。
「いや、こういう機会でもなきゃカチ合わないだろうからな」
「つまり俺とケリを着けようと、そう言う事か」
鮫島が言った。
「そういうこった」
「なんや予定外の方向に行ってもうたな。まあええわい。せやけど殺し合いはあかんで。
この後二人の力が必要なんや。地面に倒れた方の負け、それでええな?」
「おうよ!」
「よかろう」
パイフーと鮫島が向き合った。
予想外の展開に予想外の死闘。その結末やいかに・・・。
END




