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神殺し  作者: 雷禅 神衣
14/41

14.〜四強、揃う〜

ゲノムが出現した事は別に驚くべき事ではなかった。

忘れられた孤島「煉獄」から魔界本土へやって来てもおかしな事ではない。

数年前、ウルたちが封印した際も、この魔界本土で大暴れしたのだ。

先に様子を伺っていた紅と合流したウルと魔矢だったが

二人が辿り着いたときには既にゲノムの姿は無かった。

紅の話に寄ればそれらしい存在が確認されただけと言うことであって

紅もゲノムを肉眼で確認したわけではなかったようだ。ゲノムの姿が無いのであればもはやどうしようもない。

三人はその足でアジトに戻った。紅はその後「お腹空いたから由佳さんの店に行く」と言って出て行ったが

一時間ほどで戻ってきた。

「どう思う?」

魔矢がウルに聞いた。

「蘇ったと言う噂はどうやら見たいだな。そんな気がしてならん」

「確かに最近郊外で転がってる死体の数が増えたよね。それは僕も思ってたんだ」

「だがその姿を明確に現すまでには至ってないわけか」

魔矢が付け加えた。

「恐らくまだ完全に蘇生していないんだろう。前もそうだったからな」

「しかし本土まで足を向けているのも事実だぞ」

「分かってる。いずれまたヤツとやり合う事になるだろう」

紅も魔矢も思わず息を飲んだ。魔界屈指の二人と言えど、ゲノムとの闘いだけは考えたくない。

二人とも前回の死闘で半ば半殺しに近い状態に追い詰められた相手だ。

ましてや時間の経過を考慮すると、前回よりも凶悪になっている事は想像するに容易い。

「どうするの?今のうちにやっちゃう?」

「いや待て。それはまだ早い。もっと作戦が必要だ」

魔矢が言った。

「そのためにお前はあの二人に目を付けたんだろう?」

「お前も人が悪いな。お見通しかよ」

「まあな」

「あの二人ってパイフーと鬼武の事?」

紅が聞く。

「ああ。それと鮫島 聖に焔 羅刹もだろ?魔矢」

「やれやれ、こうまで見透かされていると気持ち悪いな」

魔矢が苦笑いで言った。

「ああ、それと未確認だがもう一人、等々力と言う男もいる。こいつも素性は明らかじゃないがな」

「つまりお前は俺たちと、今名前の挙がった連中で手を組む・・・そう考えているんだろう?」

「ワオ!?それって凄いプランだね。テンション上がりそう♪」

「そうでなければゲノムは倒せん。ウル、数年前ヤツと直接対決を繰り広げたお前なら分かるだろ?

いかにゲノムが強大で恐ろしい存在か」

「一応な」

「だからこそこのプランは必要だ」

「でもさ、パイフーと鬼武はセットで居るから可能性は高いけど、鮫島のお兄さんや関西人は難しくない?」

紅にとって羅刹は関西人で形容されているらしい。

「ああ、そもそもあれだけの連中をまとめ上げるのも一苦労だ。可能性は低いと見て間違いないが・・・」

「言っておくが俺は誰とも組むつもりは無い。これは俺の問題だ。お前たちは関係ない」

「ゲノムがお前の母親だからか?」

「・・・・・」

「ほほう、ゲノムとか言うヤツはあんさんの母親かい」

「誰だっ!」

突然関西弁が部屋に響くと、部屋のドアが静かに開いた。

「お前は、羅刹!!」

「ああ!さっき由佳さんの店に居た関西人!?」

「か、関西人言うな、ヴォケ!!ワイには羅刹言うカッコええ名前があるんや!!」

「アハハ!!自分でカッコイイって言ってる!ウケるぅ〜」

「こ、このガキ!!まあええわ」

「羅刹、何しに来た!?」

魔矢が言った。

「何しにって挨拶や。由佳ちゃんに場所は教えてもろうた。いずれ首を取る相手に対する敬意やで」

羅刹がそう言うと、何かがおかしかったのかウルがフフンと笑った。

「フン、何が敬意だ。その身体でよくもまあ言えたもんだな」

「ケッ!ワレも人の事言えるかいな!なんやその包帯塗れの身体は」

「お前だって似たようなもんだろ。由佳に助けられた身で偉そうな事抜かすな」

「なんやとっ!!」

「まあまあ、二人とも。今は話し合いの最中だよ。静かにしなきゃ♪」

「ケッ!」

「フン!」

魔矢と羅刹、犬猿の仲になる事は間違いないだろう。

「羅刹とか言ったな。さっきはなかなか良い物見せてもらった。礼を言う」

ウルが言った。バーサーカーの事だろう。

「ええもんやと?ずいぶん余裕やな、魔界のNo,1は」

「そういう性格なもんでね」

「今あんさんと闘う気はない。こんな身体やしな。せやけど、そのうち取ったるからな、そん時は覚悟しぃや」

「楽しみだな」

「じゃ、話を戻そうか♪ゲノムのことだけどどうする?」

「そないヤバイ相手なんか?ゲノムっちゅうのは」

「でなければ我々がここまで真剣になる事はまずない」

魔矢が言った。

「ほう〜」

羅刹は生返事である。

「いずれにしても様子見と言うところだろう。今も言ったが俺は誰とも組む気はない。

やるならお前たちでやってくれ。俺は俺でゲノムとケリを付ける」

「それは邪魔しない代わりに邪魔もしないと言う意味か?」

「そうだ。好きにしたければ好きにすれば良い」

魔矢の問い掛けにウルがそう答えた。

そしてウルは部屋の片隅に置いてあったバッグを手に取った。

「あれぇ〜また仕事?」

「ああ。今回は政界の大物が相手でね。まずこっちの仕事を片付けるのが先だ」

「気をつけろよ、ウル。どこで何があるか分からないからな」

「ああ。お前たちもな。何かあったら連絡してくれ」

それだけ言い残すとウルはアジトから出て行った。

「ホンマ、協調性の無いヤツやな。自分が神殺して言われてるん知っとるんかいな」

「あいつはそんな肩書きに興味は無いのさ。あいつの周りが神殺しだのNo,1だの騒いでいるだけで

ヤツは神殺しなど興味は無い。勝手気ままに生きるのがヤツの性格だ」

「はぁ〜ん。ごっつ扱い難い男や」

「アハハ!関西人だって人の事言えないじゃ〜ん♪」

「せやから関西人言うなっての!?」

「さて、俺もちょっと出てくる」

「あれぇ〜魔矢も?何処行くのさ」

「煉獄・・・ヤツが根城が煉獄かどうか確かめてくる。紅、お前はどうする?」

「僕はちょっと疲れたからここにいるよ」

「羅刹、お前は?」

「そうやな〜ここにおってガキんちょの面倒見るんもイヤやし、ワイも付き合ったる」

「ガキんちょってなにさ!!僕は大人だぞ」

「ガキんちょはガキんちょや。大人しくお留守番してるんやで」

「関西人のくせに!!」

「羅刹じゃ!ヴォケ!!」


賑やかな喧騒とは裏腹に、物語はここから壮絶を極める事になる・・・。



END

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