ある奴隷商人の一日
奴隷商人グマイアの回想です。
俺は、グマイア。奴隷商人をしている。
今日、不思議な奴と知り合っちまった。
そいつの名前は、ヤマトと言うらしい。
そいつは、見た目全然金持ってそうにも見えないし、貴族とかでもないと思う。
金を持ってるか確認したら、そこそこ持ってるような返事をしやがる。
本当に訳の分かんねー奴だ。
戦闘奴隷が欲しいらしいが、すべての奴隷をみせてくれと言う。
ますます何を考えてやがんだ?
とりあえず、そこそこいい値段の奴隷たちを見せて追い返してやるか!
まぁ、一人でも買ってくれればラッキーだし最悪もうちょい安い奴隷もいるしな。
奴は、俺が用意した奴隷を観察している。
どういう基準で奴隷を選ぶんだろうな。
うちは、奴隷の質もいいしそれが俺の自慢だ。
戦闘奴隷だけじゃなく、他の奴隷も買ってくれよ。
全員を確認した後、そいつは言ったさ。
「この3人をくれ。」
選んだのが戦闘奴隷・愛玩奴隷・メイド奴隷だった。
『おいおい。欲しいのは、戦闘奴隷じゃなかったのか?しかも、戦闘奴隷ならもっと強そうなやつもいるだろ!訳がわからんぞ。』
『でも、愛玩奴隷とメイド奴隷まで買うってことは戦闘奴隷はおまけだったんじゃ・・・』
「愛玩奴隷・戦闘奴隷・メイド奴隷でございますか・・・。戦闘奴隷だけが欲しいと思っておりました。愛玩奴隷のレミーアがゴールド貨5枚、戦闘奴隷のアイシャはゴールド貨4枚、メイド奴隷のシュリはゴールド貨10枚にございます。しめて、ゴールド貨19枚になりますが、払えるのですか?」
彼は、懐の袋からゴールド貨19枚を支払いやがった。
なんで、こんな奴がこんなに金持ってるんだ?
また、買ってくれそうな気もするんで愛想笑いでもしとくか。
そして、その日のうちにまたそいつがやってきやがった。
「おお。ヤマトさんじゃないですか。何か私が売った奴隷に問題でもありましたでしょうか?」
そして、また変な事を言い出しやがった。
奴隷を解放する方法だって?
買ったばかりで奴隷解放する馬鹿が何処にいるってんだよ。
まぁ。聞かれたから答えとくか。
「彼女たちには隷属の腕輪がついております。それに魔力を流し、奴隷から解放すると宣言すれば終わりです。彼女らを解放するんでしょうか?」
「そのつもりだ。これからは、俺の冒険者の相棒として働いてもらおうと思ってるので奴隷のままじゃまずいかなと思ったからな。」
「そうですか。解放した場合、腕輪の効果がなくなりますので逃げられたり。ヤマトさまを襲い身ぐるみ剥ごうとするかもしれませんのでご用心を。また何かあればいらっしゃってください。」
「ありがとう。まぁ、解放して裏切られた場合は俺が悪いってことで諦めるさ。」
本当に変なやつだ。
まぁ、奴隷どもに逃げられてまた俺のとこで奴隷を仕入れてくれればいいな。
くれぐれもお得意さまなんだし、殺されないでくれよ!
ひそかにグマイアは思った。
本編の足りない部分の補足として書きましたが、まだ抜けてるかもしれません。ツッコミよろしくです。