奴隷サイド -シュリの場合-
3人目、シュリの奴隷になった経過です。
兄弟は、兄が1人、弟が1人、妹が3人。
2男4女の子沢山の貧乏な家の長女として生を受けた。
父と母と兄は、私たちを養うために必死に働いてくれていた。
私は、父母の負担を減らすために家事の一切を出来る限り頑張っていた。
貧しいながら、家族の中は睦まじく暮らせていたはずだった。
しかし、ある日父が仕事場で大けがを負ってしまった。
一家の大黒柱の大けが…
傷の治療費も高額なものになってしまった。
父の手助けで兄も働いてくれてはいたのだが、父の収入ほどは稼げない。
治療費の工面のために母は、金貸しからお金を借りてしまった。
父の復帰までは、まだしばらく時間はかかりそうで兄と母だけの収入では借金の利息の返済と生活費で赤字になってしまっている。
母は、金貸しに利息の返済を少しだけ待って貰うようにお願いした。
しかし、金貸しは
「いやね。うちも慈善事業で金を貸してる訳じゃない。金がないなら、娘を奴隷として売れば借金も全額返済出来て余裕も出来るはずだがな。」
下卑た笑いを受けべ母に言った。
「子供を売るくらいなら、私が借金の形として売られます!どうかそれで・・・」
母は、そう言ったが金貸しは、
「年増なんて大した金にもならんし、借金も結構残るぜ!」
と言い放つ。
それを私が聞いてしまい、私は・・・
「わかりました。私を奴隷として売ってください。その代わり、きっちりとした証文とお金を用意してください。そうすれば、あなたの言う通り奴隷として売られます。」
母親は必死に私を止めようとしているが私の意思は固かった。
金貸しは、奴隷商人を呼んできて
「この娘を買い取ってくれ。金額は5ゴールド貨くらいにはなるだろう。器量もいいし、別嬪さんだしな。」
「そうですね。紹介料は1割ってことで5シルバー貨ですね。ということで契約書はこちらになります。」
金貸しは、
「じゃぁ、借金と利息合わせて3ゴールド貨と7シルバー貨だから残り1ゴールド貨と3シルバー貨をお前の母親に渡しておくぞ。」
母は、泣きながらそのお金を受け取り必ず私を迎えに行くからと伝えてくれた。
『たぶん、私はこのままどっか売られちゃうんだろうな・・・。お母さんごめんなさい。』
心の中でお母さんに謝った。
そして、奴隷商人のもとでメイド奴隷として売り出された私。
私につけられた値段が10ゴールド貨。
『ああ。本当にもうお母さんたちの元へは戻ることはないわね。こんな金額がうちの家に都合つけれるわけがない。』
私はせめて環境や待遇のいい家にメイドとして売られるように必死に努力していた。
ある日、一人の若い男性が奴隷市場に現れた。
この出会いが私の運命を変える。
彼の前に数人の奴隷たちが集められた。
彼は、私たちを値踏みするよう?な目で見て回っていた。
彼が
「この3人をくれ」
私を含む3人が彼のお眼鏡に叶ったようだ。
『私より若そうなのに何処かの貴族さまのお坊ちゃんかしら?』
私はそんな事を考えていた。
奴隷市場を出て最初に向かったのが衣服屋さん、しかも私の家の稼ぎじゃ絶対に手が出せないような高級店だった。
彼は
「彼女たちに適当に何着か見繕ってくれ」
なんてことを言ってる。
『え?本当に彼は一体何者なんだろう。訳がわからないわ。奴隷にこんな高給な服を着せようなんて・・・』
私の思考は軽くパニックを起こしている。
いつの間にか何着かの服を与えられていた。
次に武器屋に連れていかれた・・・
『メイドの私に武器が必要???』
武器や防具が適当に見繕われ装備させられた。
そこで、彼から説明があった。
彼の職業が戦闘に不向きであって、ステータスがとっても低かったのだがスキルによって強化されておかしいことになってるので私たちを隠れ蓑にしたいとの事。
あと、私たちには覚醒してない戦闘スキルがあってそれを覚醒させて戦ってもらいたいってことらしい。
『戦闘なんてしたことないのに私は出来るのかしら?』
あと、薬草採取した後に私たちを奴隷解放する言ってる・・・
ほんと、この人訳わかんないわ・・・
でも、それを受けて
「はい。ご主人様。私はは、ご主人様の手助けをさせていただきます。解放された後もご主人様といたいと思います。」
と返事していた。
『ええ?なんで、私こんな返事しちゃったんだろう・・・。彼には不思議な魅力があるみたい・・・。家に帰りたいはずなのに何でこんなことに・・・』
私は、必死に何度も考えてみた。
きっと彼の不思議な魅力にやられちゃったみたいね。
もうちょっと様子を見てみよう。
それからでも、きっと遅くない・・・
シュリの回想シーン。若干、設定がおかしい感じがあるかもしれないのでそういうのがあればツッコンデくださいませ。