奴隷サイド -レミーアの場合-
レミーアが何故奴隷になったかの部分を書いてみました。矛盾点などあれば、ご指摘願います。
あたしは、ある貴族の家の庶子として生を受けた。
母親には、その貴族とは別に伴侶がいた。
何故、あたしの母が貴族との間に子供が出来たかと言うと・・・
母親の話だと、母を見初めた貴族が高い給金で母の伴侶を庭師として母をメイドとして雇用し住み込みで働かせてもらう事になったそうだ。
ある日、母は貴族に呼ばれ無理やり関係を結ばされてしまった。
母は、思い悩み伴侶とその貴族のもとを離れることを願った。
しかし、伴侶は
「こんな高給で働ける場所なんてない。なんで、ここを辞めようというんだ?」
と聞いてきた。
母は、事実を言う事が出来なかった。
しかし、一度の無理やりの関係が人生を大きく狂わせることとなった。
母は妊娠してしまったのだ。
それを知った貴族の正妻が、母たちに突然の解雇を告げた。
退職金も相場より高めの額を提示してきた。
母の伴侶は、解雇の理由を貴族の正妻に尋ねた。
「その理由は、母に尋ねればよい。」
とだけ伝え、退職金を渡し速やかに屋敷から立ち退くことを命じた。
屋敷を追い出され、母の伴侶は母を問い詰めた。
「もしかして、お前・・・ 貴族様と何かあったのか?」
母は泣きながら、
「一度、貴族さまに襲われました。そして、その子が私のお腹の中にいます。私は、どうすれば・・・」
伴侶は言いました。
「襲われたにしても、すぐに何故俺に言わなかった?もうお前のことは信じられない。」
幾ばくかの金を母に渡し、伴侶は母の元を去った。
数か月後、母はあたしを出産。
物心つくまで、母は育ててはくれてはいたが、貴族の面影を残すあたし・・・
徐々に母は壊れていった。
生活もままならなくなり、母はあたしを奴隷商人に売った。
母譲りの美貌と貴族譲りの気品さを備えたあたしは、そこそこの金額で売れたらしい。
あたしは母に、
「あたしを置いていくの?母さんと一緒に暮らしたい!」
必死に懇願しましたが、母にはその心は届きませんでした。
そして、愛玩奴隷として商品化されたあたし・・・
他の愛玩奴隷と比べ、高値なため売れ残っていましたがある日、
ご主人様が現れたのです。
「この3人が欲しいのだが・・・」
その3人の中にあたしが含まれていました。
『とうとう、あたしも売られちゃうんだ。買い手がついて嬉しいのかな?あたし・・・』
不安がいっぱいです。
愛玩奴隷として、売られているのできっと夜にはお手付きになるんでしょうね・・・
あたしの人生いい事なかったな・・・
ご主人様優しい人ならいいな・・・
いろんな感情が渦巻きます。
買われた直後に連れて行かれたのが衣服店と武器屋
『綺麗な服を買ってくれるのは嬉しいけれど、なんで武器屋まで?』
ご主人様は、自分で戦闘することが苦手な職業で目立つのがイヤだからあたしたちを買ったと言います。
戦闘奴隷のアイシャちゃんはわかるのだけれど、愛玩奴隷のあたしとメイド奴隷のシュリちゃんが戦えるはずがないと思います。
でも、ご主人様は
「それでだ。お前たちを俺が手に入れた理由は、俺の手助けをしてほしいからだ。俺はこんなチートな能力を持ってるので目立ちたくない。お前たちが中心で動いてるように見せたい。負担がかかるかもしれないがよろしく頼む。」
「あと、お前たちにはまだ覚醒してないスキルがある。レベルが上がれば解放されるかもしれないが俺が今回は覚醒させる。俺の手に触れてくれ。テイムされることになるがすぐにテイムは解除するからな。」
とおっしゃった。
薬草採取に向かい、終わった後に
「あたしたちの奴隷身分を解放しようと思う。」
とご主人様はおっしゃった。
『え?愛玩奴隷のあたしまで解放しちゃうの?あたしは、ご主人様に奉仕しなくていいの?』
奴隷商人の所に行き、奴隷解放の方法を尋ねるご主人様。
「解放して逃げられた場合は俺が悪いってことで諦めるさ。」
なんてことまで、奴隷商人言う始末。
『あたし、奴隷身分から解放されたら逃げていいの?』
この人は、いったい何がしたいんだろう?
奴隷を買ってすぐ解放して、逃げられても構わないってなに?
あたしは、混乱しちゃいます。
ご主人様が近いうちに奴隷身分から解放すると言った言葉に対してあたしは
「はい。ご主人様。あたしは、あなたさまの手助けをさせていただきます。解放された後もご主人様といたいと思います。」
こんな返事を返していた。
『あれ?あたしは、奴隷身分から解放されたらなんで逃げようと思わないんだろう・・・』
優しいご主人様をあたしは好きになっちゃったみたいだ。
だから、一緒にいたいんだ!
レミーア視点の回想です。少しだけ修正。