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大激闘 スマートブラスターズ

「どのキャラにしようかな~」


 ゲンブがコントローラーを操作する。


 そういえば、ゲームで対戦するのって、いつぶりだろう。

 ぼっち発言のように聞こえるが、静かに日々を過ごせるのなら、僕は独りでも構わないと思っている。


 だがそれも———————


「セーリューは誰にするの~?」


 ————————彼女たちによって、叶わぬ願いだがな。

 とりあえず今は、ゲームをしながらゲンブの心意を知る事が最優先だ。


 好奇心というのは恐ろしい。

 リスクを考えず、自身の“知りたい”という欲を優先するのだから。


 僕の脳裏に一瞬だけ、()()()が過る。古びた見た目をしたその分厚い本は———————


「ねー、セーリューってば~」

「———————ん? ああ、すまない」

「どったの~? だいじょ~ぶ~?」


 心配はいらない、と冷静さを装い、僕もキャラクターを選択する。

 今はあの本の事は忘れよう……。


「ゲンブは『パニック』を使うのか」

「そだよ~。操作しやすいからね~」


 『パニック』は、爽快アクションゲーム【パニック・ザ・ヘッジホッグ】というゲームの主人公ゲームキャラクター。

 タイトルにもあるように、パニックはハリネズミに似た見た目をしていて足が凄く速い。ちなみに毛色は紫色。


 だがマイペースでスローペースで落ち着いているゲンブが、速くてせっかちで、常時混乱状態のパニックを使うなんて……。


 意外と思いつつ、僕も操作性に優れたキャラを選ぶ。


「君に決めた」


 僕が選んだのは、“飛び道具の塊”と言われている『コックマン』を選択。


 『コックマン』とは、敵であるロボットを(料理の技術を用いて)攻撃し、戦うというアクションゲームで、これまた知名度が高い人気作。


「キャラは決まったけど~、ステージはどうする~?」

「ゲンブはどこか希望はあるのか?」

「ん~、じゃあ闘技場で良いかな~。久しぶりだから、操作確認したいよ~」

「分かった。ルールはどうする?」

「残機戦にしよっか~」


 ルール内容を変更した後、ステージ選択で『闘技場』を選ぶ。

 画面が暗転し、画面の端には『Now Lording』と表示される。


「なあ、ゲンブ。どうしていきなり僕と遊びたくなったんだ?」

「だから~ただの思い付きだよ~」

「……」

「嘘って思ってr「うん」」


 怖い顔で「嘘だ!!!」とヒグラシが鳴いている頃に言ってやりたいが、色々とトラウマになりそうだ……。


「そだねー……。これに勝ったら~教えてあげる~」

「えー……」


 からかい上手なゲンブさん、現る。

 何その青春ラブコメにありそうな台詞。あなたそんな小悪魔キャラじゃないでしょ?


 まあ、スマブラ歴は僕の方が熟練者だし、パパッと終わらせて口を割らせようか、と勝利を確信した。


 そしてロード画面が切り替わり、僕のコックマンと、ゲンブのパニックが闘技場の土俵で向かい合っている姿が映し出される。


『Ready……GO!』


 闘いの火ぶたが切られた。


 まずは距離を取ろう。パニックの攻撃方法は全て、パンチやキックなどの近距離攻撃。

 距離を取り、攻撃を回避しつつも、こちらも攻撃を仕掛ける作戦。


 この戦法でなら、と思った瞬間———————


「えい」


 ———————向こうも、ただじっとしていてくれるわけではない。

 ゲンブが使うパニックが、高速でこちらに接近してくる。


 やはり、速いな……!


 避けられないと悟った僕は、透かさず防御態勢に入る。


 だが、パニックは攻撃せず、僕のコックマンの目の前に来た時、なぜかジャンプする。

 防御に移ったから、攻撃するのを止めたのか? いや、違う。


「よっと~」


 空中にいるハリネズミはそのまま、かかと落としを仕掛ける。しかし———————


 ———————ボゥン!


 初手のフライングから防御に身を転じている僕にダメージは入らない。


 防御態勢は攻撃を食らわず、ダメージも入らない状態。だが、持続性は無く、数秒の間でしか防御できない。

 だから、今のゲンブの攻撃を防ぐことができたのは、文字通り、間一髪だった。そして好機でもある。


 向こうが地面に着地した瞬間を狙い、僕は攻撃を開始する。


 くらえ! アボカドボム!


 食材を武器にするのはよろしくないが、これはゲームだから仕方がない。そんなことを言ってしまったら、コックマンの存在意義が無くなってしまう。


 そして、僕の攻撃は見事に———————


「ていや~」


 ———————……。


「ふぅ~、危なかった~」


 ……見事に回避された。呑気な掛け声と共に。


 だがその行動は予測済みだ。……って、言ってみたい。

 ごめん嘘、全然予測できてなかった。



 その後も激しい攻防を繰り広げるも、両者未だにダメージが0%のまま、数時間が経過。



「ゲンブ、一ついいか?」

「どったの~?」

「頼む。()られてくれ」


 僕たち何時間ゲームしてんだよ⁈ 『ゲームは一日一時間』の決まりのご家庭が知ったらドン引きされるぞ⁈


 既に日も暮れ始めている。もうゲンブがここに来た訳もどうでもよくなってきた。

 というかそもそも、ゲンブの暇潰し?に付き合わされているだけだから、もうゲームやめていいんじゃね?


「もう日が暮れている。そろそろここらでやめに「ガチャ(武器を構える音)」」


 もうやだ、この子ー‼ 誰かほんとに助けてよー‼

 サイコハザードのバイラントの最終形態より手強いんだけどー‼

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― 新着の感想 ―
[良い点] スマブラのパロディでキャラが両方カプコンなの笑いました(笑)
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