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July 1
『思い出になるから君は輝いて何光年と離れた星に』
「星が綺麗なのは、それがずっと昔の光だからなような気がする。」とテラスの君が言ったのを覚えています。
横浜にある君の実家で、コンビニで買ってきた安い白ワインを二人で飲みながら、好きな小説や好きな映画についてだらだらと語っていたあの夜、君は未だ大人になりきれぬ僕達の困難に満ち溢れた未来を見据えたかのような目でポツリと呟いたのです。
「私もいつか君の思い出になったなら、きらきら光るのかな。なんて。」そう続けた君の笑顔はなんだか切なくて、僕は君と一緒に大人になれますようにと強く願っていました。
それはまだ僕達が付き合って居た頃の話です。