花と狼
「諸君ただいま帰ったぞー。」
僕は今日から始まる新しい生活への扉をくぐる。入ると目の前に赤色の綺麗なカーペット、上にはシャンデリアと何とも豪華だ。
「えっと…ここ本当に土足でいいんですか?」
「何を言っている。当たり前であろう」
「で、ですよねぇ…。あまりにも綺麗だったので…」
さっきカーペットとシャンデリアしか言わなかったが、それ以外も本当に綺麗で豪華なのだ。人生でこんな所に来れるとは思ってもいなかった。まさに夢のよう。だが、現実に戻ります。埒が明かないので。
「あら、おかえりなさいシロウちゃん♡」
「おい、ちゃん♡をつけるのはやめてくれといつも言っておるだろう!」
「もーぅ。照れちゃって♡ところでこの子は?新人さん?」
僕らを出迎えてくれたのは綺麗な撫子色の髪のの少し長身な綺麗な女性だった。やっぱりこんな豪華な建物なだけあって住んでる人も美人とかばかりなんだー。
「あ、えっと、今日からここでお世話になる本渡歩儚でしゅ!」
・・・ここの雰囲気と目の前の人の存在感により緊張してしまってつい噛んでしまった。
めちゃくちゃ恥ずかしい。最初くらいはビシッとしたかった…
「あら、可愛い新人さん♡私は七瀬いちごよ!よろしくねあゆむん♡」
やっぱり僕はあゆむんって呼ばれるんだぁ。
まぁこんな美人の人に言われるのは嬉しいけどね!シロウさんに言われるのと大違いだぜ。
「よっよろしくお願いします!」
「あゆむん気をつけぃ。そやつそんな見た目やけど男やからのぉ」
「えっ...」
衝撃的過ぎて思わず声に出てしまった。
この人が男の人だと!?ありえん!
「何言ってるの?シロウちゃん?」
あー。口調はさっきと変わらないけど目が笑ってない。怖い。てことは本当に男の人なんだ…。
「わっ悪かったわぁ!?許しておくれぃ」
「ふふふっ♡もう可愛いなー。」
目の前でイチャイチャ?してるのを見せつけられてる?と急にどこからか低くて太い声が聞こえてきた。
「てめぇらうるせえんだよ!」
ビクッとして辺りをキョロキョロ見渡す。
だが、姿はない。えっ今の聞き間違い?
「もぅ。突然なんなのよぉ!後輩くんが驚いてびびってるわよぉ。さっさと出てきなさい!」
なんか七瀬さんが壁に向かって話しかけてる。ちなみにシロウさんは「私はうるさくなどしておらぬわ」と不貞腐れてる…はは
すると声の主は突如いちごちゃんが話しかけてる壁からぱっと現れる。・・・本当にいたんだ!てか、いちごちゃん凄い
「しゃあねぇなぁ。普段いる奴らとは違う雰囲気の奴が来たと思ったから警戒してたんだよ!そしたらこのザマだよ!」
あぁん!と僕を睨み付けてくる。めちゃくちゃ怖い。
「こんなぱっとしないガキが特殊隊だと?ふざけるな!」
「やれやれ酷い言い様やのぅ。だが、今のその言葉で私はきめたぞ!蓮二くん、君にはあゆむんの教育係を頼みたい!そしてあゆむんの力を引き出しなさい。」
「はぁ!?ふざけるな!なんで俺がこんなガキを!」
「私の言うことを聞かないと隊長が悲しむんやけどなぁ?」
「おい!毎度毎度隊長の名前つかえばいいってもんじゃー」
「悲しむんやけどなぁー」
「チッ。わかったよ!やりゃーいいんだろ!やりゃーな!」
「分かればよろしい」とシロウさんは頷いている。蓮二さんあてられると弱いタイプか。
「この子は四ノ宮蓮二きゅん♡口調と態度は見てわかるだろうけど、その裏腹めちゃくちゃ優しいから安心していいわよ♡」
いちごちゃんが言うなら本当だろう。
「よろしくお願いします!」
「言っとくが俺は教えんからな!自分で見て学べ。わかったな」
僕ははい!と返事をした直後のことだった。
ビーーーー!とどこからかブザーのような音がした。
「あゆむん、早速なんだけど出撃してくれるかのぅ?今他の連中が出張で出かけておるんよ」
「はい!」
入って早々に出撃することになるとは。
初任務ビシッと決めてきますか!
次話は出撃よろしくお願いします