あわや
第3話です!よろしくお願いします!
ジリリリリと言う音によって僕は目を覚ます。今までは目覚ましなんてかけずに適当な時間におきていたのだが、これからはそうはいかない。とても残念だ。できればこの音は聞きたくない。多分こう思うのは僕だけでは無いはずだ。・・・そうだよね?
そんな今までとは違う朝を迎えた訳だが、それにはちゃんと理由がある。今日から僕は軍の特殊隊に配属されることになったからである。実に誇らしいことだ。・・・特殊隊がどんな部門かは全く知らないんだけどね。
「よしっ!」
食事、着替えを済ませ、玄関の前で気合いを入れる。そして、今日からの生活に期待を持ち、勢いよく外に出る。
「あわや!」
勢いよく外に出たため扉の前にいた男の人にぶつかりそうそうになった。良い子のみんなは外に出る時は気をつけよう!
あと、あわやってなんだ?
「貴殿危ないではないかぁ!」
「すみませんっ」
そんな平安時代の読み物によく出てくる驚き方(後に調べました)をする人が睨んでくる。
だけど不思議とあまり怖そうに見えない。
「次から家からでる時は気をつけい」
はいと言いつつ僕は落とした荷物を拾う。
「むっ。ところで貴殿あまり見ない顔やのう。新人かのぅ。何部門かね?」
「あー、えっと…部門...ではなくてですねぇ」
「声が小さいうえにごにょごにょと。はっきり言わんかね」
特殊隊という名前により昨日の会では注目されてしまったから言いづらかったのだが、勇気を持ち堂々と言うことにした。
「特殊隊です!」
「おー特殊隊とな」
目の前の口調が独特な人はほぅと僕を見つめる。
「じゃあついて来ぃ。私もいまから行くところだったのだよ」
「えっ。てことはあなたも特殊隊なんですか?」
「うむ。いかにも私は日本特殊隊副隊長の一人、久方遠士郎である!」
ええ!やべぇ!配属初日にやらかしてしまうとは…
よりによって副隊長はまずい。
「すみませんっ!とんでもない無礼をしてしまいました!私は今日から特殊隊に配属される本渡歩儚と申します!」
とりあえず焦った僕は態度をピシッと敬礼し挨拶をする。
「そんなにかたくならんでええよあゆむん。こっちも話しづらいではないか」
あゆむん?って誰と言いたかったがこの場にはあいにく僕しかいない
そんなことより副隊長が優しい人で本当によかった。
あの頭トンカチ(軍隊長)のような人だったら本当にやばかった。
「ところで副隊長、特殊隊ってーー」
「副隊長と呼ぶのはやめて遅れ。副隊長は僕以外にももう1人おるからのぅ。皆からはシロウさんと呼ばれておる」
「では改めてシロウさん、特殊隊ってどんな部門なんですか?」
「あゆむん、特殊隊について全然知らないのかね?」
とても恥ずかしかったが、はいとしか答えられなかった。
「まぁ後から詳しく説明するけど、とりあえず軽い知識程度に特別に教えてしんぜよう」
「お願いします!」
「うむ。基本的に神具は3つに分かれるやろ?」
もちろん基本的なことは知っている。
こんな僕でもね。
「はい。大型、中型、小型ですよね」
「だが、それはあくまで"基本的に"なんやわ」
「と、言いますと?」
「少しは頭を使えぃ。要するにその他に特殊な奴らがおるゆうことよぅ」
「でも、大きさや形だけで言ったらその3つしかありませんよ?」
「たわけ。誰が見た目だけと言ったぁ。基本的な神具は行動に自分自身に意思が無く、機械的に動いている」
「と、言うことは特殊なやつは逆に自分自身に意思があるということですか?」
「その通りや。そういうヤツらは他の部門では色々と対応できんから私達の出番ちゅうわけよ。まぁこんなところかな」
「ありがとうございます」
やっと自分の部門について知れた(自分で調べようとはしたが出てこなかった)ので、一安心する。
「ところであゆむん。歩くの遅くないかい?」
「それはシロウさんが速いだけですよぉ」
この人歩幅広いんだもん。身長も高いし。僕より10センチは高いんじゃないかな。
そんなこんなで話をしながら施設内を歩いているとシロウさんはとても大きな赤い建物の前で足を止めた。
「あゆむん!ここが我が特殊隊の活動拠点である!」
周りが白い階段や、建物が多いため赤色というのがとても目立つ。
そして想像を絶する大きさに驚きを隠せない。
やっぱり軍ってすごいと思う。
「ちなみにー、今日からあゆむんもここで生活もしてもらうからよろしくね。ちゃんと荷物の手配もしてあるから安心しときぃ」
「えっ...えぇぇぇ!」
今日からおもしろい生活が始まりそうです。
配属初日は長い一日になりそうですがよろしくお願いします!