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第七三話 アルバート・ネイゲルの最後

 マディオフ王都外周、都内と呼ぶには(ひな)びた区画に一本の風変わりな道がある。その道には、荒屋(あばらや)と呼ぶには堅牢な作りの建物がひとつだけ接していて、建物の裏手には小さな小さな修練場があった。小さいながらも日々使用されている修練場で、今日もそこで汗を流す人間たちがいる。


 剣を合する金の音、体重を乗せて土を強く踏む低い音、鎧と鎧下着が擦れる不快な摩擦音、それと修練する人間たちの熱く湿った吐息混じりの掛け声が響き渡る。それらは全て建物の中で休むひとりの男の耳に届いている。


 壮年期終盤にしては若い見た目をした男が椅子に深くもたれたまま音に耳を傾け、詮無い不満を今日も抱く。


(今日もここは平和だ。糞ったれな平和だ)


 ()のいない平和な道、毎日そこで行われる修練、力任せに撃たれる剣には美しさも調和もなく、それでいて無駄に大きな騒音を伴っている。


 体力の有り余った壮年期前半の()()()()()()は長すぎるほど長い時間を修練に費やし、疲れたら疲れたで建物に入ってがなり立てながら終わりなくカードに興じる。


 男は深く溜め息を衝き、机の上に伸ばした両脚の横にあるガラス瓶に手を伸ばし、中の辛い液体をあおった。


(俺はこんなところで(くすぶ)っている男じゃない。数年以内にまた中央に返り咲く。そしていつかは近衛になるのだ)


 男は名をセスティオ・ボーナという。士官学校を経た後、軍とはその働きを対にして国内の治安を維持する衛兵団に所属し、無難な働きと家柄の良さで順調に昇進してきた。


 年齢を重ね、そろそろ部門長に任ずる声が掛かろうか、という頃に、とある人物が亡くなった。その人物が先代の関門長、ピオ・マルティンである。


 ピオは長年、監獄の裏口と市街とを繋ぐ一路(いちろ)、通称“再会の道”を管理してきた。管理といっても仕事は単純だ。マディオフ王国国内で一定以上の重大な罪を犯し、刑罰か服役を終えた解放囚は、王都では必ず再会の道に放たれる。


 再会の道と街衢(がいく)とを繋ぐ唯一の出入り口には小さくとも堅く重い門が構えられていて、門は街の側から来た人間に対してしか開かれない。


 通りの左右には高い塀がめぐらされている。塀の壁面はごつごつと取っ掛かりがあって一見登れそうだが、上側は起伏も無ければ摩擦も少なく、さらに天端の傘木は意地腐れなまでに幅広でネズミ返しの役割を担っているため、登って塀を越えるのは至難であった。


 迎えの来ない解放囚に対して門を開けてはいけない、という規則や法令は存在しないが、「誰かひとりでも迎えが来ないかぎり、解放囚は再会の道から出られない」という事実は、一般人にすら常識として知れ渡っている不文律だ。


 ここでの衛兵の仕事は管理官として門を開閉し、道の治安と衛生の維持に努めることである。


 再会の道での治安維持は街中と少々意味合いが異なる。管理官は正規業務として、道にいる解放囚に対して適宜“指導”を行う。時折、振るわれる治安維持を目的としない暴力は娯楽として黙認されている。


 なにせ門の開放時以外、外から通りの様子を窺える者はいない。相手と程度さえ間違えなければ、管理官に怖いものなどない。


 業務と娯楽の連鎖に耐えられなかった解放囚はやがて死に至る。上手く立ち回るなり、巡りの良さに救われるなりして暴力から逃れられたとしても、誰にも迎えに来てもらえない解放囚は、いずれ飢えや渇き、冬であれば凍えで死ぬ。


 時間が経てば道には“自然死”した死体が溜まるので、管理官はそれを処理して再会の道の衛生を維持する。


 重犯罪者の烙印を押された者が人の世界に戻れるかどうか。囚人に課せられた最後の試練として立ちはだかるのが、この再会の道と彼ら関門管理官であった。


 関門管理は日の目を見ることのない閑職のはずであり、現任管理官の希望によって短年で異動となるのが常であったが、稀にこの仕事を好む変わり者が現れ、長く任に就く。ピオ・マルティンはそうした長期滞在者の筆頭とも言える存在であった。ピオは解放囚に対してあまりに距離の近い指導を行い続けた結果、致命的な病に感染し、エリートに相応しい寿命に達する前に命を落とした。


 ピオが座っていた関門長という席は一部門の長である。一定以上の役職に就けるのは特定の要件を満たすエリートだけであり、仮にどれだけ能力が優秀であっても要件を満たさないかぎり重役勤務の辞令は決して交付されない。


 空いた席に座ったのは、長年関門に勤めている低階級無役職の現役管理官ではなく他部門から抜擢(ばってき)されたセスティオだった。やりがいは無くとも重責が無く、短期間で終わるのであればセスティオにとって悪くない昇進人事だったが、当の本人は不満で仕方がなかった。


(ここは頭のいかれた衛兵くずれの掃き溜めだ)


 またひとつ大きな掛け声が修練場から響き、それがセスティオを苛立たせる。


 関門管理部門は異常な性嗜癖を持つ者の集まりにちかい。解放囚に指導するのが好きで(たま)らない、そんな人間ばかりが(おり)となって積もる場所である。その澱の頂にいたのが先代のピオであった。ピオは関門管理という部門の長だっただけでなく、異常性においても抜きん出ていた。


 逆にそんなピオがいたからこそ、ピオの愛玩物たる解放囚を壊しすぎぬように、部下の管理官は自分たちで独自規則を定め、規則の中で解放囚を用いて楽しんでいた。


 そんな秩序在る苦界(くがい)はピオの死によって崩壊し、以降、かつてない無法地帯と化す。


 タガが外れた管理官という名の獣たちは解放囚を殺しに殺した。セスティオが赴任した時点では解放囚がまだ何人も生存していたというのに、()()速度が()()速度を圧倒しているものだから、新関門長着任からそう日数を経ずに道から解放囚が完全に消えてしまった。


(あいつらにとっちゃ、細部まで規則に縛られたかわいがりしかできない監獄やら更生所やらよりも、好き放題に指導できる再会の道の方がずっと魅力的な職場なんだろうよ)


 軍人や衛兵が身体を鍛えるのは職務の一環であり、それに対してセスティオが不満を抱くことはない。セスティオが不満なのは、自分の部下たちが趣味で修練を行っていることである。


 管理官は解放囚の破壊が何よりの楽しみであり、生きがいであり、いつまでも見続けられる夢なのである。


 愛してやまない指導対象が全員死んでも、夢は終わらない。


 より大きな力で、より思いきり、より気持ちよく玩具を壊す。


 熱い夢への想いが彼らを突き動かす。次の指導の日に備えて、来る日も来る日も修練する。


(その精力をもっと真っ当なことには費やせないのかねえ……)


 衛兵なる職業は役人としての側面を大いに有している。昇格や昇任のためには実務経験だけでなく法律や条例などの専門知識、部門によってはそれなりの国家資格が必要となる。


 セスティオが卒業した士官学校も幹部階級に進むための手段のひとつである。叩き上げで幹部階級になるのは難しいにしても、積極的に勉学に励み人事で定めている学科試験を自らこなしていけば俸給は増えていくようになっている。


 関門管理は業務に忙殺されることのない、衛兵団にしては恵まれた閑職であり、向上心のある人間にとっては勉学に打ち込む時間を業務時間内に見繕える、(まさ)に絶好機なのである。


 下級衛兵の向学心が低いのはありふれたことであり、その点はセスティオにとって珍しくも嘆かわしくもなんともない。しかし、管理官として配属されている衛兵の人数はそれなりだ。いかに下級衛兵といえども、数が集まればひとり二人は勉強熱心な人間がいてもいい。いや、むしろいないほうがおかしい。それなのに、管理管は誰も勉強に時間を割こうとしない。


 夢を追って修練に励み、疲れては遊び、ご褒美が再会の道に放たれると欲望を解き放ち、すぐさま壊す。この繰り返しだ。


 需要と供給が不均衡をきたしているせいで、解放から一両日中に迎えの人間に来てもらえなかった解放囚は必ず死に至る。


(本来なら、迎えの来ない解放囚が出そうとする手紙を取り次いでやるのも正規の仕事のはずなのにな)


 セスティオは特別に優しい人間ではない。表向きの刑罰を終えた重犯罪者が管理官という名の無法者から暴力を振るわれても心は痛まない。


 しかしながら、関門長という立場上、解放囚の大多数に真の解放の機会が与えられていない、という事実に関しては少しだけ憂慮していた。


(なにせ、今日解放される虜囚はかなりの大物だからな)


 ハンターに見識の薄いセスティでもその日の解放囚、アルバート・ネイゲルなる人物についてはそこそこ知っていた。なにせ、数十年という長い長い空白期間の後にやっとマディオフに誕生したミスリルクラスハンター二人のうちのひとりだ。


 衛兵は基本的に業務上、ハンターと接点がない。それでもどの部門、どの部署にも強さ談義の好きな人間は必ずいるものである。しかも今回はミスリルクラスが二人ほぼ同時に誕生して、両名ともに土魔法使いときた。話題にならないわけがない。


 一方のバンガン・ベイガーは『侵入者(インベイダー)』の異名で呼ばれる、威力、技術ともに並ぶ者のない土魔法の使い手だ。人柄は温厚で、パーティーメンバーに同業ハンター、手配師、案件依頼者、誰からも好かれている。


 他方、アルバートは、土魔法の実力こそチタンクラスあるかないかという程度でしかないが、代わりに小器用に多属性の魔法を使いこなし、剣も少々嗜む。ハンターとしては長所がハッキリせず、金でハンタークラスを買ったのではないか、との疑いの目を多数向けられている。一般社会にはハンター以外のワーカー業で名が売れており、『足場バカ一代』やら『ホテル王』やら『偽善と売名の抱き合わせ商法』やら、蔑称にしてもひどい渾名(あだな)をいくつも持っている。ワーカーとしての最大の長所は役人の抱き込み術だ。だからハンタークラスに関しても裏金疑惑が一層膨れ上がる。


 セスティオが懐から時計を引っ張り出す。


 もう間もなく、解放囚が再会の道に放たれる。


 セスティオは再度、解放囚のおかしな特徴に思いを馳せる。


 アルバートは金にあまり興味を示さず、王都に無限に湧き出る厄介な問題を格安で請け負う。手配師や依頼者たちからしてみれば、これほど都合のいい存在はない。


 案件に取り組む姿勢は非情の一言で、依頼者の利益追求を謳って、人の心があるとは思えないとんでもない無茶の押し通し方をする。ただし、道義から外れていても法からは外れない。いや、それどころか法律と役人、衛兵を意のままに操るから、そんじょそこらのゴロつきよりよほど性質(たち)が悪い。


 やり口が過激なことから反発者( アンチ )の数は相当だが、熱狂的な愛好家( ファン )もアンチの数以上に多い。アルバートの評価は良悪、極端に分かれる。


(悪事をはたらき慣れている奴は下手に法律違反を犯さないものだ。それが、敵国と通謀し、マディオフの排斥種族であるドレーナを国内に引き入れて国家転覆を図ったというのだから驚きだ)


 表向きは英雄でも裏では黒い噂が絶えず、最終的に巨悪に手を伸ばして自滅する。なんともありそうな話だ。


 しかし、セスティオはアルバートが引き起こした事件に懐疑の目を向けていた。


 セスティオは新聞や噂話など、誰でも知っている情報しか持っていない。自ら事の真偽を確かめるとか、隠された事実がないか調査したことはない。それでも彼は異常を確信していた。


 セスティオは一種独特な人間だった。彼は衛兵として順調な出世街道を歩んでいる。確かな家柄は彼にとって前提でしかなく、自分なりにコツコツと地道な努力を重ねたからこそ、ここまで昇進できた、と本人は考えている。


 セスティオは職務に服するにあたって掲げている信条がひとつある。


『落ちなければ、いつか上がる』


 とても単純でありながら、極めて難しいことでもある。


(昇進するのに大事なのは、上がっていくための得点(ポイント)稼ぎだけじゃない。不正や汚職に巻き込まれたり、罪を(なす)り付けられたりして転落しないこと、これが大事だ)


 世の中には実務能力が低くとも、要領の良さで巧みに人を動かし、有利な立ち位置を確保し、人並み以上の速度で上へ昇る人間がいる。セスティオは、自分が如才ない側には属していない、と冷静に理解していた。だからこそ、転落の回避を最優先にして生きてきた。


 どこが崩れるかを正確に見抜いて危険な足場を確実に避ける。あとは失敗さえ繰り返さなければ、ゆっくりであっても着実に昇進していける。それが彼の持論だった。


 取り立てて要領は良くない代わりに、“落下点”を見抜く能力だけは若い頃から高かった。何度となく己を助けてきた直感が彼にこう告げる。『アルバートは誰かに()められた』と。


 アルバートがマディオフに招き入れたとされるヒト型吸血種は失踪し、追跡情報が全く無い。


 吸血種を追っていた側の軍人らは、みすみす吸血種を逃しておきながら誰も責任を問われていない。


 国に衝撃を与える話題性の大きな事件だというのに、結審までも刑の執行までも異様なまでに早かった。審理が異常ならば判決もまた異例だ。


(せっかくのミスリルクラスのハンターを両腕切断とか、イカれてるぜ)


 ハンターとしての功績や都内外の民草からの嘆願によって減刑され、アルバートは死刑を免れた。だが、両腕が無くてはハンターとして再起不能だ。


 小器用に使いこなしたという魔法も、もう今後一切使えない。


 重犯罪者の減刑は必ずしも珍しい話ではない。事の運び方によっては減刑の見返りに国が大きな利益を得られるからだ。


 実力に疑問符がつくとはいえ、腐ってもミスリルクラスのハンターだ。思い切って大きく減刑したうえで、減らした分以上に大きな制約を身に課し、国僕として使い潰したほうが賢い。どれだけ狡猾な輩であろうと、国の力をもってすればいくらでも行動を縛れる。


(そうしなかったのは吸血種がらみの事件だからか……。いや、それすら事実かどうか怪しいものだ)


 マディオフが吸血種の排斥を始めたのは、国がここまで大きくなるよりずっと前だ。周辺の小国を次々に吸収していた当時のマディオフ一族頭目、所謂(いわゆる)初代国王が、ある時点から吸血種の排斥を始めた。


 当時は吸血種狩りに恭順の意を示さなかった人間まで制裁の対象となったが、国の徹底姿勢が国民に浸透した近年では吸血種絡みで民間人が罪に問われる事例は激減している。


(これがもしゼトラケインの仕組んだ罠であれば由々しき事態だ)


 隣国ゼトラケインにはヒト型吸血種の一種、ドレーナがいくらでもいる。


 マディオフの要人の下にドレーナを送り込むだけで、マディオフの軍人と衛兵がその要人に嫌疑をかけて処分していってくれるのであれば、近隣の非友好国からすると笑いが止まらない話だ。この先、同様の事件が連続して起こっても不思議はない。


 ゼトラケインの企みではなかったとしても、大きな力を持つ何者かが裏で糸を引いている規模の大きな事件、セスティオはそう(にら)んでいた。


 セスティオは更に推理を広げる。


(人間は利害で動く。この事件によって大きな利益を享受した人物がマディオフ国内にいる)


 裾野を非ハンターまで広げてしまうと容疑者があまりにも多くなってしまうため、セスティオは一旦、ハンター関係に絞って容疑者候補を挙げる。


 ミスリルクラスのハンターともなると、手掛ける案件の内容はカッパークラスやシルバークラスのハンターとかち合わない。


 討伐対象を奪い合うのは、プラチナクラスやチタンクラス以上のトップランカーたちだ。


(バンガンも、バンガンのパーティーメンバーたちも全員容疑者だ)


 噂によると、バンガン本人はそうでもないのだが、バンガンの所属するハンターパーティー“アバンテ”の仲間たちはアルバートをそれはそれは嫌っていたという。


 噂が真実ならば、アバンテが王都の権力者たちや法曹関係者と結託してアルバートを嵌めた可能性は十分にある。


 バンガンの周辺以外にもハンターの世界を洗えば容疑者がボロボロ出てきそうなものだが、いかんせんセスティオはハンター業界に疎く、推理はそこで頓挫する。


 では、ハンターからもワーカーからも離れ、全く違う方角に目を向けてみるとどうだろうか。


(ゼトラケインを除くと、最も怪しいのはマディオフが滅ぼした()()()だが……。ちっ、うるさいのが戻ってきやがった)


 セスティオのいる関門管理官詰め所は修練場に隣接している。静かな推理を邪魔する騒音源が修練場から詰め所へなだれ込んできた。


「いやー、今日の訓練には身が入ったな」

「今日は解放囚が来るからな。やっぱりご褒美があると気合が入るってもんだ」

「ちげえねぇ」


 けたたましい笑い声が小さな詰め所にこだまする。


(こいつらのやる気っぷりだと今日中に殺してしまいかねない)


 セスティオは詰め所に戻ってきた部下の前に立ち、厳に命じる。


「おい、お前たち。今日明日は絶対手出ししてはならないぞ。今日出てくるのはネイゲル家の若造なんだからな」


 セスティオは責任追及を恐れていた。解放されたその日に解放囚を再会の道の中で殺してしまうと、ネイゲル家からの追求を受けるのは関門及び再会の道の管理責任者たるセスティオだ。


 解放時点での解放囚の健康状態は事細かに記録されていて、監獄(むこう)に責任を(なす)り付けるのは難しい。けれども、解放から三日も経てば、病死だろうとなんだろうと言い訳が立つ。


 何とか三日()たせたうえで死んだならば、ネイゲル家の人間が亡骸の回収に来る前に全てを処理することで追及余地のない完璧な“病死”を完成させられる。


(解放初日に死なせるのはまずい。最低でも三日は(しの)がないといけない。俺の言うことを聞かないこいつらを、なんとしてでも抑える)


 セスティオの厳命に耳を傾けない部下のひとり、“足らずのダレイ”が口をだらしなく半分開き、恍惚の表情で空を眺めて言う。


「ネイゲル家かー。ああー、そんないいとこの青年を好きにしていいなんて、俺衛兵やっててよかったー」


 頭が悪く、人並みの脳が頭蓋に詰まっていない、と同僚全員から揶揄される。だから『足らず』だ。ダレイの欲望を口以上に物語る屹立が軽鎧を下から押し上げているのは想像に難くない。


 おそらくダレイが今回解放囚を好きにしていい()()なのだろう。


「好きにしていいなどとは言ってないだろうが。とにかく、おとなしくしているように」


 セスティオの部下たちは、へーい、と恭順の意を一切伴っていない、やる気のない声で返事をした。


 言葉遣いだけ聞いている分には衛兵団というよりならず者集団だ。


 詰め所は一旦、静かになるものの、しばらくすると再びざわめきが広がり始める。


「おい、監獄から出てきたぞ」

「どれどれ」


 待望の“ご褒美”のお目見えをひとりが告げると、ならず者たちはあっという間に元気を取り戻し、詰め所から飛び出して通りへ見物に向かう。これでは衛兵と解放囚というより、檻に閉じ込められた空腹の肉食獣と檻の中に放り込まれる生き餌だ。


「あれがアルバート・ネイゲルか。ミスリルクラスのハンターっていうからどえらいガタイの奴を想像してたんだが、ガリガリに()せ細ってやがる」

「両腕切り落とされたんだ。他の虜囚よりも消耗が激しかったんだろ。にしても、てっきり肘の先くらいまでは残っているかと思ったんだが、ありゃ二の腕の付け根で切り落とされてるな」

「あぁ~、本当に両腕がない。あぁ~、あぁ~。あっ……」


 聞きたくもない部下の達する声の後、鉄格子門が開く音、それから人間の倒れこむ音がセスティオの耳に飛び込む。


 音からセスティオは考える。おそらく解放囚はひとりで立っているのもままならず、監獄の衛兵によって放り捨てられるように通りに投げ込まれたのだろう。


 人一倍耳の良いセスティオは詰め所の奥にある関門長用の部屋、といっても衝立(ついたて)に遮られているだけのささやかな空間ではあるが、この場所から通りに響く全ての音を聞き取ることができた。


 彼は一々目視に向かう必要がない。声と音だけでほとんどの出来事を推察できる。通りの中どころか、関門の向こう側にいる人間の話声であっても、それが普通の音量で話されているならば、セスティオには内容が筒抜けだ。本人以外は誰も知らない、セスティオの秘密能力である。


「いやー、久しぶりにお客さんが来るといいもんだなあ」

「眺めるだけでもワクワクしちゃうよね」

「絶対、先につまみ食いしちゃダメだからな。やっと回ってきた俺の番なんだからな」

「分かってるって。それはともかく。お前、臭いから水で流して来いよ」


 気持ちが先走るあまりに()()してしまったダレイは同僚から悪臭を指摘され、詰め所を通り抜けて井戸口へ向かう。


 第一権利者のダレイが一時的にいなくなり、その場に妙な雰囲気が漂う。


「おい。ダレイが居ないうちにちょっかいかけてみないか」

「やめとけって。あいつは根に持つタイプだ。一旦恨むとしつこいぞ」

「でも、ダレイにやらせるとすぐに壊しちゃうだろ? いくら順番とはいえ、放っておくと俺たちはまたしばらくお預けだ。大丈夫だって。ちょっとだけならバレやしないさ」

「それもそうか……」


 下卑た笑いがその場に満ちる。


(言われたそばから上司の命令を破るつもりか……)


 小声で交わされる部下たちの不穏当な相談に、セスティオはいても立ってもいられず、再度釘を刺すため自分も通りへ出ようとする。


 席から立ち上がり、詰め所の扉前まで来たところで、解放囚のいる監獄側とは真逆、門の表に近付く足音を彼の耳が捉える。


(この足音……多分、ネイゲル家からの迎えだな。助かった。この解放囚は、道の中で預かるには重すぎる荷だ。とっとと引き取ってくれ)


 部下に怒鳴り散らすまでもなく問題は解決すると確信し、セスティオは扉に伸ばしかけた手を引いて席へ戻る。




 門前に来訪者が現れてから経つこと数分、門番をしていた衛兵のひとりが道の中へ駆け込んできた。


「おい、お前らも見に来いよ」

「あん、なんだ? どうした?」


 再会の道に堕ちた解放囚に洗礼を浴びせていた関門官たちは、息を切らして駆け込んできた同僚の呼び掛けに薄い興味しか示さない。


「今日の解放囚を迎えに来た女、すんげー美人だぞ。今、門の前で書類を書いているから、じっくり見られる」

「なにっ!? そいつは見に行かないと!」

「おっ、俺も俺も!」


 美人という単語ひとつで興味の矛先を瞬時に移した関門官たちは、賑やかな声と足音を伴い監獄側から関門側へ走っていく。


(美人か……。俺も見に行きたいな。ちょっとだけ、一目だけ見に行こうかな)


 加虐にも男色にも興味のないセスティオではあるが、関門管理の退屈さの中で刺激を欲している点だけは部下と相違ない。


 セスティオは椅子から立ち上がると着衣に乱れが無いか確かめ、襟元を正す。


 関門側からは部下たちの興奮した声が聞こえてくる。


(民間人の前で、いい恥晒しだ。この際、見るなとは言わん。せめて行儀よく眺めてくれ)


 叶わぬ願いを抱くセスティオの耳に、ふと、通りの監獄側から、ズル、ズルと何かを引きずるような、あるいは何かが這いずっているような音が舞い込む。


 地面に倒れこんだ解放囚が身体を起こそうと悪戦苦闘しているのだろう、とセスティオは簡単に判断し、それ以上は深く考えずに通りへ出るため詰め所入り口の扉へ向かう。


 すると今度は詰め所の奥から、ガサガサ、カリカリ、と謎の音がし始める。


(ダレイ……ではねえな。あいつはまだ服を洗っている音がする)


 修練場側にある井戸口近くからはジャブジャブと水音が続いている。謎の音はダレイが立てているものではない。


(あ、そういえば……)


 セスティオは、最近詰め所にネズミが出入りして備蓄食糧を漁っていたことを思い出す。


 管理官たちの立てる騒音がなくなり、腹減りネズミが昼間から餌を探しに姿を表したのかもしれない。


(仕方ない。退治するか、追い払ってから噂の美人を見に行くか)


 生来の生真面目さがセスティオに興味本位の美人観察ではなく、衛生動物駆除と備蓄食糧保護を優先させる。


 ズカズカと足音を立てると害獣に逃げられてしまう。セスティオは気配を殺し、慎重に静かに食糧庫に忍び寄る。


 最後の仕上げに息を止めて食糧庫をチラリと覗いた瞬間、謎の音はピタリとやんだ。


(逃げたか。勘のいいネズミだ)


 セスティオは(ほぞ)を噛みつつも、ネズミが出入りに使う抜け穴のひとつでも見つからないか、と物資をひとつひとつ動かして丹念に庫内を捜査する。


 一通り庫内を確認しても、抜け穴どころかこれといって目立つ害虫すら見つけられず、いないのならばそれでいいだろう、とセスティオが食料庫に背中を向けたところで、関門の開く錆びた金属音が通りに鳴り響く。


「さっき出てきたばっかりなんですよー。今お連れしますから……って、あれ? いねぇな……」

「ホントだ。どこ行った?」


 間の抜けた部下たちの意味不明な発言がセスティオを混乱させる。


 再会の道に入り組んだ構造はない。詰め所の上からも、関門の上の監視台からも、開かれた門からも、再会の道は一望できる。もちろん、解放囚の数が多ければ視点の低い門からだと即座に見つけられずともおかしくはないが、現在、道には解放囚がたったひとりしかいない。


 解放囚がどこかに身を潜めている可能性もない。詰め所の中に入るか、詰め所を抜けて修練場側にでも行かないかぎり、身を隠せる場所はない。


 では、解放囚が詰め所に入ってきたか、というとそれはありえない。


 ダレイが井戸口へ向かった際に詰め所の入り口は閉じられ、それっきりだ。入り口の扉の開閉には、関門ほどではないがかなり大きな音を伴う。そんな音はしていないのだから、解放囚は詰め所や修練場ではなく道にいるに決まっているのだ。


 再会の道は最初に作られてから数回の()()があり、その都度、改修が施されてきた。現在の形が完成してからというもの、解放囚がこつ然と消えた例はない。道の隔離は万全だ。


 だが、何か嫌な予感に襲われ、セスティオは慌てて詰め所の入り口を開けて再会の道へ(おど)り出る。


 真っ先に見るのは解放囚がいるはずの監獄側だ。しかし、そちらの側には解放囚も管理官も人っ子ひとりいない。


 今度は逆、関門側に目を向ける。そこに並ぶのは見慣れた阿呆面の部下たちと、初めて見る女が二人だ。


 部下のひとりが門の下から大声で叫ぶ。


「親分ー!! アルバートさんは詰め所の中っすかー?」


(親分じゃねぇよ、馬鹿野郎。俺は関門長だ。こいつら本当にどこの山賊なんだよ)


 素敵な女性の前で大声を出すのは品がない。


 セスティオは手を横に振り、解放囚が建物内には居ないと部下に伝える。


 すると、女のひとりが部下に尋ねる。


「本当はまだ釈放されていないんですか」

「いえ、さっき確かに監獄の衛兵が連れてきて通りにぶん投げ……そっと横にしておいかれました。俺たちも()()は済ませたんで、間違いないです」

「ではどこにいるのでしょう」

「へへっ。ちょっと確かめてくるんで、ここで待っててくださいね」


 部下たちはかつてないほどに腑抜けた媚び声で女に対応し、一斉にセスティオの下へ駆けてきた。笑顔一杯の部下たちの背後にブンブンと全力で振られる尻尾をセスティオは空見する。


「親分。アルバートさんがどこへ行ったか見てないですかい?」

「親分ではなくて関門長だ。私はたった今、通りに出たところで、解放囚の姿は一回も見ていない」


 ちっ、役に立たねーな、と部下のひとりが悪態をつく。小声とはいえ、格別に優れた聴力がなくとも聞き取れてしまう部下の暴言にセスティオは強く憤るものの、遠目に映る噂の美人の手前、声を荒らげて叱責することはなかった。


「じゃあ、詰め所内と訓練場のほうを確かめようぜ」


 部下たちは静かに怒る上司を早々に見限り、解放囚の姿を探して詰め所の中へ入っていく。一部の部下は詰め所を抜けて修練場へ向かった。


 詰め所の扉より向こう側にいるはずがない。通りからは詰め所の堅牢な扉を通らないと、詰め所の中に入ることも修練場へも抜けることもできない。


 関門と同様、詰め所の出入り口は解放囚が暴れたときに備えて頑丈かつ抜け道が無いように作ってある。


 今は鍵こそかけていなかったが、立て付けの悪さ故に扉の開閉時には結構な異音を伴う。注意散漫な部下の管理官たちはいざ知らず、己がそのような特別な意味を持つ音を聞き逃すはずがない、とセスティオは確信していた。


(今日までこの耳で生き残ってきたんだ。しかも、食糧庫を荒らすネズミを探してずっと聞き耳を立てていた。通りからは部下たちの下種な談義と、ズルズルと這いずるような音しか……)




「やっぱどこにもいねーな」

「俺の! 俺の愛しい()()は!? まさかお前が?」


 ひと足遅れて騒ぎを察知したダレイが同僚管理官のひとりを捕まえて食って掛かる。


「落ち着けって。誰も奪っちゃいねーよ。それが分からねーから、こうして探してるんだ」

「俺の! 俺の!」


 ダレイは憤慨するあまり、半狂乱になって物やら壁やらに八つ当たりする。


 暴れるダレイから被害を受けぬよう、管理官たちは距離を取る。その中のひとりが、あっ、と言って表情を輝かせると、ツラツラと推理を述べる。


「もしかして……監獄の奴らが連れ帰ったのかも。仮に連れ帰ってなかったとしても、監獄側からも道を監視している奴がいたはずだから、そいつに聞けば、どこにどう消えたのか分かるはず」


 部下の即興推理をセスティオは心の中で否定する。


(連れ帰ったという線も無いだろう。監獄と再会の道を隔てる鉄格子門が開閉する音は一回しか聞こえなかった)


 監獄側の人間に確かめるべき、という意見に同調した部下たちは解放囚探しを諦めると、関門に駆け戻って女二人に事情を説明する。


「……だから、特別な事情でもあって監獄に連れ戻されたのかもしれないです。それに、あっちにも監視の衛兵がいるから、そいつはアルバートさんがどうなったか見ているはずです。俺たちもこっち側から監獄へ行くことはできないんで、表の道をぐるっと大きく回り込んで正面から入ってください」

「そうですか。お手数かけましたね。ありがとうございます」

「失礼しますね」


 足早に立ち去ろうとする女二人を、部下のひとりが引き留める。


「お急ぎのところすみません。あの、アルバートさんとは……どういったご関係で?」

「私の息子です」


 門に来た迎えの者が書き込む書類には、続柄を記入する欄が無い。書式に無い内容を尋ねたところ、母親、という返答が得られた。


「えっ、ご冗談ですよね? こんなに若くてお美しいのに」


 母親を自称した女は発言を撤回せず、ただ静かに立っている。


 どうやら女の言葉が冗談ではないらしいと理解した管理官たちは女に気圧(けお)されて何も言えなくなる。


 部下たちと来訪者のやり取りを詰め所の前で聞くセスティオは舞い込む情報の正当性を頭の中で検証する。


 うろ覚えながら、解放囚の年齢は二十歳強である。その母親ともなると、どれだけ若くとも三十代半ばだ。その位の年齢であれば美しさをまだ保っていたとしても不思議はない。


 しかしながら、どれだけ美容に気を遣っていたとしても重ねた歳は確実に肌に刻まれ、どうやっても隠せなくなる。


 光量を意図的に下げられたパーティー会場などの薄暗い屋内ならばいざ知らず、燦々(さんさん)と陽が降り注ぐこの時間の屋外で、あれだけ近距離で会話していれば肌年齢は一目瞭然だ。


(解放囚の母親とやらは、それほど若作りが上手いのだろうか)


 沈黙する管理官たちの前から女二人が去っていく。


 久方ぶりに解放囚を真に解放する目的で開けられた関門は解放囚を吐き出すことなく再び閉ざされ、後に残るはいつもの関門管理官だけである。


 セスティオは速歩きで関門まで行くと、門上の監視台に上って女二人を見下ろした。


 二人はセスティオに背を向けて歩いているため顔は見えないが、話声はよく聞こえる。


「監獄に連れ戻されるなんて……。そんな話があるのでしょうか?」

「しがない事件の罪人ではなく、一大事件の罪人なのです。監獄勤務の衛兵がそのような不手際を犯すとは思えません。多分、どうにかしてあの中から逃げたのでしょう。木登りが得意でしたからね」

「そんな……。腕も無いのに」


 女のひとりは、解放囚が再会の道から脱出した、という自説を展開し、それを聞いた修道服の女は否定的な抑揚で答えた。


 垂壁程度であれば、熟達者は腕を全く使わずとも取っ掛かりを活かしてスイスイと登っていくものである。しかし、再会の道を囲む塀には返しがあり、熟練の登攀家であっても適した道具とそれを使いこなす腕が無いことには越えられない。


 再会の道から解放囚単独で脱出するのは不可能、という修道服の女の意見にセスティオは心の中で同意する。


「気配を消すのも得意ですから、早く探さないと私でも見つけられません。刑の執行前に脱獄するならともかく、まさかこのタイミングで逃げ出すとは想定していませんでした。一体どこを探したものやら……」

「今の身体では、水を飲むのも難しいでしょうし、食事は多分取れないはずです。なんとか早く見つけてあげないと」


 曲がり角を過ぎた女二人の姿がセスティオから見えなくなり、声も次第に聞こえなくなっていく。




 セスティオは詰め所に戻り、女が記入した書類に目を通す。


 ひとりは解放囚の母親を名乗っていたのに、書かれた名前にはネイゲルという家名が見当たらない。


 困惑がセスティオを包み込む。


(なんなんだ、この件は……)


 ヒト型吸血種の国内侵入から始まって、ミスリルクラスのハンターの逮捕、異様に早い結審と刑の執行、消え去った解放囚、そして最後に迎えに来た女は母親を名乗ったにもかかわらず解放囚と同じ家名を持っていない。


(一体何がどうなってる? 事態が想像を遥かに超えて深刻なのだとしたら……。俺の異動願は、昇進は大丈夫だろうか)


 考えれば考えるほど浮かび上がる無数の不審点は、点と点との見えない結び付きを怪しく示唆している。


 不可視の線が己の上にまでかかっているような気がして怖くなったセスティオは、もしもの場合を考え、意図してゆっくりと呼吸しながら原則を反芻(はんすう)し保身の術を模索する。


(再会の道にいる解放囚を、迎え無しに逃がしてはならない、なんて規定は存在しない。そんなものは暗黙の了解に過ぎない。人事の評価項目にも、今日の一件は記載されないはずだ。それに……)


 下手な嘘で事実を揉み消すのは考えものだ。調査が入れば嘘は簡単に暴かれる。事実をありのまま報告した場合よりも、虚偽報告がバレた場合のほうが責任者たるセスティオの立場はずっと苦しくなる。


(そもそも解放囚の迎えはちゃんと来た。迎えが来て、解放囚はいなくなった。事実はそれだけだ。関門管理部門に手落ちは何もない。あとは不備のない報告を上げておけば、それで完璧になる)


 嘘を弄さず不審点を巧妙に隠す術を思いつき、セスティオは書類で顔を隠してほくそ笑む。




 その日、関門管理官の日勤者と夜勤者が入れ替わる時間帯を見計らってセスティオは報告書作成に取り掛かる。


 わざわざ時間帯を選ばずとも、セスティオが自室と呼ぶ衝立(ついたて)裏の空間に部下たちが気軽に立ち入ることはないのだが、万が一にも書いている姿を見られたくなかった。


 完全な実話とも完全な創作とも言い難い作品を一本、誰にも目撃されることなく書き上げたセスティオはスッキリとした気分で家路に就く。


 マディオフに吹く乾いた冷涼な夜の風はセスティオに秋の訪れを感じさせていた。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] これより後の話はほぼ見てないのですがアルバートの話はこれで終わりなのでしょうか?結構好きな主人公だったのでこんな終わり方では納得できません。
[良い点] 改稿お疲れ様です。 一章ではほとんど語られることの無かったワーカー稼業の中身。 かなり手広くやってる風ではありましたが、いくつもの二つ名を付けられるほど 派手に活動していたとは思いませんで…
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