第一三話 警備員と歩く東の森
新しい春を迎え、進学組や早期就職組達と一緒に学校を早期卒業した私は、今日からカールとハントである。父から初期投資として預かった軍資金をもとに、軽防具と剣を一振り買い揃えてある。剣は切れ味よりも安さと頑丈さを重視して求めたものだ。無駄な装飾などなく、無骨さと、若干の重さがある。身体はまだまだ成長しているから、そのうち重さにも馴染むだろう。
装備を買いに行くときは、もちろんカールと一緒だった。私がこの剣を選んだとき、カールは少し驚いていた。曰く、「若い人は、えてして長物を持ちたがる」らしい。
確かに短槍は武器としては長いほうに分類されるだろう。短槍のリーチの長さは紛れもない長所だし、私も嫌いではない。ただ、短槍はカールに教えられたから扱っただけで、長い武器に偏愛はない。剣に関して言うならば、やや短めのほうが好みである。
この剣は短い割にやや重い。繊細さなどいらないから、重さの分だけメンテナンスフリーで丈夫に活躍してもらいたいものだ。とはいえ安物には違いないし、高級品だっていつかは必ず壊れる。早くハンター業を軌道に乗せ、この剣の耐久性が落ちきって壊れてしまう前に、新しい剣を買えるだけの資金を貯めたい。
カールと二人、朝から手配師と日雇い労働者が集まる場所へ顔を出し、目ぼしい仕事が無いか確認する。実はしばらく前から仕事内容はチェックしていた。
今日も普段と代わり映えのしない仕事ばかり。食指が惹かれる依頼は無さそうだ。日通し働いて、悪くはない程度の賃金が得られる現場作業と、それだけでは明らかに効率が悪そうな簡単なハント依頼。高難度のハント依頼は有るには有っても、私とカールの戦力では到底達成不可能なものばかり。
手配師から仕事を斡旋してもらうことは諦め、その場を後にする。
「なかなか手頃な仕事は転がってないもんだね。もう一か月近く手配師の所に顔を出しているけど、手配師にピンハネされても受ける価値のある仕事を見かけたのは、一、二回ってところか」
「実力がついてくれば、少しずつ高難度の依頼も選択肢に入ってきます。それに、ある程度簡単なものでも手配師達から何度か仕事を受け、彼らに実力を認められない限り、難度とはまた異なる重要性を持つ依頼は、我々には斡旋して貰えないでしょう」
それは私としても分かっている。だが、愚直に低難度、低報酬の依頼を何度も受けて時間を浪費する訳にはいかない。親からとは言え、出資してもらった手前、修行になりつつ、ある程度金銭を稼げるものが良い。ただ、上手く立ち回るには、あまりに周辺事情に疎かった。
カールが持っているアーチボルク周囲の地理情報は、ハントの参考になるほど詳細ではない。魔物の種類や分布、植生、道の良し悪しなど、前提として知っておきたいことはいくらでもある。避けるべき強大な魔物が闊歩する地域だけは父から教えてもらっているから、その辺りは避けつつ、手探りで情報を得ていくことになる。
都市を出て西に一時間弱も進めばダンジョンがあるが、あそこはアンデッドが多く湧く場所だ。信学校の生徒御用達のダンジョンであり、ほぼ完全に身内で固められている。金銭効率は絶望的で、赤字でもいいからアンデッド討伐の経験を積みたい、という情熱でも無い限り、外部の人間にとっては、全く旨味の無い場所だ。そのため、ダンジョン方面も避けたほうが良い。
「予定通り、東側の森に行くことにしよう」
この辺りは農地が広がっている場所を抜ければ、街道から少し逸れるだけで、すぐに植物を鬱蒼と茂らせるフィールドが広がっている。ダンジョン方面を除けば、四方八方林と森と言ってもいいかもしれない。
東側の森は、奥深くの特定地域さえ避ければ、今の我々二人で対処ができないような魔物は出現しない。まずは東側の森を中心に、自由に動き回れる地域を広げていく。これは、カールと事前に決めておいたことだった。
手配師から良さそうな依頼が受けられなかった日は森へ入り、自主的にハントを行う。肉や素材などの換金性が高い魔物を見つけたら狩って、手配師は介さずに直接骨肉店へ卸しにいく。手間はかかっても、小口であれば時間はそこまで取られないはずだし、手配師を経由させるよりも金銭効率が向上する。
わざわざ狩猟税まで納めたのだ。なるだけ活用しなければ。
無駄口は叩かずに、足早に東の森へと向かう。休憩は取らずに森の入り口に来るまでだけでも、一時間半はかかった。往復するだけでもかなりの時間消費だ。一日は二十四時間しかない。ある程度マッピングができたら、場合によっては数日くらい森に籠ったほうが効率は良くなるかもしれない。
森の入り口からは、カールに先頭に立ってもらう。現世の私は森に分け入った経験が無い訳だし、軍で森や山歩き経験のあるカールが道を決めるほうが自然だろう。
カールの後ろを歩みながら、感覚を研ぎ澄ます。視線感知にひっかかるものは無い。スキルをかいくぐるタイプの魔物がいないとは限らないため、もちろん油断は禁物だ。
比較的素早く飛ぶタイプの虫が目の前に現れると、視界として使うためにドミネートしていく。カールは前方に集中しているから、ドミネートに気づく様子は全くない。こっちを振り向いて現場を見たところで、「小さい虫をドミネートしている」と気づくかどうかは疑問だが、わざわざ能力をひけらかさなくてもいいだろう。
数十分と経たないうちに、十近くの空飛ぶ目を入手し、我々の前後左右を飛び回らせる。ざっと見た限りでは、大きい魔物はいないようだ。
私には遠距離攻撃の手段が無いことになっているから、できれば子連れのボアがいてくれると有難い。あまり大きいと倒しきれない。手頃なのはタイニーボアだ。子連れであれば、上手く挑発できれば、子供を守るために親はこちらに向かってくるはずだ。一目散に逃げられると、遠距離攻撃がない事には倒すのが難しい。
そんなことを考えながら、一時間以上森を進んでいると、ようやくそこそこ大きな動くものが傀儡の視界に入る。
これは……何だ?
ハエの目だとよく分からない。ハエよりも目の良い虫をそこへ派遣する。一見すると人間の子供のようだ。しかし、こんなところにいる人間なんてハンターくらいのもので、子供がここにいる理由などない。人間の子供くらいの大きさのものが複数。これはおそらくゴブリンだ。
半ば反射的に気配遮断を行いながらカールへと小声で話しかける。
「カール、前方におそらくゴブリンと思われる奴らがいるぞ、気配を殺せ」
カールがすかさず腰をかがめ忍び足になる。彼はここまで我々の安全第一で歩を進めていたため、獲物に自分の気配を悟られないようにする、という観点が抜けていた。
私の言葉で彼なりに気配を隠そうとしている。姿勢を低くして物音を立てないようにして、確かに基本は抑えている。やるべきことはやっているのに、なんていうか「生き物がいる」という気配が抑えきれていない。
そもそも私はどうやっているのか、自分でもよくわかっていないため上手く説明できないが、とにかくカールは何かが足りないのだ。これがスキルの有無による違いなのだろう。
「カール、ゴブリンの位置を分かっているか」
「いえ、一体も見つけられていません。アール様には見えているのですね」
「ああ、我々は今、東北東に向かって進んでいる。ゴブリン達は正面やや左、北東にいる。少なくとも四体はいそうだ。見える限りではブルーの奴はいないから、一体ずつは大したことないだろう。問題は数だ」
基本的に魔物は同属であればブルーの種のほうが強い。もちろん例外はあるが、むしろ例外と分かっている魔物を覚えておけば、それ以外の魔物はブルー即ち上位種と判断して差し支えないことが多い。
ゴブリンは身体が小さく力も弱い。上位種のブルーゴブリンであっても、一体であれば今の私でも倒せる。ただ、ゴブリンは上位種だろうが下位種だろうが集団行動をとるから、対処を誤ると足元を掬われる。
そして狩ったところで、討伐依頼が出ていなければほぼ金にならないし、討伐依頼が出ていても報酬は雀の涙だ。ゴブリンをまともに金に換えようと思ったら、ゴブリン大量発生の時に羽虫の様に狩りまくる必要がある。
では放置していいか、というと、それもまた違う。ゴブリンがいる、ということは彼らに狩られる魔物がいる、というわけで、我々のハントの対象が奪われてしまうことになる。それに弱いとは言っても、戦闘訓練を受けていない人間よりは強いから、一人歩きをしているものや、子供にとっては危険な存在だ。
「カール、奴らを狩るぞ。お前は気配を消すのが下手だから、先に私が行く。お前は後から私をカバーしろ。向こうがどんな武器を持っているかまでは分からない。矢には注意しておけ」
カールに指示を出して、私は音を立てないように注意しながらゴブリン達に近付いていった。
カールには見えている体で言ったものの、実際のところ、私の目はゴブリンを映していない。あくまで虫の視界に入っているだけである。
ゴブリンを見つけてからは虫の大半をゴブリンの集団近くに集めて、その動向を観察させている。三匹だけはカールの後方に配置して、バックアタックに勘づけるようにしておく。
虫を飛び回らせて数を数えてみると、ゴブリンは最初の見立てより少し多いようだ。仮に何体か視界に入れ損なっていたとしても、おそらく十は超えないだろう。これならば、全部一斉に襲い掛かってこない限りは対応できる。
……本当にそうだろうか。
逡巡する。
今の私の見立ては、前世の私の戦闘能力に基づいたものだ。現世の能力と照らし合わせるとどうだろう。
いや、大丈夫なはずだ。戦闘能力は大分上がっているし、この身体から見てもゴブリンが弱い事には変わりない。それにいざとなれば……
ゴブリンから漏れるわずかな声が聞き取れる距離まで近づいたところで、ようやくゴブリンを視界に捉えることに成功する。確かにブルーゴブリンではないが、虫で見るのと、自分で見るのでは、色味がかなり違う。虫の目だと色彩がとても鮮やかに見えるのに対し、自分の目だとくすんだ色合いにしか映らず、ゴブリン達は森に溶け込んで見えづらい。いわゆる一つの保護色のようなものだ。それも一旦認識してしまえば問題ない。
こちらに最も近い一体はどうやら見張りのようだ。立ったまま周囲の様子を窺っている。奥側にも、いかにも見張りというような立ちっぷりのゴブリンが一体いる。その他の四体は休息をとって、座り込んでいる。
手前の見張りまで一足飛びに踏み込める距離まで近づく。一呼吸置き、タイミングを窺いながら、もう一度全体を俯瞰する。
カールと私までの距離は少しあるが、十数秒もあればここまで到達できるだろう。それまでは囲まれないようにしないといけない。
簡単に戦闘展開を頭に思い描いていると、見張り役が視線も身体もこちらとは完全に反対を向いた。
絶好機!!
私はウダウダ考えることをやめ、一直線に突っ込んでいきゴブリンに剣を振り下ろした。剣の風切り音で、ゴブリンは直前にこちらを振り向くも、斬撃を防御するまではできない。切れ味鈍い剣と私の腕力では一刀両断にはできないものの、身体の勢いを使って上手く刃を滑らせることで、ゴブリンの肩口から致命傷に十分な一撃を見舞いつつ、そのまま剣を引き抜くことができた。
ワンキルだ。
一体を倒した気勢そのままに残りのゴブリンへと突っ込んでいく。ゴブリン達はギャアギャアと喚きながら、めいめい武器を引っ張り出す。ゴブリン達の戦闘態勢が整わないうちに、手近なもう一体を薙ぎ払ったことで残りは四体となった。
新しく出てくるゴブリンはいない。よし、これなら倒しきれる。
ようやく武器を構えたゴブリン達三体がこちらに向かってくる。彼らに身体を向けた瞬間、奥にいたもう一体の見張りから矢が飛んできた。矢を番えるところから全てハエで見ていたため、動じずに矢を躱しつつ、近くの三体のゴブリンに囲まれないように足を動かす。
手前のゴブリン二体が左右から同時に武器を振り回してくる。ゴブリンの攻撃を防ぎつつ、少しずつ立ち位置を後方へ下げていく。もう一体も、こちらへの攻撃の隙を窺っている。だが、それはよくない。
私に気を取られ、その他への警戒が薄れたゴブリンへ、後れてきたカールが槍の一撃を食らわせる。重い槍の一撃を防ぐことはできず、一体が倒れる。増援にひるみ、ゴブリン二体からの連携が途切れる。
もうこうなれば負けは無い。反撃に転じ、右の一体に一撃を浴びせる。
少し浅いものの、戦闘力を削ぐには十分。傷を与えたゴブリンの横を駆け抜け、二体はカールに任せて弓を構えた奥側の一体へと距離を縮める。やっと敗色を察したのか、弓を持ったゴブリンは身を翻して逃げ始めた。
タグゲームに付き合いたくはない。後ろのカールが二体のうち一体を葬るのをハエで見ながら、自分に身体強化魔法をかける。俊敏性が上昇すれば十分だ。
軽くなった身体で、逃げるゴブリンの背後へ一気に距離を詰めて剣を振り下ろすと、ゴブリンはあっけなく事切れた。同じタイミングでカールも残ったゴブリンを倒し終えたようだった。カールのほうへ首を回すと、カールも丁度こちらを見ていた。
「ハンターとしての最初の獲物はゴブリンか。旨味のない獲物だけど、二人とも怪我がなくて良かったよ」
「とても落ち着いていらっしゃるのですね。初陣とは思えません」
「ああ、ありがと」
実戦が初めてなのはあくまでこの肉体であり、緊張を感じるほうの精神は初陣ではないからな。だが、落ち着いてなど全くいない。私は今、とても満ち足りている。
前世でハントにここまでの充足を感じたことは無いように思う。もしかしたらこの身体は、前世の身体よりもハントが好きなのかもしれない。現世で生きてきて、一番満ち足りているような気がする。
「ゴブリンはアンデッド化しますから、死体はアンチアンデッド化処理をする必要があります」
「そうだね」
虫系の魔物や、植物系の魔物などの例外はあるが、基本的に人間も魔物も生あるものは、死ぬとアンデッドになると考えたほうがよい。人間が死んだ場合、教会の司祭に頼んで祝福という形でアンチアンデッド化の魔法、バニシュをかけてもらってから葬儀を行う。
魔物には一々そんなことはできないから、アンデッド化を防ぐために頭部を切り離すのがハンターの作法だ。ゴブリン達が持っていた武器を回収し、ナイフを使って死体を処理していく。
「収入にはならないけど、練習って意味合いでは良かったかもしれない。弓と矢も手に入ったし、上手く扱えば、鳥くらいは仕留められたりして」
そう言ってはみるものの、私は弓矢が得意な記憶はない。こうして手に持ってみても、まるで使うイメージが湧かない。前世を含めても弓を持つのは初めてかもしれない。
カールも的に当たったことがないと言っていた。試射程度ならともかく、本気で使う機会は無さそうだ。
ゴブリンを処理した後、小休止を取り、体力が回復してから森を歩き回る。ゴブリン以降は、小さい魔物を何匹か見つけて仕留めた程度で大物に遭遇することはなかった。何羽か鳥を見つけて矢を当てようとカールと交互に試してみても、矢は一本も当たらなかった。練習していないのだから、私達二人が放つ矢は獲物を掠めるどころか、明後日の方向にしか飛んでいかない。ハントというよりもこれではレジャーだ。
その日はそれで切り上げて、アーチボルクへの帰路へと就く。道すがら一日の内容を反省する。
最終成果も問題ながら、内容が良くない。私達は獲物を見つける能力があまり高くない。先頭を歩くカールには獲物を見つける能力が無く、獲物の全ては虫が見つけたものだった。人間の目ではロクに獲物を見つけられない、という意味では私も同じだった。
標的を見つけないことには、狩るも狩れないも無い。早めにカールと先頭をスイッチする必要がある。あまりすぐに交代するのも不自然だし、一週間くらいは様子を見るとしよう。
日暮れの少し前に都市内に到着し、骨肉店で獲物を売り捌く。金に変える前から分かってはいたが、その日手にした金銭はまさに二束三文、別口の警備員の日当代には到底足りないものであった。
翌日以降もハントを続ける。早朝、手配師が手頃な依頼を掲げていないのを確認してから森へと向かう。街道、人里から離れた深みへ進めば進むほど、獲物は豊富となった。強力な魔物の出現域は避けつつ探索範囲を広げていく。
先頭を歩かせるにはあまりにもカールが役に立たないため、初日の帰り道に決めた一週間を我慢しきれなくなり、ハント開始五日目に前後を交換した。
「カールの動きを見て、森の歩き方を学んだから試してみたい」
と、適当に理由をつけておいた。反面教師という意味では間違っていない。
カールを私の後ろにおくことで、私も索敵がしやすくなる。なにせ私には傀儡があるから、カールとは見えている距離も視野の広さも段違いだ。邪魔なカールが目の前にチラつかないことで、索敵も捗るというものだ。傀儡で索敵し終え、獲物も敵もいないと分かっている部分をチンタラ歩く必要はない。静かに走って通り過ぎればいい。
パーティーの移動速度は先頭で決まる。先頭が私に代わることでパーティーの移動速度が急激に上昇する。移動速度が上がれば、自然と探索範囲は飛躍的に広がり、獲物との遭遇頻度が増し、徐々に収入が増えていく。
ゴブリンに会う。ディアーが出る。またゴブリンに会う。ボアが出る。またまたゴブリンに会う。バジャが出る。
ゴブリンの出現頻度が高いのが煩わしいだけで、十分なほどに獲物と出会える。少し森深くに行くとタイニーベアにも会える。ベアのような大物は狩でがあり、スリリングな戦闘を楽しめた。街道まで獲物を運ぶのが大変でも、換金率はなかなかのものである。
上手くいく日ばかりではなく、大した獲物に巡り合えない日もままある。幸いなことに植生が豊かなため、空手の日には薬草やキノコを持ち帰ることでまずまずの収入を得ることができた。
カールの野草の知識はこれまたうろ覚え。鑑別能力だけでなく発見能力も低いことから、ほぼ私の指示で植物採取を行わせた。カールは、なぜ私が野草の見分け方を知っているのか聞いてきたが、「以前本で読んだような気がする」と流しておいた。前世でそういう本を読んだのかもしれないし、完全な嘘でもないだろう。
キノコは鑑別が非常に難しいため、明らかな毒以外は取り敢えず持ち帰り、有料で鑑定してもらった。鑑定費を差し引いても益になることが分かってからは、獲物が取れても取れなくとも帰りの道すがら拾っていくように心がけた。
半月も経たないうちに、カールの代替の警備員の日当分は稼げるようになり、一か月経つ頃には日当分を引いても十分な収入を得られるようになっていた。私は少しずつお金を貯め始めた。




