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「ゆきんこは、暇潰しにはなるかもね」
一応、ありました。でも、自然と目から水が溢れてくるのは何故でしょう?
「あはっ、あははは…」
雪太は、笑うしかなかった。
「ゆきんこ、楽しそうなところなんだけど、後ろ」
相変わらず夏丞はかき氷を食べている。
雪太は笑った顔のまま、後ろを見る。少し遠くに、白いモコモコした大きなものが居た。
「ガオーッ!!」
それが立ち上がり、威嚇してきた。
「ガオ?」
雪太はすぐにそれが何であるか判断がつかず、首を傾げる。
「白クマだね」
夏丞はかき氷を食べながら、その生き物を観察していた。
雪太の顔が蒼くなる。
「あ゛ーっ!!」
雪太は叫んだ後、一目散に逃げる。
「ガオーッ!!」
その後を白クマが追い掛ける。
第1ROUND開始!!
白クマは、かき氷を食べ続けている夏丞に見向きもしないで、雪太だけを追い掛ける。
「空っぽが喰われる」
「美味いんか?」
離れた所にいたメリ、クリも傍観していた。
「イヤーッ!誰か助けてーっ!!」
一時間後。
「…っチクショウ!はぁ、はぁ…あの白だるまめ!!」
「ゆきんこ♪」
「うっわあ!!」
氷の塊の後ろに隠れていると突然、いつの間にかに居た夏丞が後ろから声をかけて来た。
「コレを着るといいよ」
にっこりと差し出されたコレという物。
「コレ…」
「大丈夫、コイツはみんなのアイドルで人気者だろ?」
何処まで知ってんだこの人。情報を流したのはあいつか?
雪太が別の所に考えが及んでいると、知らずにコレという産物を手に持たされていた。
白クマは雪太がいなくなり、辺りをキョロキョロとうかがいながら、お探しの御様子。どうやら、しつこい御性格をお持ちのようで。
そこへ颯爽と現れる丸い影。
「ガオ?」
白クマは何だという顔で、それを見つめる。
「オレはみんなのアイドルで人気者のスノーマン!さぁ、オレと友達になろう!!」と、雪だるまの着ぐるみを着た雪太は、爽やかに言う。
「ボクと握手♪」
後●園にいる誰かのように、手を差し出す。
「………」
白クマは考えた。
コイツが何なのかを。
選択肢。
A 喰える
B 喰えない
数秒後に答えは出た!