表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
VRでジョブチェンジ!  作者: oga
第一章 鍛冶屋
8/63

刀の作り方

 「ゴボボ……!?」


 まずい!

水中で私は身動きが取れなくなった。

打ち付ける滝に抵抗できず、更に息ができない。

このままでは窒息死してしまう!


 「がはっ、はぁっ、はぁっ……」


 私はまたしてもグラスを外し、その場から難を逃れた。

気がついたら時刻は朝の5時を回っており、2時間

後には郵便局に向かわなければならない。


「しまった…… 今から少しでも寝ておこう」


 私は急いでベッドに入り、部屋の明かりを消した。





 翌朝は起きるのがかなりしんどく、今日からは時間を決めてゲームをしないとな、と思った。


 仕事が6時に終わり、私は行きつけの本屋に立ち寄った。

ここは自分の家の最寄り駅付近にあり、人が行き交うのがやっとのスペースしかない小さな店だが、私にとっては居心地がいい。

中に入ると、この本屋の店長がカウンターに座っていた。


「おっ、健ちゃん。 お疲れっ」


 ちなみに店長の秋ちゃん (本名は秋田)は、私の高校の時の同級生だ。


「お疲れ。 ちょっと秋ちゃんに聞きたいんだけどさ、鍛冶屋が主人公の小説とか、知らない?」


「鍛冶屋? 結構マニアックなとこ行きたがるねぇ。 時代ものの小説にならあったと思うけど…… あ、1つあった!」


 秋ちゃんは立ち上がり、意外なコーナーへと歩いて行った。


「これは確か鍛冶屋の話だよ。 健ちゃんは全く読まない類の本だと思うけど」


 その本は、俗に言うライトノベルと呼ばれるものだった。

元貴族ですが、鍛冶屋始めました。 と言う、何やら長いタイトルの本である。


「主人公は貴族なんだけど、戦に負けて別な国に亡命して、そこから鍛冶屋を始めるんだ。 文は普通の小説よりくだけてて、好き嫌いはあると思うけど、内容は面白いんだ」


 ……秋ちゃんの勧めなら、買うしかあるまい。

私はその本を購入し、家でゲームを始める前に少し読むことにした。





 小一時間経過し、鍛冶屋の仕事内容を多少なり把握することができた。

刀を打つには、たたら場と呼ばれる製鉄所で、炭と鉄の混ざった鉄を作る所から始める。

炭は木炭を粉末にした物で、鉄は砂鉄を用いる。

これらを投入後、しばらくしてからたたら場を崩すと、玉鋼と呼ばれる刀の元となる金属が中から現れる。

この金属の固い部分と柔らかい部分を選別する。

これは、刀の軸と刃で使う鉄が異なる為で、軸は割れにくい鉄、刃は割れやすい鉄を使う。


 私は小説を閉じ、グラスを手にした。


「後は、やってみれば分かるだろう」





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ