エンディング
魔女が病室を後にすると、私はギブスを外した。
基本的に、ケガはグラスをかけ直すと無かったことになる。
「さて、これらからどうしようか」
病室から出ようとした時、ガチャリ、と扉が開いた。
入ってきたのは、以前旅館で会った忍者だ。
「あなたは…… サトウさん?」
「お久しぶりです。 これ、つまらないものですが」
サトウさんはメロンをテーブルの上に置いた。
「それと、おめでとうございます。 無事、エンディングの条件を満たしました」
サトウさんは、このゲーム内で4つのメインクエストをクリアすることで、エンディングを迎えることができると説明した。
私がクリアしたクエストは、鍛冶仕事を経験する、魔女の侵攻を止める、アークコアを手にいれる、盗賊団に加入する、の4つだそうだ。
「まだゲームを続けたければ、エンディングをキャンセルすることも出来ますが、如何いたしますか? ちなみに、エンディング会場には、アオモリさんのゆかりのある仲間がお待ちしておりますが」
ゆかりのある仲間?
何となく想像はつくが……
「分かりました。 エンディング会場に向かいます」
エンディング会場は、街の広場だった。
簡易的なステージと、テーブルがいくつか用意されている。
「あ、アオモリ! こっちこっち! このテーブルが私たちの席みたいよ」
そこには、マリーさんとエリオットがいた。
「今日ノ主役ハ、オ前ダ」
まさか、こんな形でもう一度会えるとは。
くっ…… 目頭が熱くなってきた。
「さて、ではエンディングに入りたいと思います。 プログラム一番、人気キャラベスト3です」
3位、妖刀カマイタチ 8票
2位、セナ 12票
1位、エリオット 17票
なっ、私が入っていない……
エリオットは当然だな、といった顔でシャンパンを飲んでいる。
内心自分が1番だと思っていたマリーさんも、笑顔が引きつっていた。
「続きまして、フォックス少年のクラリネットによる演奏です。 曲名は、旅立ちの日に」
フォックス少年が舞台に立ち、一度お辞儀をする。
金のクラリネットを口に運び、演奏がスタートした。
いま、別れの時。
飛び立とう、未来信じて。
弾む若い力信じて。
このひろい、このひろい、大空に。
気付けば、周りには桜が咲いていた。
もう3月か……
別れのシーズンに、私もこのゲームを卒業しなければならないようだ。
私は、ゲームはつまらないものだと決めつけていた。
しかし、それは間違いだった。
ゲームにも、人生と同じように出会いと別れがあり、それは、私にとってかけがえのない経験となった。
「ゲームとは、いいものだな」
マリーさん、エリオット、またいつか、ゲームの中で会おう。
終わり
終わりました!
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