約束へ
「アー、カッタリ。 親デモナイノニ、ウッセ」
……な、なんだと!?
元に戻ってから早々、何という暴言だ!
だが、ここで喧嘩になれば、また同じことの繰り返しになる。
ここはぐっとこらえなければ……
「え、エリオット。 まあ、そういうな。 これからは仲良くやって行こう。 私たちは、親子なんだ」
私は精一杯の笑顔で語りかけた。
「親ハ、オ前ジャネー、マリーダ」
……!?
なっ……
何か言いたくても言葉がでない。
私はパクパクと口を動かす金魚のようになってしまった。
「マ、可哀想ダカラ、一回クライナラ乗セテヤルヨ」
乗せてやる、というのは、エリオットに乗って飛んでもいい、ということか。
しかし、少なくとも2回は乗らなければ目的は達成できない。
いや、そういう問題ではない。
「帰ルカラ、案内シロ」
「あ、ああ、そうだな。 一緒に帰ろう」
私は握り拳を作り、洞窟を後にした。
この後、別な冒険者チームにより、アークコアは回収された。
アークコアは常時強力なエネルギーを発している為、触っただけで蒸発してしまうらしい。
それで、あの老人はジェットパックと服だけ残し、溶けてなくなってしまったのだ。
私は、馬車に戻ってからも、ずっと放心状態だった。
エリオットとマリーが和やかに談笑している。
自然と、私の頬を涙が伝った。
「アオモリ、次はどうするのよ?」
「サッサト、方針決メローッ」
……私は所詮、ただの案内係でしかないようだ。
しかし、これから何をするかの舵取りは私に任されている。
それが唯一の救いだ。
「2人とも、よく聞いてくれ。 私にはこれからやるべきことが2つある。 それは、セナという少年と勝負をすること。 そして、南の孤島の魔女に会いに行くことだ」
セナとの勝負は、竜に乗ってどちらが早いかを競う、といったものを私は考えている。
そこで、この勝負と南の孤島に行くという目的を一緒にしてしまおう、と思った。
「今からセナの家に向かい、どちらが南の孤島に先に着けるかの勝負を申し込みに行く!」
「へぇー、何か面白そうじゃない。 私がエリオットに乗って、セナって子と戦えばいいのね!」
「仕方ネーナ」
ま、まてっ!




