再会
すると、突然老人はリュックから垂れ下がっていたひもを勢いよく引いた。
ブルン、と音がする。
「このリュックはジェットパックになっておる! お前も付いてこい!」
私は老人にしがみついた。
私たちの体は宙に浮き、緩やかに上昇していく。
穴の直径は5メートル程で、壁を気にしながら飛べばぶつかることはない。
老人の方も、手慣れた操作で噴出口をコントロールする。
ちなみに、操作はクレーンゲームにあるようなスティックで行っている。
「明かりだ!」
老人が叫んだと同時に、私たちは穴から飛び出した。
「……なっ!?」
眼前に映る光景に、思わずこう叫びそうになった。
ラ〇ュタは本当にあったのだ、と。
こけの生えた古ぼけた城に、美しい庭園、そして、それらを管理するロボットまでいる。
ロボットは平べったい円盤の型をしており、あまり格好よくはないが……
「地下空間にこんなものがあるとは、驚きですね! まさに遺跡だ」
「浮かれている場合ではない。 ベヒーモスがどこかでアークコアを守っておるはずじゃ」
ベヒーモスも気にしなければならないが、エリオットが心配だ。
もし会えたら、殴ってしまったことを謝ろう。
現在地は城の丁度裏手と思われ、私たちは正門に向かって歩き始めた。
角を曲がった所で、先頭を歩いていた老人が悲鳴を上げた。
「ぬわあーっ!」
その声に驚いたが、老人が見たものを見て更に驚いた。
全長10メートルはあろうかと思われる獣が、死んでいた。
しかも、半身の肉がえぐられており、骨だけとなっていた。
「な、何故死んでおる!?」
……私は、走った。
やはり、エリオットがそこにいた。
まさか、ベヒーモスを倒してしまうとは……
「エリオット、すまなかった! 私を許してくれっ」
「……」
突然、エリオットの体からメキメキと音がし、気づくと、巨大な竜が私の前に立ちはだかっていた。
「逃げろっ! ドラゴンは肉を食らうと獰猛になる! ベヒーモスの肉を食らった竜は手に終えんぞ!」
だから野菜を与えて育てろと言ったのか……
私は命の危険を感じ、城の中へと走り出した。




