アークコアへ
私は、エリオットの毒で倒れた所から散策を開始した。
このコンディションでどこまで進めるかは疑問だったが、体調が悪化すれば現実に戻って休息を取ればいい。
落とし穴もあると聞いていた私は、ライトで地面を照らしながら、慎重に歩いた。
斜面を壁伝いに歩き、しばらくすると広い空間に出た。
間接照明のような、オレンジの明かりが遠くから見える。
「……今日はよく人が来るな」
そこには、松明を片手に持ち、かなり重そうなリュックを背負った老人がいた。
「……あなたは?」
「ワシはずっとこの遺跡を調べている者じゃ。 アークコアを探し、ようやくその手がかりを見つけた」
アークコア……
確か、この遺跡に眠るお宝のハズだ。
老人は、松明で地面を照らした。
砂埃で多少見えにくいが、何かが描かれている。
老人は膝を着き、地面にふぅっ、と息を吹きかけた。
「……燭台ですか?」
「恐らく、これがアークコアじゃ」
……!
絵には、燭台の上に球体が乗せられており、老人曰く、この球体がアークコアとのことだ。
「これだけじゃない」
更にその周りの埃を払っていくと、絵の全容が明らかになった。
アークコアの周りを取り囲むように、獣の絵が描かれている。
獣は巨大で、角を生やしており、闘牛のようだ。
「アークコアを守る守護獣、ベヒーモスじゃ。 巻いた角、巨大な牙、モヒカン、特徴が一致する」
……名前からして獰猛なのが伝わってくる。
しかし、ここから先に進めるような道はない。
「そういえば先程、よく人が来るとおっしゃってましたね」
「うむ。 顔は逆光でよく見えなかったが、ヘッドライトをはめた子供が来た。 だが、いつの間にかいなくなっていた。 腹減った、とずっと喚いていたが……」
エリオットだ……!
となると、ここまで来て引き返したのだろうか?
いや、それならどこかですれ違っている。
先に進める道を探し、ヘッドライトで周りを見渡すと、洞窟の片隅にあるものが生えていた。
キノコだ。
「……まさかな」
ゲーム的な発想だが、このキノコを食べたら下に降りる階段が見える、などというのはどうだろうか?
私は、それを手に取り、恐る恐る口へと運んだ。
「よせっ! それは毒キノコだぞっ!」
「……うぐっ!?」
私の意識は闇に紛れた。
次に気づいた時は、仰向けに倒れていた。
「でかしたぞ! アークコアへの道だ!」
遠くで老人が何か言っている。
アークコアへの道……
視界がはっきりすると、私はその意味を理解した。
倒れたことで天井をライトで照らした。
なんと、その天井面に上に続く穴が開いていたのだ。
「アークコアという名前に騙されていた。 てっきり地球の中心部にそれがあると思い込んでいたが、この空間の上に隠されていたのだ! アークコアは近いぞ!」
……しかし、どうやって登ればいい?




