傷心
私は朦朧とした意識の中で、どうにかグラスを外し、現実に帰還した。
「はあっ…… はあっ……」
ようやく息苦しさから逃れることができた。
私はグラスを手に取り、ゲームに戻ろうとしたが、そこで一瞬躊躇した。
「……今戻っても、まだガスが蔓延している」
しばらく間を開けなければ、またガスを吸い込むことになる。
だが、それ以前に精神的なショックも大きかった。
「何故なんだ、エリオット……」
翌日、いつもならゲームをやるためにすぐ帰るのだが、今日は帰り道に居酒屋に寄った。
注文しなくても、勝手に出てくる焼き鳥屋 (ねぎまオンリー)で、一人で来るならここだ。
「あれ、健ちゃん、久しぶり!」
店のカウンターに座ると、店長の盛岡が声をかけてきた。
ちなみに、中学の同級だ。
「ああ、飲まなきゃやってらんなくてさ。 生一つ」
グラスを煽りながら、ねぎまを頬張る。
「やっぱ、うまいな。 何で今まで来てなかったのか不思議だ」
「半年ぶりくらいだよね。 最近見ないなーとは思ってたんだよ。 何かあったの?」
私は、先日あったことを話した。
息子のためを思って拳骨を落としたのだが、それが原因で恨まれてしまったこと。
「子育ては難しいよ。 こっちの気持は伝わらない。 愛情があれば大丈夫だって思ってたのにな」
私はいつの間にか目に涙を溜めていた。
「……健ちゃん、子育てが100パーセント上手くいってる親なんて、いないんじゃないかな? それに、今時拳骨はなぁ」
しかし、私は殺されかけたんだぞ!
いや、ゲームで無ければ死んでいた。
「ぐっ…… でもな、こんな仕打ちを受けるなんて…… ぐっ……」
私はとうとうむせび泣き、何を言っても言葉が喉でつかえてしまった。
「健ちゃん、ある年を過ぎたら、子供はもう親のいいなりにはならないんだよ。 あとは黙って学費を払うのが、親の役目なんじゃない?」
……エリオットは、まだ生まれて間もなかったのだ。
確かに、竜の子と人の子は違うかも知れないが……
私は結局、11時まで酒を飲んで帰宅した。
その日はゲームをする気にはならず、翌日、やはり放っておく訳にはいかないと、ゲームをスタートさせた。
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