エリオット
マズい……
この展開はゲンゾウにやられた時に似ている。
何か話しかけて引き止めねば、と思ったが、私の脳内には何故か鬼太郎しか浮かんでこない。
その時、マリーさんが相手に向かって叫んだ。
「私は資産家の娘よ! 私を殺すってことは、宝くじの当選チケットを破り捨てるのと同じよ!」
……そうか!
マリーさんにはその存在自体に価値があるのだ。
「……俺には1000万の借金がある。 その額を払えるってのかよ?」
「い、いっせん…… と、当然じゃない! ここから出してくれたら払ってあげるわよ」
額の大きさに少したじろいたようにも見えたが。
とにかく、上手くいったようだ。
「そうと決まればこんな所に用はねぇ。 とっととカードを手に入れて地上に戻るぞ」
このフロアにいる誰かがカードを持っているのは間違いないのか?
「なぜ、誰かがカードを持っていると断定できるのですか?」
「誰かがカードを持ってなきゃ、どこにカードがあるんだよ!?」
……確証は無かったわけか。
しかし、この状況が不自然なことに変わりはない。
まず、内側から鍵をかける意味はない。
つまり、何らかの理由があって、そのような制御を送っているのだ。
管理室のようなものがあり、そこに黒幕がいるに違いない。
「……しかし、理由が分からん」
私が頭を悩ませていると、マリーさんが話しかけてきた。
「何悩んでんのよ」
私は今考えていたことを説明した。
そして、監視カメラか、このフロア内にスパイがいる可能性があることを伝えた。
「関心なのは目的だ。 それが分かれば交渉できるのだが」
「面倒クセーナッ!」
エリオットが突然、そんなことを言った。
「ミンナ、集メロ」
皆を集める?
一体、何をする気だ……
私はこのフロアにいる計5人を集めた。
「何だよ、ここから出る方法が分かったのかよ?」
私はエリオットの方を見た。
すると、ニヤリ、と一瞬口角を上げたように見えた。
エリオットは、紫色の煙のようなものを吐き出し、先ほどの男がそれを吸い込むと、泡を吹いて倒れた。
「なっ……」




