キツネ一族の末路
私は、温室に向かいながら、何故居場所がバレたのかを考えた。
そして、ある答えに辿り着いた。
先日忍び込んできたキツネが生きて帰り、フォックス少年の持つ角笛を使って、ドラゴンに居場所を伝えたのではないか?
「……それなら、説明がつく」
とにかく、一刻も早く卵を隠さなければ……
私は温室に到着すると、卵を横にして転がすべく、手に力を加えた。
その瞬間、ガラスが砕ける音がした。
パラパラと破片が落ち、ドラゴンの体が温室内に入ってきた。
そして、それに同行する者がこう言った。
「こちらに卵があります」
それは、屋敷の主だった。
被害を最小限に留めるために、卵を差し出すつもりだ。
ドラゴンが私を見つけた。
「ソノ卵ヲ、ドウスルツモリダッ!」
物凄い叫び声に鼓膜が震え、私は、このままでは間違いなく殺される、という恐怖に怯えた。
そして、思わず口走ってしまった。
「こ、これは、キツネがやったのです! 卵に矢を打ち込み、殺そうとした! その時の矢が残っています。 キツネの所有しているものと同じだ!」
「……ケガ、ダト?」
「我々は雛を保護していたんだ! もし無事に孵れば、あなたにお返しすると約束する!」
しばらく沈黙していたが、それが本当なら、キツネに報復しなければならない、と言った。
「キツネメ……」
ドラゴンは羽ばたき、上空へと消えた。
翌日の新聞を見て、私は驚愕した。
「き、キツネの一族が根絶やしだと……」
ドラゴンの報復を受け、壊滅的被害を受けたとのことだ。
私は、フォックス少年のことを思い出した。
最後に見たのは、金のクラリネットを手にし、喜ぶ姿の少年だ。
「ゆ、許してくれ……」
更に、新聞にはこう書かれていた。
今後、ドラゴンを所有しているものは罪に問われる、と。
この件でドラゴンの恐ろしさが分かり、国が規制をかけたのだろう。
「もしマリーさんが決闘に負けたら、必然的に外部にドラゴンのことがバレる」
となれば、決闘に負けるわけにはいかないが、勝てる見込みは薄いという話だ。
卵を屋敷から持ち出し、どこかに隠すべきだろうか?
「……やむを得えん」
私は、あることを決断した。
それは、卵をセナに預ける、ということだ。
「しかし、セナは無事なのだろうか?」




