卵の管理
温室と呼ばれるガラス張りの建物の前までやって来ると、問題が発生した。
「困りましたね、この卵は大きすぎて扉をくぐれない」
私は、後ろを向いて扉のサイズを確認した。
高さはクリアしているが、横幅でつっかえてしまう。
「扉を工事して卵の入るサイズに変えてもらうしかありません。 一旦、召使の宿舎に向かいましょう」
私たちは方向転換し、屋敷の隣にある宿舎の方へと向かった。
宿舎の入り口は二枚扉で、ギリギリ中へと持ち運べた。
3人でゆっくり卵を下ろし、私が支えていると、じいやと召使は部屋からベッドを持ってきた。
そこに卵を寝かし、しばらくはここに置くこととなった。
「当分、この部屋の者には地べたで寝てもらうことになりますが、辛抱してもらうしかありませんね。 あと、今日からあなたもこちらで寝泊まりしていただくことになります。 確か、505号室が空いていたかと」
「ありがとうございます。 街に戻りたい時はどうすればいいでしょうか?」
じいやは、毎日買い出し係が馬車で街に向かうから、それに同行するように、と説明してくれた。
この後、私に卵の管理をするよう指示を出し、温室の扉を工事するため、大工を呼びに屋敷へと向かっていった。
「さて…… この卵、どうしたものか」
このまま放置していても卵は孵るのだろうか?
私は一旦グラスを外し、自室のネットで調べることにした。
「……ドラゴンという生き物は現実には存在しない。 それに近い生き物と言えば、鳥か爬虫類か」
私がこの目で見たドラゴンは、どちらかと言えば爬虫類に近かったように記憶している。
調べていくうちに、鳥類と爬虫類で卵の管理が変わってくることが分かった。
鳥類の場合、恒温動物のため、自分の体温を利用して卵を温める。
逆に爬虫類の場合、自分で体温を保てないため、地中に埋めたり、日光に当てたりして卵を温めるようだ。
「……共通している点は、卵を適切な温度に保つ、ということだ。 これが分かれば、卵は孵る」
やはり、一度街に向かいセナに話を聞くのがいい、という結論に達した。
現在時刻は夜の11時だ。
今日はこのまま寝て、明日早朝からゲームを起動すればいい。
明日は土曜だ。
一日ゲームにのめり込むことができる。




