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VRでジョブチェンジ!  作者: oga
第二章 メッセンジャー
24/63

屋敷へ

 彼女の名前はマリーと言うらしい。


「じいや達は先帰ってて! 私は走って屋敷まで行くから」


「かしこまりました、マリーお嬢様」


 ちなみに、このじいや、と呼ばれた年輩の男性は、この家に代々仕えている執事であり、召使いを取り仕切る者とのことだ。

 私は馬車に乗せられ、彼女の住まう屋敷へと向かった。


「初めまして、アオモリと申します」


「じいやです。 あなたの役割はドラゴンの飼育です。 必要な物があれば、他の召使いに用事させますので、お申し付け下さい」


 当然だが、ドラゴンの飼育などやったことがない。

後で街に戻り、ドラゴンを育てたというセナに話を聞くのが良さそうだ。

卵が(かえ)るまで時間はあるだろう。


「……それより、なぜマリーさんは走って帰るんでしょうか?」


「複雑な事情がございます」


 執事の話では、マリーさんには許嫁(いいなずけ)がいて、その相手と結婚をしなければならないらしい。

相手は有力な貴族なのだが、マリーさんの方が嫌がっている。

そこで、顔合わせの時に決闘を申し込んだのだそうだ。


「男たる者、決闘を申し込まれたら受けて立つべし。 このような家訓があり、マリーお嬢様はそれを利用したのです」


 なるほど。

だから鍛えている、という訳だ。


「では、ドラゴンを買った理由は……?」


「……その点に関しては、お答えできません」


 私は、もし決闘に負けた場合、どさくさに紛れて相手を消し炭にするつもりでは? などという笑えない冗談を思い付いたが、そこまで外道では無いだろう。

 1時間程馬車に揺られ、ようやく屋敷に到着した。


「では、ドラゴンの卵を荷から降ろしましょう」


 執事は召使いを呼びつけ、3人で落とさないよう、慎重に移動させた。

卵のサイズは私の身長ほどもあり、中々重い。


「このままどこへ?」


「一旦温室に移動します。 このまま真っ直ぐです」

 





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