オークションスタート
オークション会場には様々な人が集まっており、あのキツネの少年もいた。
「あ、おっちゃん!」
私に気づき、やって来た。
その後ろに立っているのが、恐らく父親だろう。
スーツを着込み、金の毛並みがとても凛々しい。
「息子が世話になりましたね。 今日はお互い楽しみましょう」
「はい」
私は空いていた12列のDという席に座った。
しばらく待っていると、舞台の上に主催者と思われる人間がやって来て挨拶を始めた。
「古今東西、あらゆる珍品を集めました。 皆様、奮ってご参加下さい! では、一品目は、空飛ぶ船の設計図です! 1万マネーからスタート!」
空飛ぶ船の設計図は、150万マネーで落札された。
続いて、金のクラリネットをキツネの親子が300万マネーで落札。
魔封じの指輪をパズル伯爵が500万マネーで落札した。
「さぁ、今回の目玉、ドラゴンの卵! 1万マネーから!」
私は2375マネーしか持ち合わせていない為、参加することが出来ない。
どんどん値がつり上がり、とうとう1000万マネーの値がついた。
カン! と小槌が鳴らされ、1000万マネーでとある令嬢に卵を落札された。
「これにて今日のオークションは終了! また会いましょう!」
結局、卵は手に入れることが出来なかった。
しかし、このまま諦めるわけにはいかない。
譲ってもらえる訳が無いことは百も承知だが、私は落札した令嬢に会いに行くことにした。
落札したアイテムを包装する時間があるため、みな控え室で待機している。
私はその控え室にやって来て、ドラゴンの卵を落札した令嬢に近づいた。
「あの、ドラゴンの卵を落札された方ですよね?」
声をかけた瞬間、私は羽交い締めにされた。
「ぐあっ」
「この無礼者がっ!」
黒いスーツを着た男で、恐らくボディーガードだ。
「せ、せめて事情だけでも……」
「手を離しなさい。 私に何か?」
「実は……」
その時、私はあることを閃いた。
卵を譲ってもらえないのならば、屋敷に潜入して、ドラゴンの飼育係になってしまえばいいのでは無いか?
「私、昔動物園で働いておりまして、今回のドラゴンの飼育を担当したいと思い、あなたに声をかけたのです」
金髪を肩まで揺らした彼女は、飼育か、考えて無かったわね、と小声でつぶやき、こう言った。
「あなた、意外と品のある顔をしてるわね。
それなら、私のとこで働きなさいよ」
こうして、私は召使いとして、彼女の屋敷で働くことになった。
アイテムを一部変更しました




