新たな仕事
「私、ゲーム会社のサトウと申します」
「……アオモリです」
サトウさんは、畳の上に正座をし、深々と頭を下げた。
「すいませんでした! 我々がAIを管理しきれなかった為に、アオモリさんを危険な目に合わせてしまいました」
……私はまだ事情が飲み込めず、先に説明するよう促した。
話によると、今回のなぶり殺しのトムや、妖刀カマイタチは、ゲーム内で搭載されているAIが運営の手を離れて勝手に作り出したものらしい。
最悪なのは、トムがカマイタチを手にして、プレイヤーに襲いかかろうと画策していた点だ。
「妖刀も、魔法も、ゲーム内で受けていいダメージ量をオーバーしているのです」
……なるほど。
首の傷はそれで説明がつくようだ。
ゲーム内の攻撃が現実に現れるなど、にわかには信じがたいが……
そうなると、私は死にかけていた、ということになる。
「ゲームの中で謝罪をされても、許す気にはなりませんね」
「すっ、すんませんっ! マジで、さーせんしたっ」
サトウさんは、私より若いのだろうか?
……過ちは誰にでもある、か。
「……過ぎたことですから、今後気をつけて下さい」
「……あの、言いにくいんですが」
私の耳は聞き逃していなかった。
確かに彼は魔法、と言った。
「南の孤島の魔女に…… 会ってきてもらえませんか?」
サトウさんは、頭に手をやり、てへへとはにかんだ。
仕方ないな……
私は、話だけでも聞くことにした。
南の孤島には魔女がいて、いつこちらの大陸に進行してくるか分からない状況らしい。
そこで、メッセンジャーを派遣し、戦争にならぬよう話をつけてきて欲しい、とのことだ。
「アオモリさんのような大人が最適かと。 孤島にはドラゴンに乗って行かなければならないのですが、野生のドラゴンを飼い慣らす必要があります」
サトウさんは、何やら三角形の見慣れないものを渡してきた。
「竜の角笛です。 これで、飛んでるドラゴンを呼び寄せることができます。 じゃっ」
忍者はそういうと、走り去って扉から出て行った。




