表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
VRでジョブチェンジ!  作者: oga
第一章 鍛冶屋
2/63

ゲームスタート

 ここはどこだ?

男の声が遠くから聞こえ、何やらガタガタ揺れている。


「起きて下さい。 そろそろ到着します」


 ……どうやら、ゲームがスタートしたようだ。

今、私は馬車の中にいるらしい。

声をかけてきたのは、手綱を引く若い男だ。


「そろそろ街に到着します。 別れる前に、お名前を聞かせてもらってもよろしいですか?」


 名前か。

咄嗟に思い付かなかった私は、本名をそのまま伝えた。


「アオモリ様、ではこれを受け取って下さい」


 手渡されたのは、財布であった。

中身を確認すると、紙幣が2枚入っていた。

この資金で、普通は武器や防具を揃えるのだろうが、ここでは一体何に使うのだろう。


 大通りの脇に下ろされ、馬車が走りさって行く。


「ゲームもここまで進化したか……」


 私は息を呑んだ。

道沿いには、所狭しと市場が並び、その奧の都市部には建物が乱立している。

しかも、上を見上げれば、竜が空を飛んでいるではないか。

テレビの画面を見ながらゲームをプレイするのとは訳が違う。

まるで、本当にゲームの中にいると錯覚してしまう。


 私は、まず最初に興味をひいた鍛冶屋で働こうと思い、道を尋ねた。

声をかけたのは、道端に座り込んでいた露天商だ。


「すいません、鍛冶屋はどの辺りにありますか?」


「鍛冶屋? 知りたければ何か買っていきな」


 ……なるほど。

情報もタダではないということか。

私は適当な腕時計を指先し、これが欲しい、と言った。


「1000マネーだよ」


 マネーとは、どうやらこのゲームの通貨の単位らしい。

財布から紙幣を一枚取り出し、これでいいか? と手渡した。


「鍛冶屋は工業地区にある。 ここから東に歩いて行けば、たどり着けるだろう」


 ……東?

一概に東と言われても、方角が分からない。


「東というと、どちらに向かえばいいのでしょうか?」


「知りたいなら、何か買っていきな」


 ……くっ。 



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ