エドワード工房
私は仕方なくムサシ工房を後にした。
それでも、本まで読んでしまった手前、諦めたくはない。
刀打ちを体験できるのなら、別に高品質な刀でなくてもいい。
私はアームズショップに引き返し、再度別な刀を見に行くことにした。
アームズショップに入って、壁に掛かっているプレートソードを手に取る。
これも素人目からしたら、ムサシの打った刀とさほど変わらない気がする。
店員にこの刀を作っている工房を教えてもらい、もう一度工業地区へと向かった。
「エドワード工房6ー2…… この辺りのようだが」
私の目の前に現れたのは、ムサシ工房と同じ、トタンの建物だ。
表札に6ー2と書かれているので間違いないだろう。
扉をノックしても応答が無いため、窓から中をのぞき込んだ。
中では何やら作業着を来た男? が、電動工具を使って、火花を散らしながら刀を削っている所だった。
作業が一旦止まったタイミングで、私は窓を叩いて相手に知らせた。
「すいません!」
すると、私に気づいた相手はこちらに向かって来た。
「何かようか? 鍵は開いてるから中に入れよ」
扉を開け、中に入ると、刀を打つための機械類が目に付いた。
ムサシ工房とはうって変わって、こちらは生産性を重視しているようで、少なくとも刀を打つ前に滝に打たれる必要はなさそうだ。
「私、アオモリと申します。 こちらで刀打ちを体験したいと思い、伺いました」
「どうも、エドワードだ」
鉄のマスクを外すと、白人の男が目の前に現れた。
「刀打ちを体験したいだって? いいけど、5000マネーだぜ?」
……しまった。
体験では金がかかるのか。
「まあ、この工具類を勝手に使う分には構わないけどな。 材料費を取るってだけだ。 例えばこの真鍮とかな」
エドワードが円柱の棒を手に取って見せた。
「売り物にならないクオリティの刀のために、それらを提供するわけにはいかないだろう?」
材料もお金か。
自分で材料を調達してくるか、その鉄を購入すれば良いわけだ。
「……分かりました。 また改めて伺います」
真鍮は銅です




