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1.

僕の大好きな家族は、兄貴のれん

そして、妹の叶音かなのだ。


兄貴は厳しいときもあるけど、凄く優しい。

家の近くの中央病院で医者として働いていて、一応僕の主治医だ。今年で27になるらしい。


叶音はとにかく可愛くて、我が家のアイドルだ。

まだ小3で、僕は彼女にぞっこんだ。


僕?僕は中3の悠斗ゆうと。一応受験生…

でも、僕は心臓に病気があって…この前倒れてから、ずっと入院生活だ。


「悠くん、おはよー調子はどう?」兄貴はにこやかな笑顔で病室に入ってきた。

「別に、普通だけど…」

「体温測った?何度?」そう聞かれて、僕は測っていた体温計を兄貴に見せた。

「37,4か、熱あるな…きついだろ?」

「別に…何ともない」

「悠くん、本当のこといいな。兄貴なんも言わないからさ…」兄貴はそう言って僕の頭をなでた。

「怠い…ってか気持ち悪い」僕がちゃんと伝えると、兄貴は

「戻しそう?」そう聞いてきた。

「ううん。でも眠い…」そう言って僕は兄貴と反対側を向いた。

「分かった…おやすみ。もし具合悪くなったらちゃんと言えよ」兄貴はそう言いながら病室を出て行った。


起きて時計を見ると、もう4時になっていた。

(もうすぐ叶が帰ってくるな…)

そう思っていると、病室のドアが開いた。

「にぃに、ただいま~」

「叶、おかえり。あれ?今日友達と遊ぶんじゃ無かった?」

「遊べなくなっちゃったの。だからにぃに遊ぼ!!」

僕は体調も良くなっていたから、いいよ。と伝えて、中庭に向かった。


「にぃに、早く早く~」叶はそう言って、僕の手を取りながら走り出した。

(やばい…走ったら)

「叶!!ちょっと待って…」僕がそう言うと、叶は不思議そうな顔でこっちを向いた。

「ごめんな、にぃに走ったら辛くなるからさ…ゆっくり行こうか」

「うん!分かった」叶は素直に聞いてくれて、本当に助かった。


「あっ蓮くん!」叶が行った先には、兄貴がいた。

「叶ちゃん、おかえり」そう言って叶の頭をなでたあと、僕に

「悠くん、体調大丈夫なの?」そう言った。

僕は結構動いて、きつくなっていたから、

「ちょっときつい…」そう言って兄貴にもたれかかった。

「悠くん大丈夫か?叶ちゃんにはそれとなく伝えといてやるから、病室戻れ」そう言われて、僕は病室に向かった。


向かっている途中、嫌な汗が背中を伝った。

(やばい…発作おこる)そう思ったときには遅く、胸が締めつけられるような痛みが僕を襲って、苦しくなった。

僕は薬を口に放り込んで、手すりに掴まって耐えていた。


「大丈夫ですか?病室は?」看護師さんかな?僕に声をかけてきた。

いつもなら薬を飲んで2,3分で楽になるのに、なかなか楽にならず、僕はあまりの辛さに意識を飛ばした…

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