エピローグ
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世界が終わる。
これはそれを目の前にした、とある世界の話。
その世界で息をしていた、小さな青年の最後の日記。
“世界が終わる”
それは決して不幸ではない。
世界が終われば、僕らも死ぬのでしょう?
僕は嫌だよ、死ぬの怖いもん。だから、“世界が終わる”のは幸せではないんだ。
だけど、それでも。
世界が終わらなかったら見えないものがある。
当たり前になっていた、身体一つじゃ足りないくらいの幸せ。普通じゃ伝わらない大好き。
――例えば、死んでも切れない絆とか。
誰かのために、心から涙すること。誰かのために心から笑うこと。
全部全部、僕は教えてもらった。
紛れもなく、壊れゆく世界で僕らは確かに――。
僕らは死ぬのではない。ただちょっとそれを見に行くだけ。
だから、笑顔で……『またね』。
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「おはよう、陽乃。早くしないと学校遅れちゃうよ?」
「おはよー! ダイジョーブ、ボクなら間に合うよっ!!」
「陽乃の謎の自信はどこから出てくんの? 毎回遅刻してるくせに、ちょっと羨ましいよ」
「祐奈急いで、遅れるよ」
「……希姉ちゃん送ってって」
「しょうがないなあ」
「こら、希は妹に甘すぎ! ……アタシが送ってく」
「俊花の方がベッタベタじゃん! 二人とも甘やかしすぎ!! たまには猛ダッシュで学校走りなさい」
「うえー、想ねーちゃん厳しー」
二人は私に文句を言いながらパタパタと慌ただしく家を出て行った。……うん、この時間なら頑張れば遅刻しないね。
私は夏の綺麗な青空を見上げた。
私達は巷で有名は、とても仲の良い五人姉妹だ。




