はじまりの章
経験が少ないので、読んでいただけたなら、感想と意見をお願いします。ぜひ、読んでください。よろしくお願いします。
いつもの帰り道、いつもの交差点。
いつもの変わらない日常が目に染みる。
いつも、同じことばかり考えるのだ。
なんで、俺はあんなことをしてしまったのか。
自分でもわからない。
思い出すのは、いつも決まって見る、悪夢ばかり。
「父さん、なんで能力者になんかしたの?ねえ、どうして?」半泣きしながらに聞いた。
「それはな、能力者はすごく稀なんだ。人には成し得ないことも能力者なら。そう、能力者はすごいんだ。きっと、色々なところでも必要とされる。」
しかし、父さんの言うようにうまくは、いかなかった。
能力者は国に管理され、実験を繰り返された。なんとか、逃げて外に出ても迫害をされた。
能力者になる前の自分。。
もう、あの頃には戻れない。
それからは、自分の能力「タイムスリップ」を人のために使ってきた。だから、現に宅配業を営んでいる。過去でも、未来でも。が売り言葉だ。
事務所は三階建ての古いオフィスビル。
重い腰をおこして、外に出た。
日は黄金色に輝いていた。
もう夕方か。そして、瞬く間に、夜の人並みに紛れていった。
新幹線のホームは、テロリストによる爆破予告で、人だかりができていた。
俺は、それを横目に、関係者以外立ち入り禁止区域に入って行く。線路に向かったのだ。
そして、線路に紙袋の中身を置く。
そろそろ、警備員の巡回が来る。
タイマーをセットした。
しっかり、10分にセットされている。
「よし、完璧だ。ゲームを始めようか。」
三人組の警備員が左手から来た。
それをよこ目に元来た道を戻って行く。
後ろから、警備員が爆弾を見つけて、慌てふためく声が聞こえた。あと4分も経てば、人でいっぱいになるだろう。
それを狙っていた。時計に目を向けた。
「もう、そろそろだな。」
その時、警官が複数、目の前に現れた。
それを見て、ボタンを押した。その瞬間、真下で轟音が聞こえた。爆弾をあらかじめ、別の場所に仕掛けてたのだ。
その瞬間、地面が崩れた。その下には、大きな水路が流れていた。男は水路にダイブした。
警官達は、なんとか、落ちなかったようだった。
水路の流れにのって、泳いだ結果、マンホールの下までたどり着いた。
マンホールの蓋を開けて、外に出ると、目の前には警察署があった。計画通りだ。横の道路をパトカーと消防車が凄い勢いで通り過ぎて行く。
男は、そのまま、警察署に向かって歩いた。中は手薄だった。
カウンターで署長に荷物を渡したいって言ったら、電話で確認してきますって一言残して事務員は部屋に入っていた。
その隙に廊下を駆け抜けた。
署の中の構造は、あらかじめ渡されていたデータで分かっていた。
だから、署長の部屋前まで、難なくつくことができた。
ノックを3回した。最低限の礼儀として。
「どうぞ、入りたまえ。」と声が聞こえた。
扉を開けた。豪華な内装をした一室だった。
一人の男がその中央の大机に偉そうに腰を掛けていた。
男は、年齢30~40ぐらいの若い男だった。
男は、一瞥すると、「何の用かね。」と言った。
「お届けものだ。差出人は未来のお前だ。」
「君は冗談を言うために来たのかね。」
「ふっ、冗談じゃない。受け取ってもらうぞ。中身は自分で確認してくれ。そう言われている。」
「なんだね、君は!一体、誰だね!」
「ただの配達要員だ。しっかり、届けたからな。」と言って部屋から出た。
たばこを一本、くわえた。
「もう、勘弁してくれ。。」
後日、ニュースで取り上げられていた。
あの直後、署長は爆発に巻き込まれて死んだそうだ。
その日、事務所の屋上で休憩していると山崎栞が話しかけてきた。
「先輩、またですか。」
「何がだ。」
「また、先輩のところ、死人がでたそうじゃないですか。」
「まあな。あいつは、未来、冤罪で捕まって、無期懲役刑が下っていた。それなら、いっそ、その前に死にたかったんだ。罪を背負って死ぬ、罪を背負う前に死ぬのどちらか選べ言われたら、先に死ぬのが妥当だろうよ。」
「うーん、先輩は。」
「なんだ?」
「なんでもないですよ。」
「それより、また先輩に依頼が来てます。」
「そうか、すぐ行くから。タバコ、一本吸わせてくれ。」
「じゃあ、たばこ吸ったらすぐに来てください。私は事務所に戻りますので。」
「わかったよ。ありがとうな。」
山崎が階段を軽快に降りていく音が聞こえた。
「ふぅ、もう朝か。」
そう言って、朝焼けを改めて見た。
タバコに火をつけ、手すりに寄りかかった。
その時、ひときわ、強い風が吹いた。
タバコの灰が地面に落ちた。
事務所に戻ったのは5分後だった。
「先輩、遅すぎる。。。」
皆さまの意見、思いつきにより内容が改変するかもしれません。よろしくお願いします。