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大江戸? 転生録 ~ファンタジー世界に生まれ変わったと思ったら、大名の子供!? え? 話が違わない? と思ったらやっぱりファンタジーだったで御座候~  作者: 鳳飛鳥
志七郎、南へ の巻

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千二百十 志七郎、父性を抱き性倒錯を思う事

 スペルボウルを観戦した事で、お連が風属性の精霊魔法で魔力が低い自分でも活用出来る補助や妨害と言った類の魔法に興味を示したのは、良い結果を生んだと言って間違い無いだろう。


 彼女を南方への旅路へと連れ出す前の時点で、集団で受けなければ成らない基礎授業は履修済みでは有ったが、半年近い期間旅をして冒険をして来た俺達と、此方に残って精霊魔法の研鑽を積んで来た者達との間に技量の差が出て居るのは当然と言えば当然の事で有る。


 俺が瞬間移動の魔法をお花さんから指導を受けている間は、彼女も学会(アカデミー)で精霊魔法を学んで居る訳だが、魔力が低い為に大成しないと解っている物を学べと言ってもやる気(モチベーション)は湧かないのも事実だろう。


 けれどもスペルボウルで見た必ずしも高い魔力を必要としない、基礎(レベル)で有りながら高度な使い方をされた魔法の数々は、彼女にも『自分でも頑張れば出来そう』と思わせるには十分な物だったのだ。


「将来の事はある程度決められて居るのは、俺達の様な生まれの者なら仕方無いにせよ、お連には色々な物を学んで様々な価値観に触れて欲しいんですよね」


 と、ついそんな言葉が瞬間移動の魔法を学ぶ際に取られた休憩中の雑談で思わず口を突いて出た。


「……まぁ貴方は中の人が居るから年相応の精神性じゃ無いのは当然だけれども、其れでも年頃の男が婚約者(フィアンセ)に対する物の見方では無くて、何方かと言えば父親や兄貴の目線で見てるわよねぇ」


 俺の身体に起った変化に付いては此方での保護者と言う事も有って、ある程度はお花さんにも報告はして居る……とは言っても流石に毎晩個人(ソロ)活動が必要な程元気過ぎると言う所までは話て居ないが。


 俺の息子さんが元気を取り戻した事を報告した時に聞いたのだが、彼女はしっかりと竹光とお忠が此処では話せない年齢制限付きの行為に及んで居た事を把握して居た様で、帰って来るのがもう少し遅ければ『物理的に』雷を落とす積りだったと言う。


 なので多分、俺が毎晩一人で便所に篭って何をして居るのかを把握していても不思議は無い……が、だからと言って態々自分からソレを吹聴するのは恥が過ぎると言う物だ。


 幾ら数百年を生きて居る森人(エルフ)で、場合に依っては何時曾孫が産まれても不思議の無い方とは言え、外見年齢は十代の少女のソレで有り人間の年齢に換算しても未だ三十代半ば位で相手さえ居れば子供を作る事も不可能では無いのである。


 彼女自身は今は亡き夫に操を立てた身で、彼と死別してからは他の男性と懇ろな関係に成る様な事は無かったらしいが、夜想曲の名を冠するネット小説サイトなんかでは、そうした女性と幼い少年が……なんて物語は割と良く有った筈だ。


 無論、創作(フィクション)現実(リアル)を混同する様な馬鹿な真似をする気は無いが、大学時代の同窓生に所謂『熟女』と呼ばれる様な年齢の女性を特に好み不倫にも近い関係を持っていた奴が居たので『絶対に無いと言う事こそ有り得ない』とも思うのだ。


 ちなみに何故不倫では無くソレに『近い』関係かと言うと、相手女性の条件が『既に子供が出来ない年齢』と言う、常識的に考えてソレは本当にどうなんだろう? と言いたく成る様な相手としか関係を持って居なかったからである。


 大体の場合其処まで年齢が行っていれば、旦那さんの方も終わっているか、元気だとしても別の相手が居るとか『今更ババア相手に勃たねぇよ』と言う感じで、行為自体が無くなっている居るのが普通で、バレても大きな問題に成る事は無いのだそうだ。


 正直な所、そう言う行為と言うのは突き詰めて言えば『繁殖活動』な訳で、そうした結果に繋がらない行為を好む……と言うのは全く理解出来なかった。


 そう言う意味では一応は繁殖活動期間に入って居るであろう十代前半から後半を好む『児童性愛者(ロリコン)』は未だ理解出来無くも無いが、ソレ以前を好む『小児性愛者(ペドフィリア)』は、やはり理解し難い存在と言えるだろう。


 まぁこの辺は飽く迄も俺の価値観での話で有って、犯罪を犯さない限りに置いてはそうした性倒錯も自由だと思うのだ。


 ……前世(まえ)の世界では性倒錯の一つとされて居た衆道(男色)も、此方の世界じゃぁ割と普通と言える位には、偏見の目が無い世界だからなぁ。


 何せ男と言う生き物は命の危険に晒されると『滾る』と言う性質が有る、此れは『自分が死んでも子孫さえ残せれば問題無い』と言う雄としての摂理で有る為に、恐らくはどんなに人間の文明が進歩して行っても変わらない事なのだと思う。


 残された女性に『独りで子育て頑張って』と言うのは極めて心苦しい限りだし、男の側の無責任さに腹立たしい物を感じ無くも無いが、そもそもとして人間やソレに類する種族と言うのは『群れで生きる動物』なのだ。


 故に奥さんが妊娠して居る時に死んだとしても、妻子は『群れ()』が育ててくれると言う信頼が有るからこそ、男達は外敵を前にした時に命を賭けて戦い安心して死に行く事が出来るのである。


 だが前線と言える様な戦いの場に女性が居ると言うのは極めて稀、と言うか守るべき物を危険な場所に置いて置きたい男なんざぁ居る訳が無い。


 けれども前線で戦ってりゃ常に命の危険に晒され滾り昂り溜まる物が有る……ではどうするかと言えば、倒した敵から奪ったモノの中に女性が居れば蹂躙し、そうしたモノが無けりゃ男の尻を借りるしか無いと言う話に成る。


 それ故、洋の東西問わず古い時代の武人は、家では妻を抱き戦場では男を抱くと言うのが割と普通だったらしい。


 其の片鱗は神話なんかを読み解くと何と無く理解出来たりする、助平で有名な子沢山過ぎるとある神話の雷神にして主神は、美女と聞けばどんな手を使ってでも孕ませたと言う逸話が無数に有るのと同時に、美少年を侍らせるのも好んだと言うのだ。


 とは言えそうした在り方も『産めよ増やせよ地に満ちよ』と言う言葉を唱えた唯一神を祀る宗教が、世界の覇権を握るに連れて『非生産的な同性愛』は異端で有り邪悪で有る……と看做され排斥される様に成っていったらしい。


 だがまぁソレも我が魂の祖国で有る前世の日本でも、江戸の頃に有った刃傷沙汰の原因の最上位が『痴情の縺れ(同性)』だったが故に幕府は何度も禁止令を出したそうなので、恐らく一神教でも似た様な事が有って『アカンやろ』と成ったのでは無かろうか?


 対して此方の世界はそもそもとして多数の『神』が物理的に実在して居るが故に、『神は唯一にして無二』と言う一神教の教えや、『神になんか頼らず自力で悟り開いて救われようぜ』と言う仏教の教えが流行る事は無かったのだろう。


 なお一神教系統全般も仏教の何方もが聖職者は異性との触れ合いを禁止すると言うのが一般的な戒律として含まれているが、其の結果として何方も御稚児さんに走る結果に成っている辺り、やはり『男の性欲』を理性だけで規制するのは難しいとしか言い様が無い。


 自身が望んで死ぬまで童貞を貫いた俺とて望んでそうした訳では無く、結果としてそうなっただけで、今生(いま)の様に毎晩必ずと言う程では無いにせよ、それ相応の頻度で欲を吐き出す事はして居たしな。


 と、何でまたこんな事を考えて居るのかと言えば……お連に対するソレ以上にお花さんに対して俺の欲求が不満するのを感じ、ソレを表情(かお)に出さない様にして居るからだ。


 未だ幼いお連に手を出せば俺は完全に外道に堕ちるが、お花さんは見た目が向こうの世界の基準で言えば少々幼いとは言え経産婦である、其処に女を感じるなと言われても無理と言う物だろう。


 其処に『女教師』と『二人きり』の『特別授業』だぞ? 変な妄想を抱くなと言う方が男と言う生き物を理解して居ないと断言せざるを得ない。


「色即是空、空即是色、南無阿弥陀仏に南無妙法蓮華経……煩悩退散」


 仏教が存在しない此方の世界では絶対伝わらない筈のそんな言葉を口にし、俺は欲望を胸の奥へと押し込めながら、今日も一日瞬間移動の完成を目指して勉学に励むのだった。

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