仲間だから
「何でついてくるんだよ…」
寺西が怒りを含んだ溜息をつく。
「お前は俺達の仲間だから。」
湯村が口を開く。
「お前は…お前の仲間だから…」
同じ言葉をもう一度、声に出す。
「だから…一緒に帰らなきゃ駄目
なんだ…。俺は…この大切な仲間
を誰一人失いたくないから!」
「っ…」
寺西の目に、涙が浮かぶ。
「もう…無理すんなよ…。な?」
湯村が、優しく微笑む。
「私がっ!湯村達に事情を
話したらっ!湯村達まで
巻き込んじゃうんだよっ!
私と同じ目に逢うことに
なるんだよっ!こんな苦しい
思いをっ!湯村達にさせる
わけにいかないだろ!!」
寺西が叫ぶ。
「俺はお前が…寺西が大好き
だから。俺だけじゃない。皆
お前が大好きだから。一緒に
痛みも苦しみも背負ってやる。
お前一人が無理する必要なんて
ないんだよ。」
寺西の目から、大粒の涙が
零れ落ちる。
「馬鹿…ぁっ…ばかばか
ばか…ぁ……うわああああん…
……湯村あぁ…っ」
フラつく寺西に湯村が近づき、
抱きしめる。
「一緒に帰ろうぜ。」
湯村の言葉に寺西は頷いた。
後ろの影がニヤリと笑った。
飴色ゼンマイーーー終
最終話です。
まぁ強引ですよね。
打ち切りみたいなもんだと
考えてくれれば良いです。
次はもっともっと面白い作品を書きます。
読んでくださった方々、
ありがとうございました!