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東方藍蓮花  作者: 空椿
84/114

藍色と自由 理屈は敵だ

 クロスオーバーです。

作品名:東方転犬録

時系列:現在の幻想郷付近

お借りしたキャラ:風由真理


 ではどうぞ。

 まさか、散歩していたら何時の間にか空間が変わっていた。などという事になるとは思いもしなかった。風由真理は、頬を掻きながらそう思った。

 突然何事かと感じるか? 残念ながら、全て事実なのだから参った。


「さて、ここはどんな所かね」


 もう別世界だとは確定しているらしい。空間を操る程度の能力舐めんな、という事だろうか?

 まぁまぁ戯れ言は無しにして。どうやら空間その物は、真理の世界とある程度似通っているようなので、真理自身の一般常識を破壊されたりはしなさそうだ、多分。

 まぁ、知らない世界には変わりないから長居は無用だろう。とっとと能力使って退出し……


「ちょっと見学する位なら大丈夫だろ」


 いや、長居する気満々だった。やっぱり好奇心には勝てなかったか。







 彼女…………じゃなくて、彼からしてみればやはりと言うか何と言うか、自然は豊かで空気は美味い。似た空間なだけはあるのだろう。いやしかし……


「誰も居ないな」


 まぁ、樹海の中じゃ当然だが……割と寂しい。こう、妖怪の一人でもばったりと


「む」


「お?」


 出会ってしまった。ばったりと、藍染の少女と。

 藍染の時点で特定出来ただろうが、ご存知藍色である。初対面では、ぱっと見ではただの少女に見えなくも無いが、藍の髪と瞳がそれをやんわり否定する。実際少女なのかは年齢を聞かないと判断出来ないだろうが、藍色の年齢は依然として謎に包まれている……

 それはさて置き。


「こんにちは」


「こんにちは」


 まずは挨拶だろう。無闇に敵を作るような事をする気も無いようなので。


「俺は風由真理って名前」


「藍色」


 いつもの反応。それ、名前か?


「藍色という名前」


「紛らわしいな。あと台詞を切るなよ」


「貴男の性別程紛らわしい物は無い」


「無視か。まぁ確かに、毎回初対面の奴には女と間違われ……ん? 貴男?」


「違う?」


「いや……」


 お互い、紛らわしい事はあるらしい。そして何故分かった。


「何故ここに居るの?」


「散歩してたら迷い込んだ」


 全く嘘が無い。故に紛らわしいというか、何というか……


「……空間を飛び越えて?」


「おお、よく分かったな」


「現在、ここではそういった異変が起きているから」


 それはまた難儀なこって、と真理は思った。


「なんなら、何とかしてやろうか?」


「必要は無い」


「ほぅ?」


 ここでいつもの即答。


「こちらの問題はこちらの妖怪が解決する。曲がりなりにも客人には、相当の事が無ければ手を煩わせたりはしない」


「ふむふむ、潔いと言うべきか?」


「まぁ、大体やるのは八雲だけど」


 藍色はそこの担当ではないからな。と、真理が一つの単語に反応した。


「八雲? 八雲紫の事か?」


「そう」


「ほぉ〜う……」


 真理の世界にも八雲紫は居るからな。で、何か考えついたのか、それとも企んでいるのか。割と笑顔である。


「なぁ、藍色の……って居ねぇ」


 で、相談事をしようかと思ったら消える藍色であった。オイオイ。

 しかしながら、慌てず騒がず。真理は能力を使って藍色の位置を探し、空間を渡る。彼の能力は先程チラッと言ったな。


「待て待て、少し頼みがあるんだが」


「む」


 突然現れた真理に対して、あまり驚いた様子は無い。


「お前の所の八雲に会ってみたいんだ」


「何故?」


「好奇心」


 思案。


「良いよ」


 せめて紫本人とかに言うとかしろよもう。ま、藍色が一々確認をとるとかはしないだろうな……

 その返答で、テンションがやや上方修正されたのだろうか。多少上機嫌に見えなくもない顔で、また黙って歩き出した藍色について行った。







「……終わり。確認されてる物ならあと三つね」


 そんな藍色と真理の話があるとは全く思わず、紫はゆっくりと歩いていた。

 現在起こっている異変は規模こそ大きいが、住人達が被害を防いでいるので未だに大きな被害は全く聞かない。


「でも、異変の原因となるあの子が、この異変の被害を未然に抑えていたと考えると……おかしな話ね」


 ですよね。とりあえず、現状把握といこう。

 藍色達が思いの外働いているせいなのかどうなのか、紫が空間の修復をする際の、他の生物の乱入はほぼ無い。

 ので、藍や夢子には各地の巡回を任せて紫が単独で行動している。紫自身もかなり強いし、二人程人里周辺に張り付かせれば多分被害も出ないだろう、と考えた。

 まぁ、元々被害なんぞ無いのだが……


「安心出来るのは良いけど、それだとまた異変起こりそうな気がするのよね」


 でも、大体異変起こすの貴女ですよね? とツッコミを入れるのは負けだろう。

 とりあえず、次の空間の傷を修復する為に、最近とんと使わなくなったスキマの事を考えながら移動開始。


「……あら、これじゃあ私のアイデンティティが……」


 スキマ妖怪だしね。でも今更な気もする紫。まぁ、藍色との関係がもう少しマシになってから何とかしようかな、と問題を一度先送りにした。


「こんにちは」

「こんちわ〜」


「あら、藍色。こんにちは……って誰?」


「風由真理。異変の被害者」


「あら、そうなの」


 真理をジロジロ見ながら紫は言った。


「初めまして。私は八雲紫、ここ、幻想郷の管理者です」


「……風由、真理だ」


 初めましてと言われて少々困った。同一人物なのに別人というのは予想以上にキツいのだろうか?

 そんな様子を少々疑問視はしつつも、紫は話を続けた。


「それで真理さんとやらは、まだ帰る気は無いのかしら?」


「そうなるな。家族も居るからその内帰るつもりだが、今は此処に興味があるから帰らない」


「そうですか。では、誰に案内を……」


「ああ、ならコイツで」


 意外と大きい手を藍色の頭に乗せた。藍色の身長的には、誰の手でも結構大きいのだが。


「むぅ」


「……構いませんが、推奨しませんよ? その子は好き勝手に動きますからね」


「その方が散歩らしくて好きだな。と言うわけで、俺はコイツがいい」


「……藍色は?」


「別に構わないけど」


 ……以外にも満場一致。藍色が嫌がるかと思ったが。


「なら良いでしょう。心行くまで見て行って下さいね」


「感謝する。んじゃ、適当に……って待て待て」


 いつの間にか歩き出していた藍色であった。ちなみに歩き始めたタイミングは『風が吹いたから』である。


「……藍色も、面妖な人達に絡まれるのね……」


 紫も面妖の内だと思うのだが。と、ここで……


「あら、紫じゃない」


 突然の声に、驚く事無く対応した。声の主はルーミアである。小町も一緒に居た。


「ルーミアじゃないの。どうかした?」


「歩いてたら見つけただけよ」


「そうそう……って、いつものメンバーはどうしたんだい?」


「今は別行動よ。そう言う貴方達も別行動してないかしら?」


「この方が効率が良いのよ」


 もう収穫もほとんど無いようだが。あ、この異変危なげ無く終わるな。空気で分かる。


「で、さっきあっちの方向に藍色が向かって行ったわよ。観光客連れて」


「観光客だって? 何だいそりゃ」


「そのままよ。せっかくだしついて行ってあげたら?」


「あら、楽しそう」


 物事をすぐさま楽しそうに繋げるな。


「じゃ、早く合流してちょっかい出してやりましょ」


「物凄い微妙な目的だねぇ……」


「はいはい、行ってらっしゃい。喧嘩はしないで頂戴ね……」


「あら、どうして?」


「幻想郷が本格的に潰れるからよ」


「……ふ〜ん?」


 ヤバい、興味を持った。


「じゃ、早速行きましょうか」


「あ、ハイ……」


 小町が一歩ほど距離を離した。まぁ、ルーミアが走り出したのでそれは関係が無くなるのだが……


「騒動にはしないでよ〜」


 返事は返ってこなかった。







 藍色の歩幅は小さいのだが、歩く速度がなんと速い事か。結構身長差がある真理の歩く速度も、いつもより速くならざるをえない。案内役任せたのは失敗だったかと考えてしまう程度ではないが。


「そっちには何かあるのか?」


「分からない」


「ほう」


「気の向くままに進むのが旅だから」


 藍色の基本行動理念。これを曲げられるのは居ないんじゃなかろうか?


「確かに、旅なんてそんな物か」


「あなたは旅をするの?」


「俺か?」


 あなたです。


「俺は最近落ち着いたな。前は気の向くまま」

「ふぅん」

「だから発言を切るなと」


 無視。


「……お前、結構凄い性格してるよな」


 自分も割と特殊とは自負しているが、それでもコイツは一ランク程は上だと思う。なんて感じの事を考えたりするんじゃないだろうか? どうなんだろう。


「ん」

「お?」


 さて、前方に何やら屋敷が見えてきたので思考はそちらに移行する。適当に歩いてても、案外到着してしまう物なんだと感じてしまうが、藍色限定なので皆は真似しないでほしい。

 で、この屋敷は……


「これは……迷い家か?」


「知ってるの?」


「何となくな」


 真理の世界にもマヨヒガは存在しているのだろうか?

 取り敢えず、藍色はいつものように不法侵入。最早手慣れた物だ。


「……お邪魔します」


 真理は一応、断りを入れてから上がった。

 家の中は誰も居らず、日用品が並ぶばかりである。まぁ、迷い家の特性上誰も居ないのは当たり前なのだが、それにしても寂しい。

 で、迷い家といえば……


「では、遠慮無く……と」


 食器などを幾つか頂く真理。家に富が訪れるなら、せっかくなので貰いたい所だ。お土産としては充分だろうか?


「お前は何も取らないのか?」


「家が無いから」


「……そうか」


 他人の家は建てたがな。

 取り敢えずマヨヒガを一回りし、真理は三つ程の食器と、何となく湯飲みを頂いた。藍色は適当にぶらぶら歩くのみで、これといって何かをしたわけでは無い。

 さてさて、此処で誰かの来る気配が現れた。真理は多少ながら警戒するが、藍色がほぼいつも通りなので警戒を解く。


「あなたは何でマヨヒガに迷わずにたどり着けるのかしらね」


「藍色だから?」


「違いないわね」


 長い金髪の女性と、鎌を担いだ赤い髪の女性。勿論あの二人だが、真理は片方に何かを感じた様子。


「ルーミアか?」


「ん?」


 思わず口に出してしまったらしい。ルーミアは真理と藍色を交互に見て、何かを思案する。次に言われた言葉に、真理は流石に驚く事になる。


「風由真理ね。初めましてと言いたいけど、アナタから見れば初対面じゃないのね」


「は?」


「あら、驚く必要は無いわよ? 別の世界なのだから、こんな事も有り得るわよ」


 だからといって、初対面に心どころか記憶まで読まれる事など滅多に無いだろう。まるで当然の如くスラスラと話すルーミアを、真理はちょっと名状しがたい感情を向ける。


「ルーミア、楽しそう」


「だねぇ。良い遊び相手に出会ったみたいに」


「いや、流石に勘弁してくれ。許容範囲外だ」


「あらら、ごめんなさいね」


 果たして謝る気はあったのか、その顔は笑みに満ちている。それよりも、真理は別の事を気にかけているらしい。

 具体的に言えば、ルーミアの妖力を。


「……おい、ルーミア」


「何かしら?」


「意図的に妖力を隠す意味はあるのか?」


「秘密のある女性って素敵じゃないかしら」


「不気味なだけだぞ」


 しかしまぁ、真理も年季の入った妖怪。隠された妖力を測る事が出来ないわけでは無いので……見ちゃいました。


「……は」


「ん?」


 目を丸くした真理を見て、藍色が首を傾げた。ルーミアは何故か満足そうで、小町はフランと小傘を呼びに行ったらしく、居ない。

 真理が驚いた理由を簡単に説明すると『妖力多すぎ』となる。単純な量だけで言えば、この妖怪に勝てる人物はほぼ皆無だろう。そこに技術や能力が備われば、話は別なのだが。


「……これは、下手に喧嘩売ると不味いかね」


「あら、私はそんなに強く見えた?」


「少なくとも、俺が知るお前よりは」


「そう」


 こんな反応を待っていたのだろう、ルーミアは機嫌を良くしている。まぁやり合っても死にはしないだろうが、まず間違い無く大怪我だろうと真理は認めた。規格外というか、『論外』というか。

 そんなルーミアのついでに、チラリと見た藍色の妖力。こちらは、逆に少ない。ルーミアの後だから何故か安心してしまう。


「ま、敵対する気は無いから特に気にする事は無いか」


「あら、敵対しても良い」

「駄目」

「はいはい」


 藍色が釘を刺してルーミアは諦めた。真理も多少安心。この戦闘癖は治るのか?

 しかし、長生きだと思っていた自分の妖力と、藍色の妖力は年季が違いすぎた事には軽くショックであった事を蛇足として付け加えよう。まぁ藍色の年齢は未知数だし、諦めろ。


「……まぁ、世界が違うと驚く事もある」


「多分もう驚かん」


 慣れたらしい。


「はいはい、あんまりあたい達を舐めてると舌噛むよ」


「人を舐める趣味は無いな」


「表現に差異がある気がするがね。まぁただいま」


「おかえり」


 気が付けば小町到着。フランを肩車しており、小傘はすぐ隣に居た。


「消えたり現れたり忙しいな」


「能力が問題だからね。ちなみに、今は忙しくないよ」


 わーっとるわい。


「……で、自己紹介はし直すべきか?」


「特には」


「やれやれ」


 プライバシーは無いのか? なんて考えようが、こんな面子だし。


「あれ、またどこかに行くの?」


「歩くだけ」


「そしてどこかに当たって騒動になるんだねよく分かる」


「どんな予想したらそんな結論に陥るのか詳しく」


「藍色だし」

「ご主人様だから」

「藍色だから?」

「藍色だしねぇ」


「……疲れる」


「む?」


 深く追求はせず、大人しくついて行く事にした。今更だが、案内役としてはやはり失敗だっただろう。

 ……そうそう、これは蛇足なのだが。以前に登場した異世界の住人達は、既に元の世界に帰してしまっている。そこはよろしく。







「あら、藍色達じゃない。何か増えてるけど」


 はい、博麗神社です。

 ……時間があまり経ってないように感じた? その通りだ。案外近かったようなので。


「初めまして、と。自己紹介は必要か?」


「要らないわ。どうせアンタが帰ったらもう出会う事は無いんでしょ? 勘だけど」


 流石に絶対ではないが、真理が好き好んでまたここに来るかは謎である。ところで……


「ねぇ霊夢」


「何かしら」


 フランが勇気を出して質問した。


「足下の死屍累々は一体何かな?」


「大方幻月の仕業よ?」


「二割は霊夢だがなァ」


 あ、居たんだ幻月。そして、二人の足下に転がる大量の妖怪が異常を物語っている。死んではいないぞ?


「何じゃこりゃ」


 真理の所も乱闘騒ぎ(比喩)があったばかりなのだが。放置はいけないので、話を聞いて何とかしよう。


「で、これなに?」


「最近話題の」


「把握。送還するわね」


 会話が高速で済まされてしまう。真理はこれに慣れるだろうか?


「送還?」


 真理が興味を示す。


「藍色の能力なら可能よ?」


「ほう、能力」


 そういや、まだ言ってなかったよな。


「あら、知らないの? 確率を操る程度の能力」


「そりゃまた強そうなこって」


「実際強力よ? なんなら体験してみなさいな」


「……そうだな、その方が楽しいかもしれん」


 結局楽しむのが一番ですよね。早速一仕事終えた藍色の所に向かう真理が、かなりいきいきとしているように見えるのは多分幻覚だろう。


「お〜い」


「む?」


 藍色が声に反応し振り返る。ちなみに小傘と対面していたのだが、お話中だったか?


「お、取り込み中か?」


「別に構わないよ? 何でもない話だし」


「何か用?」


 では遠慮無く。


「お前の能力を体験してみたい」


「理由は?」


「面白そうだ」

「了承」


「だから最後まで言わせろっての……」


 だが断る。


「で、何をどうしたいの?」


「具体的に何が出来るんだ?」


「失敗しない限りは何でも」


「ほう」


「深く考えないで良いんじゃないかな」


 小傘も言うんだし、遠慮無く色々考えてみる真理だが……


「じゃあ生涯健康で」


「それは神様にでも頼めば良いのに」


 何故わざわざ実感しにくい物をチョイスしたのか。


「いや、何でもと言われると逆に思い付かん」


「そうかな? 私は割と思い付くけど」


「一応聞こうか」


「『楽しい事に恵まれやすくなりたい』とか」


「よし、それで行こう」


 え。


「それ私の意見だけど……」


「構わん。と言うか、それ以外の選択肢がろくでもない奴ばかりだからな」


「……ふぅん」


 まぁ、頼まれた側な藍色は気にしない。とっとと能力を使用し、成功させた。失敗はせんよ。


「終わった」


「案外早いな」


「そうだね」


 案外どころか一瞬だが……


「オイ藍色」


「ん?」


 幻月が藍色に手招き。あまり良い雰囲気では無いのだが、藍色は真理の横をすり抜けて行ってしまった。


「……不思議な奴だな」


「そだね〜。私もついてくよ」


 と言うわけで、小傘も行ってしまう。

 しかし、不思議と言えば自分も充分不思議か。と埋もれた古代の記憶を振り返る。その思いを読み取るのは難しそうなので、触れないようにする。


「楽しい人でしょ?」


 フランが真理の隣に現れた。フランなりに興味があるのだろうか?


「楽しい……のか? 驚きが多すぎて判断に困るんだが」


「そっか。でも、慣れたらとても楽しいんだよ?」


「ふむ」


 しかし、慣れる前に帰るんだよ……

 まぁ貴重な体験が出来ると考えれば良いのだろう。


「でもどうせ、慣れる事無く帰るんでしょ」


 ルーミアが割り込んできた。


「あ、ルーミア」


「おっと」


「邪魔するわね」


「邪魔するなら帰ってくれ」


「じゃあね〜」


 間。


「帰ってきたわよ」


 ズコー。


「これで満足したかしら?」


「ま、まぁ……」


 分かる人には分かるネタだがな。ただ言えるのは、幻想郷の面子には間違い無く分からない。ルーミアは真理の記憶にあった事をやっただけなので、特に理解はしていなかった。


「思ったが、お前はどうやって俺の記憶を読んでるんだ? 読心術が使えたと仮定しても、読心術はそこまで万能では無いだろう」


「読心術も極めれば悟り妖怪よ」


 そんな馬鹿な。


「ちなみに、理由は私の能力よ。あなたの世界の私も持ってるはずなのだけど」


「……闇を操る程度の能力か? それがどうした」


「まぁそういう反応するよね」


 イコールで繋がりにくいからな。


「面倒な説明を省いて説明すると、記憶の中でもとても暗い場所にあるような、本人すら忘れかけているような記憶を読み取ったわけ」


「それ、可能なのか?」


「出来るなら可能よ」


「そりゃあな」


 ここでフランが話題を乗っ取る。どこから来たのやら?


「能力に関連する事とかを頭の中に入れ、それを能力に使えるようにする。つまりはそういう事だよ」


「……つまりどういう事だ?」


「仮に妖術を扱う程度の能力を持ってると考えてね」


 この時点では、ただ妖術が使えるだけと考えるしか無い気もする。


「でもそれを『妖術であれば扱える能力』と考えてみたら?」


「成る程、一気に範囲が広がって使い易くなったな」


「聞きようによってはただの屁理屈でしょうけどね」


 でも、と言葉を続けて行く。


「その屁理屈の塊を、自分の能力に組み込めたのなら。それは自分の力になるのよ?」


「……ほう」


「これを『能力の応用』と私達は言うわ。ちなみに、発案者は藍色よ」


 ここで例の本をどこかから出した。本当にルーミアは持ち物をどこから出すのか分からない……


「いつも思うけど、それどこから出してるの?」


「どこでしょうね? 何分、真っ暗闇の部屋は広さが分からないもの」


「……つまりそういう事ね」


 四次元ポケットと考えれば良いのだろうか。


「たまには自分の能力について考えてみたら? 新しい発見があるかもしれないわよ」


「そうだなぁあいつらにも話してやるか」


 気が向いたらね。と頭の中で思った。


「じゃあ、そろそろ出発」


 爆音!


「きゃあっ!?」

「っとと!?」

「あらららら?」


 何事かと背後を振り向くと、見事な土煙が立ち上っていた。爆発か何かに巻き込まれたのか、上から小町が落ちてきて着地した。


「藍色と小傘! 大丈夫かい!?」


「ん」


「あ〜、びっくりした……」


 あんたが驚かされてどうするんだ……まぁ取り敢えず、小傘は無事退避出来ていたようで何よりだ。

 藍色は土煙の付近に居る。傷は無いので無事なのだろう。霊夢は既に空中に避難済みのようで、何やら怒号を飛ばしている。


「げ〜ん〜げ〜つ〜!?」


「うっせェ、お前はだァってろ!」


 一体何事なのか?


「待て待て。部外者の俺が聞くのは場違いだろうが、何事だ」


「戯れ」

「喧嘩!」


「何でそこは息ピッタリなんだよ」


 知るか。


「たまには身体動かさないと鈍るンだよ」


「だからって会話の最中に攻撃を開始するのは」


「それはテメエが癪だっただけだ」


 藍色一行全員、『だと思ったよ』と思った。


「……せめて神社に被害は出さないでよ」


「出さなかったら良いの!?」


「良いわ!」


「堂々と言うな駄目巫女!」


「あ、今の癪にさわったわ。ちょっとこっち来いサボリ神」


「霊夢も大概幻月に影響されてるなぁ……」


「いや、助けておくれよ!?」


 取り敢えず、小町は霊夢に引っ張られて行った。


「ルーミアさん、あれどうする?」


「小町の方は……夢月が勝手に止めるでしょ。幻月と藍色は下手に手出しはしない方が幻月が喜ぶでしょう」


「……なぁ、お前ら」


「何かな?」


 真理が質問。


「一体何が始まるんだ?」


「大惨事幻想郷対戦って所かしら」


 そういうのいいから。

 とにかく、幻月が臨戦態勢に入るのだが……


「最近巫女装束似合って見える」


「慣れたかァ無かったよ畜生ォ!」


 藍色はいつも通り平常運転だった。取り敢えず攻撃に備える為に


「変符「命中率と回避率」」


 先に攻撃した。


「うぜェんだよ!」


 幻月も、以前も使った妙なエネルギーを扱って藍色の弾幕を削り取る。あれは本当に何なのだろうか?


「さて、危ないから離れるわよ」


「は〜い」


 それとなく距離を離し、いつものように観戦。真理はフランがそれとなく引っ張って誘導した。


「邪魔者は居なくなったなァ。これで心置きなく暴れられ」

「否定証明「絶対確率」」

「やってくると思ったよ馬鹿やろォうッ!?」


 長々喋る方が悪いと言わんばかりに先制攻撃。藍色お得意の膝蹴りを横腹に叩き込み、ついでに肘を入れて急速離脱。幻月の反撃は空振り、それを見計らってまた突進。

 ……は、読まれた。しっかりと鳩尾に入った足を掴み、翼を羽ばたかせて無理矢理地面に突き落とした。悲鳴は聞こえない。


「ッハァァ……相変わらず痛ェな」


「……おぉ」


 割と真面目に驚いた藍色。強引ではあるが返されるとはあまり考えてなかったようだ。


「てい」


 しかしそれ以上は気にする事は無く、腕だけで幻月ごと足を動かして地面に叩き落とした。それで手が緩んだ瞬間に一気に引き抜き、近場の木の上に退避。お互い体勢を立て直す。


「ぐぎぎ、やっぱキチィ……」


「肯定証明」


「んげっ!?」


 あ、神社オワ


「それだけは使うなァーッ!」


 不可視の光線が藍色の土手っ腹を貫いた。それはもう見事に、大きめの穴が開通してしまう。


「ぐ?」


「シャッ!」


 予想外の速さで藍色の胸倉を掴み、木の幹を蹴り飛ばして地面に力任せに叩き付け、すぐに持ち上げ放り投げた。方向は神社の真逆となる。


「痛い」


 木をいくつもなぎ倒し、地面に何度も激突しつつもしっかり着地。最初の光線以外は全て受け身をとっていたらしく、大したダメージは無く見える。

 でも腹を貫通した穴からは小さな赤い滝が出現してしまっているので、ダメージは確実に蓄積している。


「……怒ったよ」


 だから何故意識がハッキリしてるのか、いい加減に教えてくれ。

 という此方の疑問は一切無視し、藍色がスペルカードを……なんだ、見たこと無い奴だぞ?


「させるかよォ!」


 しかし残念、不可視のエネルギーを雨のように降らせて藍色を攻撃し始めて、藍色はそれを一旦しまって回避に専念する。

 『見る』事が不可能な上に未知の力の為『感じる』事も難しい、更に物体を消し飛ばしながら貫通していくというタチの悪い物なので、避ける側はヒヤヒヤ物である。


「うぎッ!?」


 まぁ藍色だから仕方無いのだろうか、急に幻月の背後に現れ、蹴り飛ばしてから一気に離れた。蹴り飛ばす度に離脱の速度が上がっている気がするぞ?

 そして地面をザザザッと滑りながら、再度スペルカードを取り出した。少々血が付いている。


「そンな簡単にやらせてたまッかよォ!?」


 弾速が狂ってるとしか思えない弾幕をバラまいて牽制。ちなみに威力は、当たった木が弾け飛ぶ程度である。もう何なんだこれは?


「む」


 流石に好き好んで当たりに行きたくは無い。またスペルカードをしまい、回避行動。いたちごっこのようでもどかしいのだが、藍色の服が段々血染めになっているのがかなり気になる。

 見学を決め込む真理も、割とその辺りが気になるようだ。ついついルーミアに聞いてしまっている。


「あれは、本当に大丈夫なのか? ほっとくと死ぬぞ?」


「藍色、ああ見えて『単純に強い相手』には割と弱いのよね。能力で誤魔化してるけど」


「戦力分析は良いから……」


 ルーミアは答えないが、代わりに小傘が答える。


「基本的には止めないよ? 止めるタイミングは『本当に殺しそうになった時』と『本当に死にそうな時』くらいかな」


「……良いのか?」


「ご主人様が決めたルールだからね」


「でもさ」


 フランが口を挟んできた。


「やっぱり止めたくなるよね」


 まずその涎を何とかしなさい。


「あなたは藍色の血に興味があるだけでしょうが……」


「あ、分かっちゃう?」


「分かっちゃうわよ」


 まぁ吸血鬼だしねぇ……

 さて、スペルカードを構えては邪魔されるいたちごっこも十三回、絶対確率は効果時間を失ったようだ。この辺りで、痺れを切らした藍色が遂にプッツンした。十四回目のトライ。


「でェい! やらせるかッてんだよォ!」


「いや、やる」


 幻月の弾幕を、なんと真正面から突っ込んでの無茶苦茶回避。スペルカードは既に構えている。


「はァ!?」


「「一期一会」」


 遂に宣言。そのままの勢いで幻月に跳び蹴りを繰り出す。


「当たるか!」


 まぁ、大方やるとは思っていたらしく、回避は容易だったようだ。

 普通ならば。


「うぎッ!?」


 腹部に入る藍色の足。見事に命中してしまったようだが、幻月の視界はちゃんと自分の横を過ぎていった藍色を目撃している。何事だろうと視線で追うと……


「ん?」


 藍色が居た。では自分に蹴りを加えたのは? ふと視線を戻すと、誰も居なかった。


「とう」


 さぁ、余所見は駄目だ。藍色が再度攻撃を仕掛ける。


「チィッ!」


 疑問を解消する為に当たるつもりは無いらしく、やはり回避する。一度は空振るが、気が付けばやはり当たっている。


「一体なンだよ!?」


「自分で」


 空振っていった方向から声。藍色が其処まで迫っていた。


「考えろ」


 綺麗なアッパーを加える。幻月は宙に舞い上げられ、偶然にも真理の目の前に落ちた。


「……イテェ」


「よぉ」


「……ハジメマシテ」


 ぐいと起き上がり、真理に話しかける。


「どう見えたよ」


「ん? 何がだ」


「さっきの、テメェの目に藍色はどう映ったんだ」


「どうって……」


 困ったようにルーミア達を見るが、ルーミアは肩をすくめ、小傘は首を横に振る。フランは……


「多分同じ様に見えたし、言っちゃって良いんじゃない?」


「ん、じゃあ……」


 正直に。


「攻撃が空振った瞬間に、二人になったな」


「……そォかよ」


 トン、と軽い音が響く。どうも、空から藍色が降りてきたようだ。


「続ける?」


「モチのロンだ。死ぬ直前までな」


 幻月がニヤリと笑い、手で藍色を貫かんと突く。と、ここで……


「捜符「オリハルコンディテクター」」


 金属音が響く。幻月の手は、黒い棒に軽々と止められていた。


「失礼、悪魔殿。巫女は居るかな?」


「……チッ、鼠が邪魔しに来やがった」


 あ〜、ヤメヤメ。と言いながら、声の主を見る。どうやら、ナズーリンのようだ。


「あ、ナズーリンじゃない」


「久し振りだね。何やら楽しそうに暴れている所を止めて申し訳無いのだが、異変も終わってないのに暴れるのは止してくれないかな?」


「うん」


「ありがとう」


 ナズーリンはニコリと微笑んだ。


「……ところで、何故こんな所に?」


「君達に用事だよ。藍色御一行」


「え、私達?」


 だそうです。


「そうだよ。八雲からの伝言でね、それを伝え……」


 視線は、藍色に固定された。


「……る前に、まずは永遠亭に行く必要があるのかな?」


「治すから良い」


「先が、読めちまった」


 藍色、能力使用。


 失敗した。


「君の能力の成功には偏りがあるね。先に永遠亭に行こうか」


「あれ、私達でも治せるけど?」


「たまには薬師達に顔を見せてやれば良いじゃないか。怪我は酷いがね」


「……ま、むしろ大怪我してた方が楽しくはあるわね」


「じゃ、そのまま行こうか」


 まぁ、速めに向かいはするが。


「……小町はどうするの?」


「あたいがどうかしたかい?」


「わあ!?」


 小町がひょこっと現れた。霊夢はぐったりした状態で、夢月に背負われている。


「ぢぐじょ〜……負けた〜」


「お、夢月?」


「霊夢さんも無理をしますねぇ死合いの専門家に対して死合いを仕掛けるとは」


 相変わらずのようだ。


「……まあ良いわ。小町、伝言頼める?」


「ふむ、誰にだい?」


「紅魔館の咲夜に。『また服を仕立てて欲しい。勿論、藍に染めて』とね」


「……じゃ、行こっか」


 今日、永琳は眠れるのだろうか。


「……あ、あなたはどうする?」


 すっかり蚊帳の外だった真理。しかし、楽しい物が沢山見れたようなので、満足はしていたようだ。


「俺か? ん〜……」


 思案。


「個人的にはまだまだ楽しめそうだから見学は続けたいし、心残りもあるんだが……いつまでも家族を待たせるのはなぁ」


「……残念ね。まぁ、退屈になったらまた遊びに来ても良いわよ?」


「ま、その時は今度こそ、ちゃんと案内してくれよ」


 真理の後ろの空間が割れる。それに驚く事は無く、真理はその中に入る。


「真理」


「ん?」


 藍色が何かの箱を投擲、真理はそれを受け取った。


「……中身は?」


「帰ってからでも見れば良い」


 それだけ告げ、藍色は出発してしまう。幻月達は神社に帰ってしまうし、ナズーリンは一礼して藍色達について行ってしまう。小町は既に居ない。


「……流石に寂しいぞ?」


 もう少し別れを惜しんでくれても良いんじゃないだろうか? そうは思うが既に誰も居らず、退屈に感じつつも真理は空間の割れ目を閉じたのだった。







 そして、藍色の知らない世界。真理は森の中で、あまり大きくはない箱を開けてみる。中身は……


「短剣だな」


 何から何まで藍染の短剣だ。ここまで全体がインディゴならば、全身藍染である藍色を思い出すのは容易だろう。ちなみに、手紙も入っていた。


「どれ」


 手紙を開封する。


『貴男がどうかは分からないけど、私は楽しかった。もし貴男さえ良ければ、また私達の世界に来てほしい。私は歓迎する』


「……最後の最後まで読めん奴だったな」


 まさか、振り回されっぱなしになるとは思わなかった。挙げ句の果てには放置されてしまったし、案内人としてはやはり失敗だっただろう。だが……


「……悪い気はしないよな」


 つい笑みがこぼれた辺りで、手紙の続きに気付く。勿論読むが……


『P.S. その短剣だけど、持ち主が望む事が起こる確率が少しだけ上がるようにしてある。家にでも飾れば良い』


「……つまり、幸運の短剣ってか。鞘でも作って椛にでも持たせるか?」


 まぁ、ゆっくり考えてくれ。藍色とは、きっとまた会うさ。


 最早異変など無いにも等しい状態だが、解決するまでが異変。このまま危機など起こらず、無事に終結してくれるのだろうか。

 ……さて、どうなる?







 今日の幻想郷、場所は妖怪の山の最も高い場所にある崖。


「……そこに居るのは誰だ?」


「見付かった、か。まさか気付かれるとはな」


「気配の無い相手を見るのは慣れているのでね」


「そうか」





「一応聞こうか。お前は何者だ?」


「私は『博麗霊夢』だよ。間違いは無いさ」


「見れば分かるさ、その格好だからな」





「どこから来たんだ?」


「さあな。幻想の世界とはまた違う、夢と幻の世界から……と言うべきか」


「……ふむ」





「『博麗霊夢』、お前はどうしたい?」


「元の世界に戻る……とは言わない。ここは居心地が良いし、落ち着ける」


「……なら、私は道を指し示すとしようか。行く宛くらいはあっても良いだろう」


「ん?」


「向こうに真っ直ぐ行けば、竹林に辿り着く。そこで藤原妹紅という人物に『竹林の薬師の所に行きたい』と頼め」


「……それから?」


「藍色の少女に出会うだろう。後は、お前次第だ」


「…………ありがとう」





「名前を、教えてくれ」


「椛、だよ。博麗霊夢。で、私はお前をどう呼べば良いんだ?」


「そうだな……では、こう呼んでくれ」







「『禍』と」


 今日も幻想郷は平和……です?


 皆様! 誠に! 誠にッ! お待たせしてしまい申し訳ありませんでしたぁぁぁぁッ!

 風邪やらなんやらで、更新が一ヶ月程度滞ってしまった事を、深くお詫び申し上げます!

 ……とりあえず、天色の空椿です。


 レティウスさん、今回はクロスの許可をありがとう御座います。やっぱりクロス回は難産で、毎度の如く「もっと良く出来たんじゃないか?」とか「これは転犬録ファンに刺されないか?」とか心配ですが、なんとか完成しました。

 今回目指したのは『それでもやっぱりいつもの一行』です。異世界の来訪者も何のその、藍色はブレやしないんです。という感覚で書きました。

 クロス回は番外編にしない主義の為、真理以外の方がバリバリ目立っていたような気がします。そこはサラダ油を撒いた鉄板の上でスタイリッシュ焼き土下座をして懺悔しまアッチィィィィィイ!?


 幻月さん大暴れ、彼女は藍蓮花ではかなり豪快なお方です。ちなみに藍色と暴れていた時、彼女は博麗式巫女服のまま戦っていた事を忘れないで頂きたい。勿論、彼女の私服は夢月が持ってますよ。

 彼女の使う不可視のエネルギーですが、妖力、霊力、魔力、神力、能力のどれにも属さない、彼女独自の物だと思って下さいな。夢月も使えますけども。


 風心剣さん、お賽銭ありがとう御座います。見事に神社が埋もれてしまったので、リフォームします。また、感想でも要望をいくつも頂き、しばらく会いに行く人物には困らなさそうです。

 スペルカードも新たに登場。命蓮寺組では、ナズーリンが最初にスペルカード宣言を堂々と見せましたね。一応二枚目ですが、文章に名前を出したのはこれが一枚目です。

 ちなみに藍色の発動した「一期一会」ですが、結構前の神社のお賽銭から使わせて頂きました。このように、昔のお賽銭も使うのでジャンジャン入れて構いませんからね!

 ちなみに、今回スペルカード説明はありません。あしからず。


 ……さて、今日の幻想郷ですが。

 あの方はもう皆様分かったでしょう。一応分からない人の為に答えは持ち越しますが、多分大体の皆様は分かったと私は考えております。

 勿論、彼女の性格や口調は本家と違うんですが。『何を今更』という一言を送ります。幻月の時点でアレですしね。


 さて、字数制限がマッハなので今回はこれにて失礼します。ではノシ

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