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東方藍蓮花  作者: 空椿
82/114

藍色と生物 集団は敵だ

 文々。新聞の号外が幻想郷にバラまかれる。ここまでは、至って普通の日常風景だと思われるのだが、今回は少々違う。具体的に言うと、人里にそれが届く事は無い。また、写真が無いのも含まれる。前者は文がわざとそうしているのだが、そうする理由は内容にある。

 紙の隅々まで書かれる話題。それは今まさに問題となっている、幻想郷の異変を知らせる物だ。


「やれ、今日も働きました」


「お疲れ様です」


 そんな号外をバラまくべく幻想郷全体を飛んできた文を、仕事モードの椛が迎える。ついでのように文の持つ号外を一つだけ抜いて読み始めた。


「異変ですか?」


「そうよ。情報源は藍色一行」


「ふむ。こいし」


「はいは〜い」


「あややや、すっかり仲良しで」


 文の発言はひとまずスルー。文も気にしてはいない。それと、文も普段の仕事モードだった。


「別世界の生物?」


「らしいですよ。攻撃的か友好的かは不明ですが、幻想郷全体にわんさかと」


「ああ、突然空間を裂いて妖怪が現れると思ったらそういう事ですか」


「おや? 目撃してましたか」


「スキマの仕業だろうと気にはしなかったんですが……異変だったとは」


 その時の思考は『またスキマか』であったらしい。何だか、『また守矢か』と近い感覚がある。


「とにかく、この号外で幻想郷全体に警告をしました。あとは、変に大事にならないのを祈るばかりですね」


「じゃあ私達が何とかしちゃえば?」


「こいしさん、私達天狗は規律が厳しく……」


「文様が規律を守った事ってありましたっけ?」


「え?」


「え?」


「なにそれこわい」


 本当にな。さて、少し気になる号外の内容だが、一部だけを抜き出してみよう。

 まず、異変の概要と原因。これは判明しているので省くが、あと書いてあるのは対策だろうか。

 まぁ大ざっぱに言うと『意思疎通が可能なら出来る限り荒事にはならぬようにしてほしい。意思疎通が不可能、尚且つ攻撃的な場合は反撃を許可する』となるか。

 あとは『弾幕ごっこはかなりの確率で通じない』ともある。まぁ、幻想郷独自のルールが他の世界にあるとは思わないが……


「……まあ、今はまだ腰を上げる時ではないでしょう。藍色達の手が回らなくなってからが、私達の出番です」


「あれ、私は強制ですか」


「いや、居てくれたら嬉しい。程度よ」


「……なら良いですよ。命令とか言ってたら切りかかってましたね」


「私も椛に加勢してたかもね!」


 文は命拾いしたようだ……

 いや、もしかしたら文一人で勝てるのかもしれない。未だその強さは未知数の域を出ないし、最近は幽香と組み手などを続けているようだし。

 あと、最近葉扇を新調したらしい。何でも、自身の能力に耐えきれずに壊れたとか。この事実も、文の強さを示しているのかもしれない。


「まぁこの話はそろそろ止めまして。風の噂が聞こえたので行ってきますね」


「行ってらっしゃーい」


「お気を付けて」


 文が高速で飛び立つ。以前はその速度で荒れ狂う風だが、今は木の葉一枚揺らさない。能力の精度が上がっているのはよく分かるだろう。


「……さて、見張りを続けますか」


「あ、河童さんの所に遊びに行って良いかな?」


「にとりの所だけなら。あと、無闇に姿を見せないように」


「は〜い」


 こいしがふらふらと歩いて行った。それを視界に捉えながら、椛は山全体を見渡し続けるのであった。

 ちなみに藍色から貰った大剣だが、今は倉庫の中で埃をかぶっている。まあ、基本的には使えないから仕方無いな……







 視点は変わって藍色一行。今日も変わりなく……と思いきや、小町が居ない。

 一行は足を止めており、後方を見つめている。小町が遅れているのか、ちょっとした用事なのかはまだ分からない。


「やれ、待たせちまったね」


 と、話してる内に帰ってきた。手に持っていた大鎌を彼岸の傘に変え、合流した。


「どうだった?」


「この付近でさっき見かけたらしいよ。死霊と言えど、周りはちゃんと見てるんだね」


 ……どうやら、付近を漂っていた死霊に話を聞いていたらしい。大鎌を持っていたのは、死神らしく見せる為だとか。

 まあ鎌の能力を使って有無を言わさずに聞き出しても良いが、使うと問答無用でぶっ倒れるしね。


「妖怪にしては異質だったらしいし、分かりやすいんじゃないか?」


「近いんだし、場所も分かるかな?」


「探せば良い」


 まあ、頼まれ事なので勿論探す。一応出来る限り声は出さず、相手方に先に見付からないようにする。

 五分程度で藍色が何かを感知し、決まった方向に移動を開始。姿は見えないのだが、どうも距離は縮まっている様子だ。


「……ん?」


 と言う間に遭遇。確かに、よく知る妖力や霊力とは違う何かをそれから感じる。さて、肝心の姿を確認して思う事はというと。


「……あら、あれユニコーンじゃない」


 !?


「何それ?」


「一角獣とも呼ばれてる、額の中央に一本の角が生えた馬に似た生き物だよ。非常に獰猛で、処女の懐に抱かれて初めて大人しくなるらしいよ。角には蛇などの毒で汚された水を清める力があると言われているよ」


「何で知ってるのさ」


「図書館で読んだ」


 流石フランだと褒めるべきか、図書館の守備範囲の広さに驚くべきか……


「付け加えると、意思疎通に関しては可とも不可とも。どっちつかずよ」


「ふぅん」


「興味無さそうだねぇ」


「いや、あれは興味津々な声だよ」


「……分かるか!」


 だよね。


「……で、どうする?」


「私が行くわよ。交渉とかは得意だし」


「お願い」


 あまり警戒されても困るので、ルーミア一人が行くようだ。まあ、代表だからと言って藍色を出すとなぁ……

 と言うわけでルーミアが先行。意思疎通が出来るのか、一言か二言くらい言葉を交わし……


 何を言われたのか、ほおづきみたいに顔を紅くし、

 問答無用でブン殴り、

 角を掴んで戻ってきた。


「藍色、これとっとと何とかしなさい」


 言われた通りに能力を使い、空間開いて放り込んだ。扱いはかなりぞんざいである。


「……ルーミアさん、何言われたの?」


「もう記憶から抹消したわよ」


 確かにもうケロッとしているが……何だったのだろうか?


「フランと小傘には言えない事」


「……多分ね」


 聖獣が皆紳士とは限らないという事であるか。そう言えばユニコーンの説明に……







 いや、もうこの話はよそう。

 しかし、藍色の能力が優秀だから簡単に送り返せたのだが、本来あれはどの世界から来たのか分からない。紫だろうと、送る世界が分からなければ何とも出来ない。

 ……あ、だから空間の修復に回ったのか? そこをちゃんと考えてたのかはよく分からない。紫の思考はかなり読みづらいからなぁ……


「あ、あれもじゃない?」


 と、考えてる内にお次の生物が。案外どっさり見付かるな。


「で、あれは何だい?」


「オーク」


 有名ですね。捕獲して同じ様に放り込みました。


「あれは?」


「キメラ」


「なんで居るのかな」


 知らんがな。捕獲して同じ様に放り込めませんでした。


「あれ」


「……亀ね」


「亀だよねぇ」


 髭の長い大きめの空飛ぶ亀…………あれ、こいつ玄爺じゃね? せっかくなので捕獲しました。

 しかし、割と沢山見付かってくれる。この様子だと、案外人里にも出没しているかもしれないな。

 あと、見付かるのが鵺のような姿形が正体不明な生物とは違い、本や文献などで出没する空想の生物が多い。亀は違うだろうが……


「じゃあ、この辺りから出て来てるとか?」


「それは紫の担当。私達は捕獲を優先する」


「シャーッ! キシャーッ!」


「はいはい、キメラさん大人しくしてね〜」


 ……元の場所に戻すのが、藍色の能力頼りなのが今は問題だろうな。


「……でも、あまり放置すると危険。紫に連絡はする」


「確かに、ロック鳥なんか出て来たらマズいわよね」


「ロック鳥って何?」


「山のように大きい鳥さん」


 鳥さんってレベルじゃないよな?


「まぁ、その時になれば良んじゃないかい?」


「うん」


 捕獲作業もそこそこに、歩き出した。次はどこに行くのかね。







 しかし、藍色達だけがこんな事をしているわけではない。当然、ここにも現れるわけで……


「へぇ、あなたは雪男さんなの」


 白い毛むくじゃらは頷く。


「でもごめんなさいね。ここ、雪は降るけど山は無いのよ」


 白い毛むくじゃらは首を振る。


「大丈夫なの。なら良いけど、自分の居場所に帰らないのかしら?」


 白い毛むくじゃらは首を振る。


「……帰れないのね。大丈夫よ、私の知り合いならなんとか出来るわよ」


「……で、レティ。それは誰なの?」


「イエティさん。今回の異変に巻き込まれたらしいわ」


 未だ無名の藍の蓮華畑。こちらには雪男として有名な『イエティ』が現れたようだが、温厚な性格なようで、レティとすぐに打ち解けていた。ちなみに幽香は呆れていた。

 幽香は幽香で、割と大量の生物を捕獲している。全て本で探せば見付かるような類で、それから察するに、藍色一行の位置はこの辺りから近いらしい。


「この人優しいのよ。洒落てるし」


「私には言葉が分からないのよ。なんて言ってるの?」


「『あなたはとても美しい。雪山の中でも強く咲く、一輪の花を彷彿とさせる』だって」

 ……わぁお。


「…………本当に洒落てるわね。嫌いではないけど」


 あ、照れた。


「悪い奴では無いから良いけど、一応言わせて頂戴?」


 幽香の視点は足元だ。


「一輪だけでも美しいけど、花畑の方も賑やかで良いわよ?」


 ……そうですね。

 一輪だけの孤高の花と、皆と並んで咲く花畑。あなたはどちらが好きかな?


「そういえば幽香、今回の異変の規模は分かるかしら?」


「多分幻想郷全域よ。白玉楼にも、何か出てるみたいだし」


「……あんな所にまで?」


 ……見に行こう。花畑は平和そうだし。







「Aim at a samurai's woman previously!」

(侍の女を先に狙え!)


「Don't withdraw! Certainly let this strange place be our territory!」

(撤退するな! 必ずこの未知の場所を我らが領土とするのだ!)


「……博識とは言われるけども、流石に知らない言語までは分からないわ」


 幽々子様も日本語以外は専門外です。


「でも見るからに友好的ではありませんよ」


「それくらい見て分かるわよ」


 ま、十数人の兵隊さんに銃を構えられ、更に撃たれてるからなぁ。

 あまり撃たれたい物ではないので、今は二人とも目立たない場所に隠れて様子を見ている。


「どうします?」


「流石にアレを避けるのは骨が折れるわよ。私には妖夢の超反応なんて無いわ〜」


「未来予知の方が恐ろしいです」


 どっちもどっちだ馬鹿野郎。

 ちなみに、超反応は勘と動体視力、未来予知は思考能力が、それぞれ死合いを通して進化したらしい。

 ふと思ったが、死合いをしている人達は何故こうも進化して行くんだろうか。謎だ。


「しかし、あれも異変の内の一つなんですかね?」


「だと思うわよ? 明らかに好戦的というか、危険だけど〜…………はむ」


「……饅頭、まだ持ってたんですか?」


 おやつを食べてる時に来たとはいえ、何故まだ持ってる。


「It will be there!」

(あそこに居るぞ!)


「ッ! 幽々子様!」


「ええ」


 言葉の意味が分からなくても、危険だと判断したのか、更に奥へと移動した。

 先程まで居た場所には凶弾が撃ち込まれた。絶対に当たりたくは無い。


「どうします? あれと呑気に話し合いをしろと言われても結果は見えてますよ!?」


「分かってるわよ。その時の為の対処方法は天狗の持ってきたあれに書いてあったでしょう?」


 流石に、同日にそれをする羽目になるとは思ってなかったようだが。

 さて、文の号外を思い出してみようか。


「『意思疎通が可能なら出来る限り荒事にはならぬように。意思疎通が不可能、尚且つ攻撃的な場合は反撃を許可する』、『弾幕ごっこは通じない』。さて、私達がすべき事とは?」


「……やりたくないなぁ」


「自衛の為だもの」


「幽々子様はご飯の為じゃないですか。もう死んでますし」


 言うな。


「It was found! It is here!」

(見つけた! こっちに居る!)


「じゃあ、終わってから藍色に文句言えば良いじゃないの。原因は彼女でしょう?」


 見付かってますよ幽々子様。


「では、美味しいお茶の淹れ方を教わるという事で!」


 妖夢も普通に返すなよ。銃構えられてるが構わんのか?


「あのお茶はちょっと怖いわよ」


「What is said in a jumble?」

(何をごちゃごちゃと言っているんだ?)


 あんたらにゃ分からんよ。こっちが分からないんだから。


「……仕方無いですよね。妖夢、突貫します」


 一歩踏み込み、距離を詰める。ただその一歩で既に剣のリーチでな?


「はあああっ!」


 綺麗な峰打ちで一撃必殺。更に別行動していた半霊が弾幕をばらまき、混乱を招く。


「半身が居ると便利ねぇ」


 とか呟きながら、幽々子も弾道を予測して回避するというふざけた芸等をしていた。あかん、こいつらに並みの奴ぶつけても勝てへん。


「あと千人連れてきなさいな。妖夢が止まらないわよ?」


 ……うん、こいつらは大丈夫そうだな。







 一方で、あまり大丈夫でないのがこちら。


「妖精メイド、全滅したわよ」


「相手は強いの?」


「いいえ、こちらが弱いだけかと」


「でしょうね」


 こちらは紅魔館ですが、なんと大群に襲われているらしい。妖精メイドはたった今全滅しました。

 美鈴は門の前で相手を捌き続けているらしい。多分、美鈴が居なくなったら紅魔館に雪崩れ込まれる。

 何が来ているのかは不明だが、パチュリーは何となく理解しているようだ。だが、割と忙しいらしく説明はしない。


「ただ、良い指導者は居ると思うわよ。行動に計画性があったもの」


「パチェが言うなら間違い無いわね」


「……メイドが強ければ、名勝負が展開出来たのでしょうね。咲夜、行けるかしら?」


「いつでも」


「じゃあ敵陣の真ん中で、十五体程度を戦闘不能にして頂戴な。それだけやったら離脱して」


 咲夜は小さく返事をし、消えた。

 紅魔館の戦力は、量はあるが個々が弱い。咲夜やレミリアのような数名が異常に強いので、気にはならないが。


「良いの? 私がグングニル投げれば壊滅するじゃない」


「確かにそれも手よ。でもそれじゃあ駄目なのよ」


 小悪魔に指示を出し、魔法陣のような物を書かせる。手際がかなり良い……と思いきや、雑用係らしい妖精メイドも居た。手付きは慣れている。


「天狗の号外見たでしょ? 反撃は最終手段、私達がまず目指すのは停戦なの」


「……じゃあ、咲夜を突貫させたのは?」


 パチュリーが答える前に、咲夜が帰還。小悪魔達も目的の物を書き終えた。


「今から分かるわよ。少し黙ってなさい」


 魔法陣の上に立ち、魔力を循環させる。そして深呼吸し……


《私達に敵対している者達に告げる。直ちに武装を解除し、地面に伏せなさい。それでも尚攻撃が続くなら、先程あなた達の軍に攻撃を仕掛けた従者が、今度は本気で壊滅させにかかると思いなさい》


 ……拡声器か。と言いたいが、今の発言の言語がレミリアと咲夜には分からない。翻訳機も兼ねているらしい。


「反応あります」


「そう」


「……あの、パチェ?」


「ちょっと黙ってて」


 レミリアはすぐさま制された。


《……指導者に問うわ。あなた達は『天使』という種族で一括りに出来る存在かしら? イエスと答えるなら、立ち上がってその姿を見せなさい。勿論、攻撃しようと思わない事》


 ……天使だと?

 しばらく黙ってて見ていると、一人の男性が立ち上がった。美形だ。


「……なんか立ち上がったわよ?」


「立ち上がらせたんだもの。咲夜、紅魔館の警備をしておいて」


「……? 分かりました」


 咲夜が立ち上がったので、続きを始めた。


《正直に答えなさい。あなた達は、悪魔の気配を感じてここに攻めてきたのかしら?》


 小悪魔が相手のメッセージを受信? する。返事はイエスとの事だ。


《成る程、天使と悪魔は本来敵対視しあう物だものね、仕方無いとしましょう》


 一度ため息をして、続きを話す。


《でも、世界が違う。天使と悪魔の闘争はこちらには無いの。分かる?》


 これはパチュリーの推測になるが、相手の世界では天使と悪魔が戦争をしており、今回の異変で発生した空間の裂け目からレミリアの気配を感じたのだろう。それで軍隊で攻め込み、命を奪おうとしたらしい。

 で、この推測は多分当たっている。天使達に動揺広がっているし。


《分かったなら、入ってきた所から帰りなさい。素直に帰るなら危害は……》


「パチュリー様、お話中失礼します」


 咲夜出現。手には……天使。


「何よ、忍び込んでたの?」


「だと思ったわよ。兵士の何人かがニヤニヤしてたし」


「……どうします?」


「どうもなにも……」


 パチュリーは一つ一つ口に出して行く。


「明らかにこちらを攻撃する目的があって来て、事実妖精メイドを全滅させている。咲夜を突貫させて実力の差を見せた上で、あえて攻撃せずに帰還を促したけども……」


 改めて魔法陣に魔力を流して、呆れた声で告げる。


《忍び込ませるなら、もっとしっかりしなさいよ。指導者としては高得点だけど、詰めが甘いとこうなるわよ》


「……じゃあレミリア、一発グングニル投げなさい」


「あら、停戦交渉はいいの?」


「とっくに決裂したわよ。でも力の差は見せてるし、威嚇射撃したら勝手に逃げるでしょう。逃げなかったら好きになさい」


 小悪魔に後片付けを頼み、自室に戻った。疲れたから休むそうだ。


「……全くもう、もう少し詳しく説明してほしかったわ」


「まあ、起きたら聞けるでしょう」


「そうね」


 …………パチュリーも結構自由だな。それは良しとして、咲夜がレミリアを正門まで運んだ。気付いた美鈴がこちらを見ているが、咲夜は直ぐにジェスチャーで回避を促した。


「ほら、頑張って避けなさいよ? 言葉なんて通じないけど」


 流石に雰囲気は察したか、天使達が散り散りに逃げ出し始める。しかし……


「神槍「スピア・ザ・グングニル」」


 はい、残念でした。

 地面を盛大に抉り、軍隊の中央を真っ二つにしたグングニル。ついでに指導者はその余波に巻かれて気絶してしまったようだ。

 後は尻尾を巻いて逃げ出す……と思いきや、一部が錯乱して突撃してきた。


「……なんか、統制力が無さ過ぎない?」


「所詮その程度なのでしょう」


「今回はパチェが全部持って行ったし、次はもっと骨がある奴に来てほしいわね。咲夜」


「承知しました」


 レミリアは館の奥に消えた。そして咲夜は……


「奇術「エターナルミーク」」


 …………もう何も言うまい。

 と言いたいが、咲夜のスペルカード使用の瞬間に見えた光が、美鈴は気になったようだ。あれって確か……







 とまぁ、今現在未知の相手に遭遇している人物は、割と大丈夫そうではある。あえて被害を挙げるなら、紅魔館の妖精メイドだろうか。ただしあれは復活する。

 若干盛り上がりに欠ける感じがしないでもないが、幻想郷の住人が規格外故、仕方無いだろう。


 流石に、いつまでもこんなに平和ではないとは思うのだがなぁ。特に、藍色一行は。

 ……さて、どうなる?







 今日の幻想郷、場所はミスティアの屋台。


「あら、こんばんは霊夢さ……ん?」


「適当に何か貰えるか?」


「え? ああ、はい」





「イメチェンでもしたんですか?」


「いやいや、私は元々この姿だよ」


「はぁ……」





「あれ、じゃあ霊夢さんじゃないんですか?」


「何を言ってるんだ、私は霊夢だよ」


「……う〜ん?」





「じゃあ御馳走様。お代はこれで良い?」


「大丈夫ですよ。またいらして下さいね」


「気が向いたらね、女将さん」


「…………う〜ん? 分からないなぁ……」


 今日も幻想郷は平和です。


 藍色の影響で幻想郷がヤバい(主に戦闘力が)。魔改造も悩み所だなと思う天色の空椿です。


 今回は空想の生物パートでしたが、次回の焦点は多分未知の生物になると思います。正体不明です。でもぬえに非ず。


 見て分かるでしょうが、やっぱり皆強すぎて涙が出ます。まだ登場してない皆もこんな感じになるでしょう。

 なので、今回と同レベルの強さだと間違い無く完封しちゃいます。次話には何か考えたいですね。


 鳳凰院さんよりお賽銭を頂きました! 本当にありがとう御座います、いつも活力になってます。

 内容はクロス依頼で、相手のお方の作品を読ませて頂いてから申請しました。お相手はレティウスさんの東方転犬録です。

 結果はなんとオーケー! 今の異変が丁度都合が良いので、次の次か、そのまた次辺りでクロス話を挟む事にします。


 今日の幻想郷で、散々話題に出ていた人物が喋りました。さあ誰でしょう。この時点で当たると割と凄いかもしれない。だってヒントが少ないもの……

 件の人物ですが、本格的に物語に関わるのは異変終了後になります。それまではしばらく平和な幻想郷の所に居ていただきますね。


 さて、一つ気になる事があります。スペルカードの事何ですが……

 はい、小町です。実は、死合い用がまだ一枚もありません。と言うわけで次回出します。頑張って考えるよ!



 さて、これにて失礼します。お賽銭も頑張って取り入れたいと思いますので、ドシドシ入れてって下さいね! ではノシ

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