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東方藍蓮花  作者: 空椿
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藍色と童話 子供は敵だ

 小町は参加しないので、必然的に五対四となる。不利になるかな〜と思っていたが、ルーミアが夢子と勇儀を引き受けると言うので大丈夫になった。

 勇儀もルーミアと戦う事に異存は無い……というかむしろ大歓迎との事だ。後の三人も特にもめるような事も無く自然と決まり、一行が構えた時に死合いが始まった。

 藍色は紫、小傘は星、フランは藍と対峙する。星はやっぱり藍色に向かおうとしたが、いい加減に怒った小傘が止めた。紫は「藍色が絡まないと優秀なのに」と藍色にぼやいたそうな。


「はいはい、楽しませて頂戴な」

「あんたが楽しまなくても、私は楽しませて頂くよ」

「今日は傷を入れてみせます」


「あなたを倒し、その先の藍色も私が倒します」

「もう! いい加減に諦めたらどうなのさ!」


「吸血鬼を真正面から相手するのは気が引ける。悪いが、少し卑怯な手を使わせてもらうぞ」

「狐さんに化かされないとは思わないよ! どこからでも来〜い!」


「今日は勝ちに行かせてもらうわよ? 覚悟なさい」

「今日も勝ちに行く」


 皆やる気なので良しだな。やっぱりたまには暴れたいらしいね、小傘はあまり乗り気じゃないけど。

 では、適当な順番から視点を移して行こう。まずは小傘


「財宝「アーケツラーヴのクラウ・ソラス」!」


「のぉう!?」


 刃が揺らぐ光で形成された剣を出現させ、素早く振りかぶってきた。油断も隙も無いなおい。

 結構凄い光量な為、暗闇だったこの場が一気に明るくなる。おかげで小傘の姿も丸見えだ……


「捉えた! 逃がしませんよ!?」


「ちょ、勘弁!」


 唐傘を盾のように広げ、なんとかガード。開始早々だが、冷や汗が止まらない。


「でぇい!」


 その唐傘の先を蹴られ、予想外の一撃に小傘の手が緩む。


「いっ!?」


「そこです!」


 唐傘の端に手をかけて乗り越え、クラウ・ソラスの光を振り下ろす。

 やられてたまるかと能力を使用し、更に唐傘を手放してやっと回避。しかしかなり紙一重だったので、愛用の服が無理矢理引き裂かれたように斬られた。正直そんな事を気にしている場合ではない。

 どうも、炎のように揺らぐ光の刀身はちゃんと斬れるらしいのだが、安定していないのでどう頑張ってもズタズタになってしまうらしい。あと、バーナーのような感じで柄の部分から光が吹き出している事も斬られて分かった。多分剣か何かでは防げないだろう。


「っぶないなぁもう!」


「避けられる事は想定しています!」


 唐傘を上に飛ばしてからクラウ・ソラスを高く振り上げると、見るからに光量が増したかと思えば光の刀身が妙に大きくなっていた。

 ヤバいとは分かるが、それに対して対策をする前に一気に振り下ろされた。巨大な光が切り離され、一つの波になって小傘を包む。


「……呆気ない」


 舞い散る土煙にも対して反応を示さず、さっさと藍色を見る。小傘は眼中に無かったようだ。


「待ってなさい、私が必ず悔い改めさせます」


 再び同じ技を準備する。しかし……


「こ〜んのぉ〜……」


「ん?」


 上に飛ばした唐傘を掴む手が一本。すぐさまそれは振るわれ、唐傘の先が星に向く。


「雨符「鉄砲水の傘殺し」!」


「ぐっ!? 財宝「ジークフリートのバルムンク」!」


 すぐさまクラウ・ソラスを投げ捨て、大剣バルムンクを呼び出し盾にする。攻撃の要素の一切無い防御に使う事で、一切のダメージと衝撃を無効化する便利な代物だ。

 当然、小傘の攻撃も無効化すると星は思っていた。しかし、少々考えが甘かったようだ。

 落ちてきたのは光線や普通の弾幕ではなく、小傘特性の雨粒弾幕。水に酷似した性質を持つこの雨粒弾幕には『重み』があった。ダメージを消し、衝撃を無効化しようがなんだろうが、水圧や重圧などは防げないのだ。

 更に痛い事を言わせてもらうが、「たかが盾で滝を上から被って濡れずに済むか?」答は無論NOだ。

 被害の大半は防げたものの、手痛い連撃を受けながら地面に真っ逆様に墜落した。


「心砕「唐傘達の肝試し」!」


 更に大量の唐傘を呼び出し、小傘に有利なフィールドにする。形勢なんぞ、一秒あれば劇的に変化するわい。


「ぐぅっ! 厄介なスペルですね!」


 しかし星は成長しない子ではない。多少の被弾を覚悟し、目を閉じた。周りには薄い妖力とやや濃い妖力、そして一つの濃い妖力を感じる。

 驚かされながら戦うなど負けが見える。出来る限りそれらを減らすしか無いと判断しての行動だ。

 案の定体のあちこちに弾幕が激突するが、バルムンクを盾にしながらも怯まずに小傘に向かう。


「っていうのが作戦?」


 ふと気がつけばバルムンクの柄を掴まれ、体を大きく振って回り込み、横腹に掌打+弾幕のコンボを頂く。


「……な!?」


 バレた。しかも、ほぼ即興で、一瞬で決めた作戦を。バラす事なら覚妖怪も可能だが、それに素早く対応するのは難しい。それをただの唐傘妖怪がやった事に……


「……驚き、か」


 よく確認してみると、攻撃の分と活動の分以外の妖力を『その場に置いてきた』というのが判明。薄すぎた妖力は周りの妖力に紛れて分からなくなってしまったらしい。

 そう考えている暇に妖力を回収したようだが、この状況は星にとっては非常にマズい。

「くそっ!」


 近付くも離れるも、度々居場所が分からなくなるのなら自由には出来ない。小傘は戦闘に関しては並々ならぬ才能が眠っている事は認めるが、これは流石に伸び過ぎだろう。

 誰か、小傘に知恵を授けた奴が居るとしか……


「……奴か!」


 ルーミア。一行最強の切れ者であり、幻想郷影の実力者。彼女しか考えられない。


「次からは、私をあんまり舐めないようにね?」


 真横からの声。小傘だ。

 形勢を逆転させた瞬間は見事だった。そこから相手を封殺するのも、こちらの力を考えてあった。意識を逸らしたのが、最終的な死合いの勝敗を決めてしまったようだ。


「雨符!」


 手が添えられた。最後の足掻きをせんとバルムンクを振るが、時既に遅し。


「「雨垂れ鉄を穿つ」!」


 爆弾が破裂したような音が小傘の手と星の体の間から発生する。そのまま星は吹き飛び、地底の地面に激突。どこか聞き慣れた音が響いた。


「……スペル、ブレイク音?」


 死合いに身を置いてから聞かなかった音だ。気になって確認してみたら……


「……さて、引き続き相手してもらいますよ」


 スペルカードを二枚、指に挟む星。傷は見当たらない。


「うそぴょん!? なんで無傷!?」


「私の戦いは神話や伝説の道具を使った物。当然、防具だってあるでしょう?」


 スペルカードに書いてあるのは鎧。


「財宝「源頼朝の八龍」と言うんですよ。再使用に一日はかかりますが、破壊されるまでは一切の攻撃を無効化します」


「うっげぇ、えげつない……」


 つまり、先程までの苦労が報われなかったどころか、情報を与えてしまったという最悪なパターンだ。多分、最後焦ったように見えたのも見せかけだろう。驚きは本当だろうが……


「なら更にえげつない事をしましょう。もう切り札の出し惜しみはしませんよ?」


 二枚目のスペルカードを見せつけ……………………っておい!?


「財宝「エルリックのストームブリンガー」!」


 魔剣の類でも最悪の奴だよコラァァァァ!


※自我を持つ剣。あらゆる物を斬れると言われ、殺した相手の魂を喰らうという特徴を持つらしい※


 しかし、その詳細を小傘は知らない。故に、そのヤバさも察するしか無い。

 ま、漆黒の刀身と、そこにびっしり彫られたルーン文字を見れば尋常じゃないとは考えるだろうが……


「……うげ〜、なんかヤバい?」


「行きますよ、死ぬ覚悟はして下さい。死合いのルールに従い、殺しには行きませんが」


「うぁ〜」


 ……げんなり。全く良い予感がしない小傘だった。せっかく頑張ったのに、早くも負けムードだよ……







 さて、次はフランと藍に視点を移そう。まず状況を説明すると、フランが五人居て小さな狐が百匹居る。フランはそれぞれ、レーヴァテインによる近距離、スターボウストライクによる遠距離、時計の針のステッキによるカタディオプトリック、秘弾「そして誰もいなくなるか?」による強襲、遠目に状況を見つつ指示と、それぞれが全く違う行動をしている。

 対する藍は、式神「妖獣百式」を使用しての奇襲攻撃、狐達を操って波状攻撃、更に幻術を使って惑わしてくる。幻術はスペルカードにしており、夢幻「幻影迷路」となっている。範囲内の敵の視覚情報を狂わせる厄介な物だ。

 そんな様子は、端から見れば小さな戦争である。狐達が放つ弾幕、地面も敵も粗方吹き飛ばしてしまうフラン達、その間に安全地帯は無い。


「ドッカーン!」


「アハハハハハハハ!」


「それそれ〜!」


「適当に撃ってたらいつかは当たるよね?」


 藍の幻術で自滅しかかっている場面も多々あるが、持ち前の火力で半ば無理矢理藍の狐を消し飛ばしている。流石に何度も立ち止まって集中して狐の再召還をしている藍にとっては精神力がガリガリ削れている事だろう。


「幻術も分身も無理矢理ブチ破られるか……」


「なかなか直撃しないね〜」


 とはいえ、フランも藍も段々傷が増えてきている。お互い最初から全開だった為、長期戦になりにくいのだろう。やっぱりフランには力加減を覚えさせた方が良いかもしろない。


「やはり相性が悪いか……次回からは星をぶつけよう」


 ただ終わるのも嫌なのか、しっかり戦力の分析とかをしている藍。この勝負、分けはすれど勝てはしないと考えたらしい。

 さて問題。そんな消化試合のような死合いをフランが楽しむか?


「……むう」


 フランの攻撃がストップ。不思議に思った藍も幻術だけは解除し、攻撃の手を止める。


「どうかしたか?」


「つまんない」


 藍の言葉を一蹴。


「戦っても負けしかない、でも情報だけは持ち帰る。そんな戦い方なんてつまんないよ」


「……仕方ないだろう、このまま戦っても封殺されるだけだ。幻術もかかったまま無理矢理攻撃してくるし、チマチマとした攻撃は聞かないじゃないか」


 絶望的とまでは言わないがなぁ……


「ふ〜ん……」


 レーヴァテインを、投げ槍のように構える。


「ジャア」


「……まずい!?」


 言ってはいけない事を言ってしまったのか!? 自身の言葉を思い返しながら、狐を拡散させる。

 しかし、狐が全て爆発に消し飛ばされる。混乱し始めた頭を何とか統制し、視線を移す。右手を握りしめるフランが二人程見つかった。


「モウイイヨネ」


 だれかの神槍を幻視した、レーヴァテインの投擲。わざと軌道をずらし、直撃しないよう配慮してくれたのだが回避は間に合わず、爆風に巻かれて大きく飛ばされる。

 竜巻をそのまま横に倒したかのような風の中、声を出す事も呼吸する事もままならず。星と小傘の戦場を貫通し、夢子の剣を吹き飛ばし、ルーミアに激突してやっとその体は止まる。


「っとぉ!?」


 流石に予想外だったらしく、多少無茶な体勢で藍を止めるが、勢い止まずに暗闇に飛んでいった。


「え!?」


「うわったったった! 何だい!?」


 そして旋風が二人を襲う。それに吹き飛ばされるような柔な奴ではないが、更に飛行してきたフランに今度こそ吹き飛んだ。


「ルーミアー!?」


「ちょっフラン? あなたの仕業ね……」


 ボロボロになってしまっている藍をとりあえず下ろし、夢子と勇儀に手を止めるように言った。本当に酷い状態なので、出来る限りの応急処置をしつつフランに話を聞いている。

 流石に藍が気になるのか、不意打ちとかは無い。


「……あ、嫌な所突いたわけね」


「嫌な所?」


「藍は勝ちを諦めたらしいのよ。仕方ないとはいえ、フランが怒ったらしくてね」


「ごめんなさい……」


「う〜ん、短気なのが災いしたかね?」


「鬼のあなたが言っても……」


 終わり。藍は被害がこなさそうな場所に寝かせ、フランに面倒を見させる。


「……あ〜あ、白けたわね。仕切り直しましょう」


 藍とフランを置いておき、先程の死合いの続行を求めるルーミア。夢子も剣を拾い、勇儀もオーケーとの事。


「スタートよ。どこからでも来なさいな」


「行くぞ!」


「行きます!」


 三人同時に行動する。相変わらずの早口でスペルを高速宣言し、十字剣で夢子に応戦しつつも勇儀の拳を避ける。


「闇夜「ダークネスレイヴン」」


 轟、と黒鳥が勇儀を狙う。一撃一撃が重すぎるので、こちらに当たらないように目隠し+標的分散として宣言した。数は二十程だ。


「ハッ!」


「っとと」


 形容しがたい打撃音と、金属音が響く。

 ルーミア戦に移ってから言うのも今更な気がするが、夢子の剣が二本になっている。剣の形が十字という利点を生かし、鍔のような部分を使いながら見事に捌くルーミアだが、反対側で更に勇儀をあしらっているのだ。

 相変わらずのハイスペックだが、今日は少しだけ切羽詰まっていたりする。出会い頭に紫の知識を読んだのだが、全員スペルカードを新調している事を知ってしまったのだ。それを警戒しているのである。


「今日は攻めてこないんですね」


「なんだなんだ? 前みたいに動き回らないのかい?」


「動き回りたいのは山々なんだけど、流石に二人に囲まれたら難しいのよねぇ」


 嘘は言っていないが、本心はそこではない。


「……このままでは進展がありませんね。こちらから行きましょう」


 剣を二本とも上に投げ、手が空いた所でスペルカードを取り出す。

 ――来た。勇儀に意識を向けながらも、警戒のレベルを上げた。


「擬似空間「ピーター・パン」」


 トンとステップを踏んだ瞬間、一辺が二メートル程の透明な立方体がルーミアを囲む。勇儀とルーミアも隔てられた。


「あら?」


「おっ」


 サッと立方体にメルヘンチックな絵が描かれ、不透明に。同時にルーミアの声も聞こえなくなった。


「……結構、あっさり入りましたね」


 抵抗するかと思ったんだけどな、という感じの思考をする。


「夢子、こりゃなんだい?」


「私に極めて有利な空間ですよ。詳しくは控えます」


「……はいよ」


「では、少々お待ち下さい」


 夢子が立方体の中に入り、消えてしまう。







「あ〜ら、結構メルヘンねぇ」


 物語の中に入ったような。美しい城や、遠目に見える湖。まるで絵に描いたような世界だ。適当に飛んでみたが、花畑や海なんてのも見つかる。海は絵本とかでよく見たが、実際目にするのは初めて(多分)だ。流石に一瞬心奪われたが、仕方なかろう。


「成る程、擬似空間というからにはと思ったけど……随分完成度高いわねぇ」


 絵に描いたような……というか、美しすぎて作り物感がしてしまう。

 さておき、ルーミアは早速物思いに耽る。この空間に相手を閉じ込める理由を考えているのだ。


「ま、夢子が作ったのなら私には不利よねぇ」


 大体、外界から隔離するか相手に不利な効果で戦わせるか。空間を操ってまでやる事なんてそんな感じだろう。今回は両方の理由が含まれていると推測。

 では不利な効果とは? それについてはスペルカード名から考えるしかないだろう。


「……ピーター・パンね」


 確か紅魔館に一冊あった筈だ。封印時に読んだから記憶が曖昧だが、子供がどうとかネバーランドがどうとか、そんな感じだった。確か大人はほとんど出なかった筈だ。

 となると、このメルヘン空間では年齢の類は関係してくるのかもしれない。不利、という要素を足すとかなり極端な年齢になるだろう。そうすればまともに動けやしないし。で、ピーター・パンの要素を足せば……


「…………成る程、こうなるわけか」


 いつもより大きな十字剣、少し縮んだ手の平。一応湖を覗いてみれば、すっかり縮んだ懐かしい自分の姿が映る。


「つまり、子供の姿であなたと戦えというのね?」

 くるっと振り向けば、夢子が居る。


「身体能力の低下だけであなたを止められるとは思っていません。故に、思考力も相応になっていきます」


「あらそう」


 しかし、ルーミアは笑っている。


「……何を笑うのですか? 妖怪と言えど子供では私は止められませんよ?」


「たしかにそーね。今の私みたいな小さな子供にはムリよ」


 ああ、もうか。と理解してはいるが、その進行を止める術はルーミアには無い。が……


「フツーはねー」


「……まさか、もう何か手を施したと?」


「うん。私の力は封じられても、藍色ののうりょくにえいきょーは起きないもの」


 衰えはすれど無くなりはしない。


「考えられなくなっても、大きなもくひょうを立てれば大丈夫なの。目の前の相手に勝て、とね」


「……驚きましたよ。流石あなたです」


「へーそーなのかー」


 頭はもうほとんど回らない。ただ相手に向かって行けと感じるだけ。あとは勘と運の世界だ。


「あ、これ」


 ポケットから紙を渡す。受け取った夢子は、辛うじて浮かべていた余裕の笑みを止めた。


『大したことしてくれるじゃない。よく考えてあるし、格上相手でも充分可能性を見いだせるスペルだと思うわよ? でも、ちょっとがっかりした。「窮鼠猫を噛む」と言う言葉もあるし、あなたが私を噛んでくれる事を楽しみにしてたのにね』


 空白を入れ、最後に一文。


『だから、先に私達が噛み殺してみせるとするわ。ルーミアより夢子へ』


「…………まさか、こうも遊ばれるとは……」


「……へんな事書いてたかー?」


「いいえ、問題無いです」


 いい加減覚悟を決めよう。ここで、油断せずに相手を倒して悔しがらせてやろう。


「……参ります」


「は~い!」


 しかし、使ってからではかなり遅いだろうが……子供を攻撃するのは少々気が引ける。ちょっと困った夢子だった。

 しかし、端から見れば虐待に見えかねないそれを見る事も叶わず、退屈な奴が二人。

 まず勇儀。こちらは完全な不完全燃焼である。ルーミアとの再戦は夢子に潰されてしまい、面白くない。

 次に、同じく不完全燃焼なフラン……だが、こちらは状況を甘んじて受け入れている。勝ちは良いものの、藍に悪い事をしたと思っているらしい。

 思ったより荒れているなー……と考えながらフランは小傘を見る。


「はああああっ!」


「ひゃああああ!? 斬れる斬れる!」


 ……岩がスパスパ斬れている。そりゃあもう豆腐を日本刀で斬るように。


「うわーん! 助けてルーミアさ〜ん!」


 残念ながら助けを求めたいのはルーミアの方だったりします。


「……星とやら、加勢して構わないかい?」


「助かります。油断すると一手で逆転されるので、気を引き締めて」


「よっし! やっと暴れられるよ!」


 流石にまずいんじゃ? と考えてみれば、


「禁忌「フォーオブアカインド」!」


 フランが二人、そこに加わった。剣と弓のペアだ。


「乱戦か? 上等だよ!」


「フラン! ルーミアさん知らない?」


「知ってるけど手が出せない」


「いいから前見る! ルーミアはきっと大丈夫だから!」


「は、はい!」


 二対一は一対一に、一対一は三対二に。見ていられないような戦いはまだ終わってくれそうにない。







 さて、待たせてしまっただろう。藍色と紫に視点を移そう。といってもお互い手は休め、仲間の安否などを心配していた。

 藍はルーミアのおかげで大丈夫と見れるが、そのルーミアは夢子と一緒に擬似空間の中だ。通常の手段では状況を確認出来ない。


「……子供、か」


 藍色には分かるが。


「最初は夢子が勝つかと思ったけど、あなたの能力が図らずも布石になったようね」


 紫もスキマで覗いている。何故スキマが開けるのか? いい加減紫がなんとかしない理由はそもそも無い。

 解幻「解き放たれる幻想」。やや制約はあるものの、能力やスペルによる『使用不能』や『行動制限』等の一切を一時的に解除してしまう。範囲は広くは無く、自分を中心にしか出来ないので、普段の藍色探索には向かない。


「藍は?」


「大丈夫よ。今はただ寝ているだけだし、動きさえしなければ死にはしないわよ。それは良しとして逆に聞くけど、ルーミアは?」


「問題無い。ルーミアは色々仕掛けてある」


「流石ねぇ。じゃあお互い心配は無いと判断して良いのね?」


「うん」


 や〜っと心置きなく戦える。本当に気にかかる仲間達だ。


「否定証明「絶対確率」」

「境符「速と遅の境界」」


 合図は無い。同時に使用し、スキマが大量に現れる。紫は中に消え、藍色は構える。

 ここからはひたすら高速の世界だ。瓦礫が飛び交ったり弾幕が空中で爆発したりしてはいて戦争にも見えるのだが。

 これでもお互い様子見程度である。紫もスキマを移動手段にする以外に使用しないし、藍色も他のスペルを使わない。

 進展が無いと言ってしまえばそれまでだ。しかし、藍色は新規のスペルを、紫は自信がスキマを解放した事による対抗を警戒している故の様子見戦である。


「みぃっ」


「ッああもう!」


 本当にスピードだけで良い勝負だ。ただ、お互いのスペルには全く異なる特徴がある為、それを突き合う形になっている。絶対確率は当て身、速と遅の境界は進行方向への妨害に弱い。


「……もういい」


 やがて、藍色がしびれを切らした。相変わらず我慢勝負には弱いらしい。


「変符「命中率と回避率」、三連」


 なんと三枚重ね。高速で動くと弾壁を自らの体で貫く羽目になる。諦めてスペルを解除し、四重結界で防ぐ。


「って! なんでそのまま動くのよ!?」


 一面を緑に変えながら周辺を暴れまわる藍色。たまに抜けてくる黄色の小弾は見かけによらず貫通性能が高く、油断すれば結界が割れる。


「油断大敵」


 結界を越えて転移、紫に蹴りと弾幕をお見舞いしてやった。


「かはっ!」


「む」


 ヒットアンドアウェイ。すぐに追撃はせず素早く離れ、変符を解除。新たなスペルカードを出す。紫はぐらつく体を奮い立たせつつ、結界の維持を続ける。


「肯定証明「偶然確率」」


 初めての地底使用となるか? 勢い良く足を地面に叩きつけた。

 一度大きく地震が起こり、地面が割れ溶岩が噴き出す。天井からも土や岩の塊が降り注ぎ、心なしか明かりが見えてしまった気がする。


「――――大惨事じゃないの!」


 のんびり結界張ってる場合じゃない! 状況が悪化する前にスペルカードを出す。それに藍色がピクリと反応し、身を隠した。


「境符「無限と有限の境界」」


 宣言を終わらせた瞬間、紫の妖力が爆発的に増える。そのまま手で陣を成し、その有り余る妖力を全て注ぎ込む。


「ハッ!」


 天井と地面を覆うように結界が張られた。瓦礫の墜落は止まり、溶岩が噴き出る事も無くなる。


「……藍色? 地底を崩壊させるつもりだったのかしら?」


「……ごめんなさい」


 こうなるとは思わなかったとか。とにかく、分かった事は分かったので素直に出て来て相手する。基本的に、ルーミアのような知性の化け物や藍色のような特殊な能力者に迂闊に手札を見せるとピンからキリまで気付かれてしまう。事故を防ぐためだったのだが、痛手だった。


「仕方無いけど、ハメられたって事で納得しましょう。続けるわよ?」


「うん」


 紫がクナイを一本取り出す。藍色がそれを確認し、刀を出現させた。ここからは武器勝負だ。


「気がついたら楽しんでるんだもの、不思議ねぇ」







「終わらんな」


「今日は長引いてるみたいだよ」


 傍観者の二人。小町とみとりだが、既に隠れるような場所は無い。というわけで、小町が能力で弾幕等を目の前で止め、みとりがその存在を禁止するという面白いペアになっていたりする。

 暇な間一行の話を聞かせてやると大まかな事は全て察してしまった。小町がぎょっとしていたが、察せない事を禁止しただけという裏技だったりする。


「お前は加勢しないのか?」


「何度でも言うつもりだが、あたいは死合いをするつもりは無いよ。結局ただの同行者だからね」


「そうか」


 みとりは遠くの藍色や、逃げ惑う小傘を見ている。


「勿体無いな」


「うん?」


「ああ、勿体無い」


 小町に向かって言っているようだが、その言い方はまるで大きな独り言だ。


「せっかく仕事も何も見つからん奴を拾ってやろうとしている奴がいるのにな、勿体無い」


「……なんだい、その言い方は」


「知らん。ただ、やり直す機会を無理矢理押し付けていった奴らに、こちらも親切を押し付けてやろうと考えただけだ」


 なんちゅう言い方だ。


「いや、無理矢理って」


「『あの戦いに加勢しない事を禁止する』。いいからお前は私に使われろ」


「な、ちょ……」


 小町が鎌を掴んで行ってしまう。大きく溜め息をしたみとりは一人、藍色を見る。


「……私の生き方を滅茶苦茶にしてくれて、感謝してやるよ。だから早く妹に会わせてくれ」







「だああああ!」


「え!?」


 急に後ろから来た刃を、結界ではじく紫。姿を確認しようとすれば、藍色に吹き飛ばされてしまった。


「……小町?」


「あ〜そうだよ、私だよ。私なんだよ……」


 イライラしているのか諦めてているのか。もうどうにでもなれという表情を浮かべながらの返事。


「何で来たの?」


「親切の押し売りに使われただけだよ」


「……そう」


 藍色がちょっと息を吐き、呟く。


「少し嬉しい」


「……ん!?」


「加勢するなら続けて。足手まといにはさせない」


 藍色が天井を見上げる。能力を使っているらしい。


「え、あ、分かったよ」


 やると決めれば吹っ切れる。諦めを行動に変え、紫に標的を定める。


「ったたた……いきなり」


 目の前に小町の顔。


「何……が!?」


 振るわれた鎌をスキマ回避。なんとか遠くに移動。


「逃げるのかい? 追いかけっこは得意だよ?」


 目の前から小町が離れない。


「あん……た!?」


 鎌を扇で止める。ギリギリと音が鳴るが扇が、壊れたりはしない。


「なんか随分楽しんでるじゃないの!?」


「さあ、どうかねぇ?」


 ……笑ってやがる。


「ただ、どうせならこの状況……」


 一度鎌を扇から離し、勢いをつけなおして振り下ろした。今度こそ扇が手から離れた。


「たまりにたまったストレスの解消に使ってやるんだよ!」


「っのぉ! 何で藍色の仲間はこうどこか常識外れなのよ!」


「ほめ言葉」


 小町と紫の間からいきなり藍色が現れた。


「わっ!?」


「おっ」


「む」


 小町の額に軽い張り手、紫の腹に蹴りをプレゼントして押した。


「な、いきな……」


「ここ任せた」


「ちょ!?」


 まさかの任せた宣言。有無を言わさず行ってしまい、まさかの取り残しである。

 しかし……


「……おろ?」


 何もしないとお思いで? 藍色の能力を舐めるんじゃない。かつてルーミアや小傘にしたような事を小町にやってしまい、メルヘン立方体の方に飛んでいってしまった。


「……また爆弾をッ……」


「へぇ、面白い。あいつらもああやって強くなったのか、こりゃ愉快愉快」


 ああ、もう。目も当てられない最悪の事態に、紫が頭を抱える。


「ええいヤケよ! かかって来なさい!」


「ハハハ、妖怪の賢者に劣らない力か。良いなこれは……」


 ……おおっと?


「丁度良い! 今まで四季様の手を煩わせた罰をあたいが与えてやるよ!」


「元上司思いは素晴らしいけど今は関係無……!」


「ハッハー! 逃がすかぁ!」


 自分の今までの恨み含まれてるんじゃ……?







「くぅ、小さくなった分やりにくくなった……」


「う、う……」


 痛くて痛くて、ボロボロ涙を流している。むしろ、子供の精神でここまでやれる事が不思議だ。どうやら藍色が与えた力は存外多かったらしく、この状態のルーミアが夢子とやや互角に戦いあっている。

 大量の妖力を惜しげもなく使う戦い方になっているので、既に世界は綺麗のきの字も見えない瓦礫に埋もれていた。あえて綺麗を探すとすれば……

 空が、青すぎる事か。雲の欠片すら見えない。


「しかし、私が仕掛けてなんですが……降参しません? 子供に攻撃するのは心が痛いです」


「わ、私は体が痛いから……おあいこだぞ〜?」


「変に強情なのは変わらず、か…………まさか素とはね」


 負けると心が苦しい。倒したら倒したで心が痛い。長引いても心が痛い。どないせいと……と考えても仕方無い。


「……一思いに、潰しましょう。考え過ぎると逆に酷い結果を生みそう」


「か、簡単にはやられないのかー」


 確かに、威力諸々が全く衰えないレイヴンのおかげで簡単に攻撃を与えられない。防御性能が馬鹿にならないので、戦闘はしっかり長引いている。いつもは目立たないので失念していたが、独自の知能もあるので今のルーミアをしっかりバックアップしている。何の悪夢だ。

 それと、数が多い故に使えていないスペルカードもあるので、それも攻めきれない理由にもなっている。

 つまり、結局はお互い身の削り合いで、なかなか攻勢に転じる事が出来ない。いい加減、大きな変化が欲しいと夢子が考えてすぐの出来事だが……


「こんにちは」


「うっ!?」


 背後から、更に低姿勢からの跳び膝蹴り。振り向いてしまった夢子の顎に入る。二人の体が浮いた瞬間、藍色がスペルカード宣言。


「肯定証明「偶然確率」」


 夢子の体を蹴るという行動を合図に発動し、ついに綺麗のきの字すら潰した。ここで状況を理解出来たルーミアの顔が明るくなる。


「力業が無理だから工夫して来たの。でも、考えが足りてない」


 ルーミアの隣に降り、レイヴン単純なお願いをする。


「か、考えが足りない?」


「一行がルーミアだけとも見れる馬鹿な行動をするから分からない」


「そーなのか?」


「そう」


 レイヴンがいつの間にか一匹の大きな鳥になっている。藍色がルーミアを抱えてよいしょと乗り込む。


「子供しか居られなくなる世界だとルーミアから情報を受け取った」


「……な!? 一体どうやって……」


「藍色は闇が沢山あるから伝えやすいのかー」


「……事前に私の闇に入り込ませた」


 図らずも通訳になった。


「ここからあなたが愚かな所。子供しか居られないのに、子供が多い一行には意味があまり無い」


「いや、私の狙いは」


「ルーミア一人に狙いを絞っても、仲間が来ない理由は無い。だから私が来た」


 藍色が夢子を黙らせにかかる。


「最初に勇儀を入れれば良かった。どうせ味方は空間に飲まれないだろうし」


「二対一が厳しいのは事実だぞー」


「大事な真剣勝負なら私も干渉しないけど」


 レイヴンが飛ぶ。軌道は夢子に一直線。


「私達身内の誰かが居る時点で、身内を助ける確率に零は無い」


 レイヴンを蹴り、夢子に勢い良く蹴りを入れた。回避する確率は低くしてあり、意味の無い防御をするしか無かった。







「っと? ちょいと待っておくれ」


 物凄い音。藍色の足と、拳の正面衝突。ふざけた威力に衝撃が放たれ、ついに疑似空間を壊してしまった。


「むぎゅ」


「ぐ!?」


 藍色はポトリと落ち、レイヴンとルーミアは吹き飛んだ。夢子は腰を抜かしてしまったようである。


「悪いけど藍色、あんまり虐めないでやってよ。話聞いてたけど、コイツも必死らしいんだ」


「……そう」


 勇儀の近くにはフランが見える。どうも、自己判断で協力すると決めたらしい。多分空間に穴でも開けたのだろう。


「まだ出会って間もないけど、一途な良い奴じゃないか。潰してやらないでおくれよ」


 話を聞きながら目を逸らすと、ちょっと異様な光景が見えた。

 目を回す小傘と、黒こげの星。そして、『何故かストームブリンガーを見つめ非常に怪しい笑みを浮かべる』いつものルーミア。

 遠くには、今までに無い程にスッキリした顔の小町と…………紫。状態については何も言えない。


「私も充分楽しめたし、大勢も決してる。今回はお開きにしてくれないかい?」


「藍色、良いよね?」


「……ん」


 変に消化不良な部分はあるが……


「良いよ」


 勝てれば良いか。一度増えすぎた情報を整理する事にした。







「やあ、諸君。勝ってくれて何よりだよ」


「あたいはもう何も言わないよ」


「じゃあ私が言うけど、何様なのさ」


「さぁね」


 毎度の式貼り作業をした後、地底の大終了が始まった。無論紫くらいしか動かないのだが……


「で、勇儀の事だけど……小傘、充分見れた?」


「うん、とにかく言える事が一つ」


 ん?


「スペルカード使ってるよね? 嘘って言ってよ……」


「小傘ぁ、あれ生身……」


 鬼の拳は恐ろしい事が分かった。

 三歩必殺も避けたのだが、壁に当たって凄い爆発が起きて…………小傘の記憶はここで途切れている。まあ、大方衝撃に吹っ飛ばされたんだろうがな……

 フランもなんだかんだで分身を消し飛ばされてしまい、紫をこらしめた小町が一人で奇襲をかけて一人勝ちだ。ズルい。

 と、こう書くと勇儀ばかり目立って星が見当たらない。星は単純で避けやすい勇儀の拳を届かせる為、意識して縁の下の力持ちとなったのだ。


「スペルカード無しだったからマシだけど、使ってたら私も夢子にばっかりかまってられないわね〜」


「ま、三歩必殺は元々スペルカードとは違ったみたいだし無しと考えよう」


「さて……」


 小町がずっと藍色を見ている。


「戻せと」


「当たり前だよ」


「あ〜ら、勿体無い」


 諸々を終わらせてきた紫がこちらに。


「今回は無理矢理だったけど、あたいはあくまで同行者だ。大きすぎる力なんて普段は使わないよ」


「そうねぇ」


 藍色が小町を見つめる。能力を使っている時の立ち方が安定しないが、良いのか?


「……………………う」


「え?」


 ちょ。


「藍色?」


「…………あ、このパターンはまさか」


 藍色がルーミアの所に。ルーミアは黙って藍色を撫でる。


「フラン」

「あ、面白そうだから直さないよ?」

「小傘」

「イメージがまとまらないんだけ」

「ゆか」

「あははは! あっはははははは!」

「…………あたい、泣いて良いかな」


 藍色がルーミアから鞄を奪い、適当な薬を引っ付かんで大笑いしていた紫に飲ませた。


「あ」


「行く」


 そしてそのままルーミアを掴んで行ってしまう。気分は真っ暗な小町は小傘が、みとりはフランが引っ張っていった。


「ちょ、藍色! 今の何よ!? あと式を」


 ポン。







「紫さ〜ん、藍が起きましたよ〜」


「紫様〜?」


「キャアアァァ! 藍、ら〜ん! 助けて〜!」


「藍さん、早く来て下さい。背丈の小さい紫さんにどんな顔をすれば良いか分かりません」


「笑えば良いんじゃないかい?」


「冗談言ってないでなんとかしなさいよ!?」


「あ〜、紫様? 少し落ち着い」


「どうも! 良い写真を頂きましたよ?」


「ブン屋ァァァァァ!」







 今日も幻想郷は平和です。

 スペルカードの本格的な利用をしてみたり、勇儀を仲間に加えてみたり。手を尽くしてみたものの、結局同じような事をしてきた藍色達に返り討ち。残ったのは情報と黒歴史と、赤色にマイナスの記号というラベルのある試験管だけだった。お後がよろしいようで……


 紫サイドのスペルが悲しかったので一気に追加した章でした。とにかく、これで勇儀以外の皆のスペルの基本が完成したと思います。そしてルーミアが気になる空椿です。


 現時点で藍蓮花至上最もやりすぎた章です。見直してみたら私も「うわぁ……」となる程でしたが、読者様を待たせるわけには行かないのと、数少ない戦闘回ではっちゃけたかったのがあります。許して下さい。


 今後キャラや場所のネタに使いたい為、ニコニコ動画やYouTubeにお世話になっています。まあYouTubeは二分毎に動画切れますし、ニコニコはカクカクな上に画質最悪ですが。

 MUGENも見始めました。トナメ動画とか見てるんですが…………禍霊夢、中々出て来ませんね。出て来ても暇を持て余した神々の遊び状態で参考にすらなりません。

 MUGEN勢出演はまだまだお待ち下さい。情報さえあれば良いのにね……


 夢子さんのスペルカードですが、童話や昔話をアレンジするつもりです。不思議の国のアリスも良いなぁ……

 ……物語についてとかも、また勉強する事が増えましたね。それくらいなら普通の勉強しろって言われそうですがね。嗚呼、藍色かルーミアになりたい。


 ……紫さん? 今日もオチ要員お疲れ様です。お前普段他小説で調子ぶっこき過ぎた結果だよ? とは言いつつ、紫は地味に強化しつつあります。藍色と似通った部分が多くて割と面白いですよ。

 でも、能力の自由度は藍色の方が高く、成功率は紫の方が高いという妙な感じになっています。ちなみに、小傘は両方高いですが時間がかかります。


 誰かを強くしてそれを戻せた試しがあまり無い藍色、ついに小町が犠牲になりました。この後の展開はもう大体分かるでしょうね。

 藍色は一度強くしたら元には戻そうとしますが、失敗したら放置です。三日くらい経つかフランの能力でなんとか出来るのに……このタイミングで面白がりました。


 さて、今回はこれまでにしましょう。スペルカード集の更新が忙しくなりますねぇ。ですが、妙に説明不足なスペルカードもあるので、どうにか頑張ります。ではノシ

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